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へそ曲がりセブ島暮らし2020年 その(13) 4ヶ月以上も靴を履いていない−在外邦人は棄民か−10万円を支給せよ

 1月25日に92歳で亡くなった方の葬儀に出てから、既に4ヶ月以上経つがその時に革靴を履いてから今日まで一度も靴を履かない生活が続いている。

【外出をしないと靴を磨かなくなる】

 屋内や庭に出ている時はスリッパ使用で、外出する時は用途に応じて革靴、スポーツ靴と使い分けているが、新型コロナ・ウィルスによって3月半ばからセブ島全域は完全封鎖、外出禁止令が出てからは家に居る生活を余儀なくされている。

 

 フィリピンの感染者数は5月27日現在で1万5千人、死者は900人余、非常事態宣言が解除された日本が1万6千人余、死者870人とフィリピンと日本の総人口は近いので、医療体制が脆弱といわれるフィリピンは頑張っている感が強い。

 

 ただし、日本は一応押さえ込んだ状態だが、フィリピンは防疫体制が徹底しないのと市民の衛生意識の欠如、密集住宅地が多いため数字の伸びはまだまだ衰えず、やがて日本の感染者数を追い抜くのではないかと思っている。

 

 マニラ首都圏など段階的に封鎖措置を解いているが、フィリピン内でセブ市は規制が緩められず継続し、その隣のマンダウエ市もトバッチリの様に規制が続き、セブ市の感染者数は2000人を超えているから一都市では確かに多い。

 

 一方のマンダウエ市の感染者数は200人を上回った程度で、警戒は必要だが規制継続というのは酷という声が挙がっていて、首都圏などセブより感染率が高い市でも緩められていて不公平感は強い。


 そういった混乱の中、6月1日から従来の防疫体制が変わることが発表され、それによると、国内唯一、一番制限の強い防疫強化地域(ECQ)に指定されていたセブ市を、やや緩くなる修正防疫強化地域(MECQ)、隣接するマンダウエ市をもっと緩くなる一般防疫地域(GCQ)に移行される。

 GCQになると、タクシーやトライシクルの運行が再開され、バスも通常の半分の乗客制限で可能になるが、フィリピンの主要交通機関の一つであるジプニーは、乗客同士が隣り合わせることを理由に運行再開は不可となっている。

 3月半ば過ぎにフィリピンは戒厳令以上の封鎖措置が取られて、トライシクルやジプニーの運転手はほとんどが貧困層に入る日銭商売で、その商売が出来ないとたちどころに生活苦に陥るが、2ヶ月以上も良くぞ我慢、暴動の一つや二つはあっても良いのに良くぞ耐えていると思う。

 フィリピン政府も米などの食料と現金を支給する事業を展開し、バランガイという最小行政組織を使って配っているが、フィリピン的というかこれら下部で携わる連中の横領が続出し逮捕者が多く出ている。

 拙宅にも米などの支援物資が配られたが、これをもっと困っている人に渡して欲しいと思っても、受け取らないと配達する係の手続き上面倒臭くなるし、辞退すると浮いた物資を横取りされるのが関の山なので、敢えて受け取っている。

 

 2013年にフィリピン南部を襲い、未曽有の被害をもたらした台風『ヨランダ』の時に、救援センターで支援物資を袋詰めをする経験をしたが、そういった支援物資を『リリーフ・グッズ』と呼んでいて、野球で救援投手をリリーフと呼んでいるのはこれから来ているを知る。
 

 フィリピン人は世界で一番『米』を食べると何かの統計で見たが、何かあると米を配るのが定番で、他にイワシの缶詰、インスタント・コーヒーなどで、確かリリーフ・グッズの量はひと家族一週間分と聞いたが、この量で大丈夫なのかという気がした。


 日本では『アベノマスク』などと呼ばれている、毒にも薬もならないマスクを数百億円という巨費を投じて配るのを皮切りに、経済支援で住民一人ずつに10万円を配り、休業を余儀なくされた商工業者、サービス産業に補助金を出し、経済的に疲弊した層への支援がスピード感はないものの何かと動いている。

 

 この10万円支給だが、住民票のある者で国籍は問わないというから、外国人『排斥主義』の強い日本政府が良くぞ踏み切ったと思うが、小生の様な海外在住者から見ると、どうして在外邦人はこの枠に入らないのかと疑問に思っている。

 

 日本の外務省によると、現在在外邦人は130万人居るとのことだが、この数字は日本の在外公館に『在留届』を出している数字であって、在留邦人数の実数は3ヶ月未満や旅行者を含めて在外公館に届け出のある数の倍くらいといわれている。

 

 セブの場合、届け出邦人数は2900人弱となっているが、実際は5000人以上が住んでいるようだし、毎日入れ替わる日本からの観光客を加えるとその数は相当膨らみ、万に近い日本人がセブに居ると見ても大袈裟ではない。

 在留届はその地に3ヶ月以上住む場合は届け出る義務はあるが、出さなくても罰則はなく、何のためにあるのかという代物だが、クーデターなど不測の事態が起きた時に在外公館が在留邦人の安否を確認する時には役には立つが、それも邦人数の少ない国で有効であり4桁台になると対応は難しい。

 さて、10万円支給に関して在外邦人は対象になっていないが、海外に住んでいるというだけのその理由は曖昧で、日本の住民票は選挙権と連動していて、その観点から見ると『在外選挙制度』で日本の選挙権を得ている邦人はどうなっているのだと思わざるを得ない。


 この『在外選挙制度』というのは最高裁判決で海外に住む日本人に選挙権を与えないのは『憲法違反』と出て法制化されたものだが、日本の選挙権と違って18歳になれば黙っていても自動的に得られるのではなく、在外公館へ行って登録手続きをし、日本の最終住民登録地の選挙管理委員会から『選挙人証』が送られてくる。

 

 この手続きには『在留届』が出ていることが必須で、これから在留届は住民登録と同じと見て良く、この点から在留届を出している邦人に対しては日本同様10万円支給は無理ではなく、在外公館が支給窓口になれば済む話である。

 

 こう書いていると、今度は日本の困窮学生に20万円を支給するという案が決まったが、どうもこれを決めている議員連中は票になる層を対象に施策しているように感じるが、在外邦人にも選挙権があることを忘れているのではないか。

 

 もっとも在外選挙登録している日本人は10%以下、また登録していても投票するのは10%前後とかなり低く、制度そのものに手間と金がかかり過ぎているのも明らかだが、民主主義というのは手間と金がかかるもので、効率そのもので論じるものではない。

 こうしてダラダラ書いているのは今回の10万円支給の枠から外れている在外邦人は『棄民』扱いという日本政府の在り方が問題で、海外に住むから困っていないという見方は、世界中を覆った地域、人種、国籍を問わない新型コロナ・ウィルス騒ぎを思うと空しい。

 


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2020, 19:40
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新幹線全線乗車の旅(ジャパンレイルパス) 2019年 その(70) 新大阪駅から京都駅へ

【写真−1 ビルに囲まれて古都の駅らしさはない】

 

 新大阪駅に2分間停車した『ひかり470号』は、13時43分に次の停車駅京都を目指して発車。新大阪駅−京都駅間は15分を切る乗車時間だが、国内有数の観光地にある京都駅はドル箱駅。写真−1は在来線を睥睨するように京都駅へ入る直前の様子。

 

【写真−2 外国人観光客にはやはり富士山か】

 

 目の前に写真−2の大きな看板があり、線路との隙間から在来線ホームが見える。看板で目隠し囲い込まなくても良いと思うが、写真の富士山、新幹線の中から見える富士山の雄姿は惚れ惚れし、そのために左側の席を取っているが天気次第で見えるかどうか。

 

【写真−3 京都駅ビルのデザインは有名だがこちらからだと裏側で冴えない】

 

 京都駅に降りたのはいつなのか覚えていないが、京都駅舎は4代目で、3代目の駅ビルは1952(昭和27)年に竣工。写真−3の京都駅ビルは4代目で、1997(平成9)年竣工なので駅ビル3代目の時であったのは確か。写真の辺りはJR経営のホテルか。

 

【写真−4 東寺の五重塔より高い建物は駄目という不文律があったが】

 

 巨大な駅ビルになった京都駅は以前の京都に着いた雰囲気を失ったが、写真−4の窓から見えた『京都タワー』で、以前は駅前にこんな物を造ってと思ったが、市内一高い131mの塔を遠望して京都を感じた。1964(昭和39)年竣工で既に半世紀を超える。

 

【写真−5 彼方の山は比叡山だろうか】

 

 京都駅を出てすぐに写真−5の青く塗られた電車を見る。最初は京都駅に乗り入れている近鉄特急かと思ったが、これは倉吉−鳥取―京都間を走る智頭急行線経由のJR特急『スーパーはくと』の車両。これで鳥取から京都へ出ても良かったが時間が悪かった。

 

【写真−6 こういうのが日本の原風景】

 

 京都駅の次は名古屋駅で、その所要時間は40分もかからず新幹線らしいスピード感で走り抜ける。この区間は積雪でダイアに影響の出る米原もあるが、全体に写真−6の平地を走り、手前に黄色く見えるのは稲田にしては収穫時期を過ぎていて他の作物か。

 


 

author:cebushima, category:新幹線全線乗車の旅(ジャパンレイルパス) 2019年, 20:30
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台湾一周 鉄道旅 2020 その(49) 各駅停車で地下化された高雄駅に到着

【写真−1 養殖物は抗生物質の多用問題がある】

 

 台湾は魚の養殖が盛んで、日本へ入って来る鰻は台湾産が多い。桃園国際空港へ着陸する時、田園の中に溜池がポツン、ポツンと見えたがあれは養魚場のようだ。写真−1は台南駅を出て車窓近くに見えた養魚場で、この養魚場も南部へ行くほど目に付いた。

 

【写真−2 日本の駅を見ているような感じ】

 

 台南駅から5つ目の駅が写真−2の『中洲駅』。高速鉄道台南駅へは、この駅から分岐する沙崙線に乗って2つ目の沙崙駅で乗り換える。右側に『長營大学』とあるのは中州−沙崙間にある駅で、大学はキリスト教系の私立で1993年設立、学生数約1万人。

 

【写真−3 この駅からは別の路線で高雄市中心部に行ける】

 

 写真−3の『橋頭駅』の所在地は既に台北に次ぐ台湾第2の都市、高雄市内に入っている。台鉄では区間車しか停まらないクラスの駅だが、この駅では2008年開業、高雄市内中心部を経て高雄国際空港へ至る24駅、28キロ余の『紅線』に乗り換えられる。

 

【写真−4 車内もホームもガラガラ】

 

 台湾の鉄道投資は活発で、都市部に近い場所では地下化が進んでいて、写真−4の『新左營駅』に入る前から地下に入っている。新左營駅は台湾高速鉄道駅の終点で、高速鉄道駅は高架上にあり高雄市の交通の要衛だが、高鉄が中心部に入っていないのは不便。

 

【写真−5 地下化してホームは新しく良く管理されている】

 

台南駅から1時間弱の乗車時間で写真−5の高雄駅ホームに到着。区間電車乗車の印象はただただ時間がゆっくり流れていたことで、速く目的地に着くばかりが旅ではないことを認識する。この高雄駅からは地下鉄に乗り換えて本日の宿泊地『美麗島駅』へ。

 

【写真−6 かなり長距離を走る列車が多い】

 

 地下に入った区間車は写真−6の右上の表示で分かるように、15時30分に台湾南部を走る屏東線の地上に出て『潮州』へ向かう。台湾は地下鉄事業も盛んで、高雄市は台北市に次いで地下鉄が開通した都市で、現在5路線があり建設中、計画路線も多い。

 


 

author:cebushima, category:台湾一周鉄道旅 2020, 20:33
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