RSS | ATOM | SEARCH
ミンダナオ島紀行 南部篇 その(17) 刺身用のマグロに缶詰め用のマグロ 

 この漁港に水揚げされるマグロは正確には『イエロー・フィン』で文字通り、鰭の部分が黄色い。日本では『キハダ』と呼んでいて、北海道以南の太平洋側で獲れる。

【写真−1 もっと小さいマグロは町のマーケットで売られるので資源は減る一方

 世界のマグロ漁獲量の半分以上を占めるらしく、マグロの中でも豊富な種類になるが、近年は乱獲が祟って個体数が減っているという。実際。この漁港でも以前より獲れなくなってマグロ加工工場などでは首切りなどが行われている。

 写真−1
は市場内で処理が行われていて、形の小さいマグロは缶詰工場へ運ばれるが、写真でも分かるように魚体が小さ過ぎて、乱獲という指摘は免れない。

 市場へ来る途中に缶詰工場をいくつも見たが、いわゆるツナ缶というのはこのイエロー・フィンを加工したもので、私などもセブで時々食べる小さい缶のツナはこの地域で製造されている。

 このツナ缶は身のほぐれた状態で加工されるが、茹で上げた大きな身を缶詰め用の大きさにほぐすには機械だと潰れてしまい、いまだ人の手を借りて処理しているという。そういった意味では雇用に役立っていると思うが、実際缶詰工場内を見たわけではないから、以前聞いた話としておく。

【写真−2 刺身用と言っても生ではなく、切り身は冷凍パックにされる】

 

 写真−2はそのイエロー・フィンの中でも鮮度や肉質の良いものが刺身用に処理されるらしく、表面に『SASHIMI』と印刷されたラベルが貼ってある。

 イエロー・フィンというのは全体に薄紅色で他のマグロよりは脂肪が少なく、こってりしたトロを好む層にはあっさりし過ぎていて、生食用より缶詰め用に向いている。

 その昔、ハワイまでヨットで航海した時に、たった一回だけイエロー・フィンが船尾から流していた仕掛けにかかった事があった。

 体長は60センチくらいの小型で、新鮮な食料のない船上ですぐにさばいて刺身にして食べたが、釣ったばかりのマグロは生温かくてあまり美味くはなかった。釣って一度冷蔵してその後調理した方が刺身としては良いようだ。

【写真−3 この小さなアウトリガー船で何日も漁に出る】

 写真−3は市場の前の船溜まりで、このような船がミンダナオ島南部の海域でマグロを獲っている。小さな船だからそれほど遠くへ行かないで漁獲できるようだが、冷凍設備がないから近場で漁をするしかない短所もある。

 漁獲方はこの手のマグロ漁は巻き網で行うらしいが、小さな船を乗せているもののそれらしき網は見えず、はえ縄のような仕掛けで獲っているのかも知れないが良く分からない。

 岸壁に舫うこれらの船には洗濯物がひるがえる
、家族で乗り込んでいる船もあった。

 


 

author:cebushima, category:ミンダナオ島紀行 南部篇, 21:40
-, trackbacks(0), pookmark
ミンダナオ島紀行 南部篇 その(16) マグロの水揚げ、計量、仕分けと作業は流れ作業 

【写真−1】

 

 岸壁に水揚げされたマグロは人間の肩に担がれ運ばれ検量されるが、一匹は運んでいる人間より重い70キロから100キロ近くあるというから、仕事とはいえこの作業者は大変なのは確か。

 この肩に担いで運ぶ姿が観光客の写真材料としては評判を取り、今やこの地方の一大観光地となっている。

 写真−1の中でピンク色のTシャツを着た人はマグロの品質の検品人で、細いステンレス・パイプをマグロに差し込んでその肉の様子を調べていた。

 この仕掛けは細いパイプを肉の中に入れて、引き抜きパイプの中にある細い管を押すと取った肉が出てきて鮮度と質を調べている。

 東京・築地のマグロの競りでは尻尾の部分を切って肉質を判定しているが、築地の冷凍物とここは生のマグロを扱うのでその検査方法が違うのであろう。

 それにしても無造作に管を差し込んで肉が傷むのではないかと思うが、鮮度にもよるが、これらが全部マグロの刺身になるわけではなく、それはそれで良いのだろう。

 

【写真−2】

 

 こうして次々と担ぎ込まれたマグロは写真−2の場所で手際よく検量されて仕分けられ、次の工程に進む。
 

【写真−3】

 写真−3はその次の工程で、鮮度を保つためにエラの除去をしている。こういった作業であるが、これが家畜の処理場であったらとても見学してみようなどと言う気は持たないが、不思議と魚なら大丈夫で、やはり魚に親しんでいる日本人かと思う。

 この日は休日であったために水揚げはいつもより少ないとのことだが、活気のある事は確かである。


 

author:cebushima, category:ミンダナオ島紀行 南部篇, 20:05
-, trackbacks(0), pookmark
ミンダナオ島紀行 南部篇 その(15) マグロで知られる魚市場へ行く

 今回のゼネラル・サントス市行きは、先述した山上の湖『セブ湖』と、マグロの水揚げで有名な魚市場を訪れる二つの目的があった。

【写真−1 そばまで行くには真ん中のスタイルになる

 セブ行きの帰りの飛行機に乗るその日、早起きして魚市場へ向かう。市内中心からトライシクルで海沿いに30
分以上走った所に市場はあって、途中にはマグロの缶詰工場が連なり、朝早くからそこで働く長靴を履いた労働者の姿をたくさん見る。

写真−1はその魚市場の入り口にあった看板で、場内に入るにはこのようなスタイルでないと入場できないとある。白い長靴は入り口前で金を払って借りられるが、その朝油断をして短パンで来たために、汚らしいジャージーも借りて入る事になった。

 

【写真−2 病原菌を持ち込まないためだろうがいい加減な様子】

 写真−2は場内に入った一角に設けられた長靴を消毒する設備で、なにかの薬剤が溶かされている容器に足を浸して入場するが、真面目にそんなことをやっているのは他になく、ここを通らなくてもいくらでも入場でき、かつては激しくやっていたがその内いい加減になるフィリピン流のようだ。

乗って来たトライシクルの運転手に帰りの足のために待ってもらい、場内の様子を聞くとこの日は日曜日に当ったためにいつもよりは静かだという。

【写真−3 こういった具合で観光客も混じる】

 市場内にはいくつも棟があって、人だかりのする建物に行くと、マグロの水揚げの最中で写真−3がその建物前の港で、水揚げされたマグロが台車に載って次々と運び込まれていた。

世界的にも有名なマグロの市場なので、港には世界各所から集まったマグロ船が停泊しているのかと思ったが、そういった想像は全く間違いで、この地方独特のバンカー船が係留されている。

マグロといえば世界を股にかける日本漁船で、日本漁船といえば飲み屋、カラオケ街と連想するが、そういった雰囲気は市内を含めて微塵もなく、そういえば日本のマグロ漁船は冷凍マグロ専門で、ここのように生のマグロを扱う市場とは無縁と合点が行く。


author:cebushima, category:ミンダナオ島紀行 南部篇, 18:37
-, trackbacks(0), pookmark