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パラワン島紀行 2018年 その(24) エル・ニド滞在を終えてプエルト・プリンセサへ

【写真−1】

 

 台風襲来のために天気には恵まれなかったが、写真−1のホテルに四泊した。部屋は広くしっかりしたキッチンと料理器具がそろっていて、長期滞在するには悪くない。上下で4部屋しかないが、私達以外は欧米の長期滞在者で部屋が埋まっていた。

 

【写真−2】

 

 写真−2はエル・ニドのバス・ターミナルの待合所風景で、最初に到着した時は大雨でこの待合所で雨宿りをする羽目になった。この場所に来れば予約がなくてもプエルト・プリンセサ方面へ戻るには困らず、今はインターネットで状況が掴めるから便利。

 

【写真−3】

 

 小型のヴァンが交通の主力で、むしろ大型の路線バスより安くて速い。写真−3は快調に飛ばす車内からの様子で、時間的にヴァンが何台も連なり、追い越しをかけるが、中には力任せに追い越しをするのもあり、交通量の割には事故は多いのではと思った。

 

【写真−4】

 

 9時過ぎにエル・ニドの町を出たヴァンは写真−4の場所で最初の休憩。たくさんのエル・ニド発のヴァンが駐車していて、途中にはこれといった休憩所はなくて、運送業界指定の場所のようで、否が応でもここで昼食を摂るようになっている。

 

【写真−5】

 

 レストランは写真−5で分かるように、緑の色を湛えた池を望むようになっている。池は養魚場になっているのかも知れないが、その魚を食べるような宣伝は見かけなかった。このレストラン近くには海があるようで、リゾートの看板も見かけた。

 

【写真−6】

 

 そこで食べたのが写真−6。どれもフィリピンで馴染の料理ばかりで、左の皿は『アンパラヤ(苦瓜)の玉子炒め』。その上は『三度豆と魚の煮付け』。その右は酢の利いた『魚のパクシウ(煮物)』。その右は少々酸っぱい『海老のシニガン・スープ』。

 


 

author:cebushima, category:パラワン島紀行 2018年, 17:34
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パラワン島紀行 2018年 その(23) 夕陽見物で知られるラス・カバナス海岸へ−2

【写真−1】

 

 写真−1は夕陽を眺めるには絶好のレストランから見た海の様子で、そのレストランのメニューを写したところ、今までこの海岸はラス・カパナスと思っていたのがカパではなくカバのラス・カバナスと分かる。スペイン語でカバナとは家畜の群れをいう。

 

【写真−2】

 

 そのレストランの海に面した席が空いたので、そこで夕陽を見ることにする。写真−2は頼んだ飲み物だが、フィリピンもかつては氷は危なくて口にできず出ても捨てていたが、今は割合安心して口にできるようになった。しかし、油断は禁物。

 

【写真−3】

 

 海と空が少しづつ染まって行く様子が写真−3。台風一過という言葉のないフィリピンで、台風が通り過ぎた後にしてはこれだけの夕景が見えただけでも価値があった。海に写る船は日没を避けるように沖合いの他の島に向かって静かに海岸を離れて行った。

 

【写真−4】

 

 写真−4は腰を据えたレストランを海側から見た様子で、手前に石が積まれたような部分が見えるが、これは違法建築の土台が壊された跡で、そのコンクリート片が無造作に放置されている。最近でもエル・ニドのホテルなど10軒ほどが営業停止になった。

 

【写真−5】

 

 レストラン正面のこの位置が西方向で、輪郭がぼやけた太陽が淡い光芒を残して水平線上に浮かぶ島に向かって落ちて行く。太陽が没する様子は何枚も撮ったが、この写真−5が一番太陽の様子を捉えていたが、湿気の多いフィリピンでは夕陽写真は難しい。

 

 

【写真−6】

 

 レストランで何を食べたか覚えていなくて、印象の薄い料理であったようだ。写真−6は日没時に逆光の中泳いでいる観光客の姿だが、フィルム・カメラだとこうは撮れず、デジカメで誰でも巧い写真を写すようになって撮影技術を学んだ人は全滅という時代。

 


 

author:cebushima, category:パラワン島紀行 2018年, 16:51
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フィリピン 2019選挙 その(4) 選挙結果−その1 上院選はドゥテルテ大統領与党勢力が大勝

 フィリピンの上院議員は任期6年、定員は24人しかいなくて、その半数の12人が3年ごとに改選され、連続2期12年以上は憲法上の規定で不可だが、3年の時間を置けば再立候補することはできる。

【今回上院選で最下位当選した前副大統領の娘ビナイのポスターが見える写真】

 実際、一度地盤地域の下院議員あるいは首長職に立候補して1期3年を腰かけ、また立候補し当選し延々と上院議員職を私物化する者が多い。

 

 また、その投票方法が独特で、1人の有権者が1人の上院選候補者を選ぶのではなく、12人の枠一杯を連記して選べる方式を取っている。

 そのため、以前は記名式のため候補者全員の名前を覚えられず、投票所前で候補者の党派がこのように12人記入してくれというビラが配られ、その用済みのビラが雪のように付近を覆っていた。

 今は電子投票システムに変えられてマークシート式になり、候補者一覧の中から12人分を黒く塗り潰せば良いようになったが、これも12人以下の印しなら有効だが、13人以上に印しを付けてしまうと無効になり、今回の選挙では100万票以上の無効票が出たという。

 こういった無効票を防ぐ、事務の煩雑さをなくすためにも上院議員も下院議員と同じように1人1票にするべきだが、どうも12人も書いてくれるなら俺も入るのではないかという上院議員立候補者の『助平心』から、改められる様子は全くない。

 12人もの複数候補者を選べるために今回の上院選でのトップは2500万票余という途方もない票を得ていて、2016年に行われた大統領選で当選したドゥテルテの総得票数が1660万票余を考えると、いかに上院選が異常な選挙方法かと分かる。

 さて、上院選の当選結果であるが、ドゥテルテが推した候補が軒並み当選し、またドゥテルテに近い党派も順調に当選を重ねたが、前大統領アキノを擁した野党最大の自由党が現職を落とすなど1人も当選できず惨敗を喫したのが今回の上院選の特徴となった。

 トップ当選はシンシア・ヴェリヤール(現)で、同人は2010年大統領選でアキノと争った元上院議員ヴィリヤールの妻で、ヴィリヤールは貧困の身から不動産業で財を成した大富豪。

 今回のトップ当選で2022年大統領選に夫の野望を成し遂げるために同人の出馬も噂されているが、財力は無尽蔵にあっても大統領候補としての資質、人望はないともいわれている。

 2位に女性のグレース・ポー(現)が入り、次回大統領選候補の筆頭の座を守った。同人は2016年大統領選では事前の人気が高く、一時は当選確実ともいわれていたが、ドゥテルテの巧妙な出馬戦術で失速し、実際の大統領選では3位に沈んだ。

 捨て子という身の上、アロヨと大統領の座を争い僅差で敗れた著名俳優を養父にし、全国的な人気は高いが、今一つ決定打は打ち出せず3年後まで支持を持続できるかが鍵となる。

 3位はドゥテルテが推したボン・ゴー(新)。同人はドゥテルテが領地のダヴァオ市長をしていた時代から秘書などをした子飼いの人物で、ドゥテルテが大統領就任後は大統領補佐官ポストに収まり、政府組織を動かして楽々当選。

 4位は女性のピア・カエタノ(前)。首都圏タギッグ市を地盤とする政治一族出で、父親、弟も上院議員経験者。弟は2016年ドゥテルテと組んで副大統領選に立候補するが3位で落選。

 それを気の毒に思ったか、同人は後にドゥテルテから外務長官に任命され、1年半ほど勤めて退任。ピアは女性議員として人気は高いが、2期12年上院議員を務めた後、地元タギッグ市の下院議員を1期腰かけてまた上院議員に復帰する汚い手を使っている。

 5位にバト・デラロッサ(新)。同人はドゥテルテの腰巾着と揶揄される元ダバオ市警察署長で、ドゥテルテが大統領当選後は警察権力の最高位、国家警察長官に引き上げられる異例の出世。

 ドゥテルテの進める『麻薬関与者抹殺計画』の推進者で、頭が筋肉で出来ていると評されるが、ドゥテルテの信任は厚く、事前調査では出遅れていたが警察組織を使って悠々当選する。

 6位はソニー・アンガラ(現)。父親が著名な法律家で元上院議員。その跡目を継いだだけの世襲候補者。

 7位はリト・ラピド(元)。前回は落選した著名な俳優であり、ルソン島中部パンパンガ州を領地とする政治一族出で、同人は州知事の経験もある。出演していたテレビ番組が選挙活動だと指摘されるものの、フィリピンは芸能界も政界も同レベルなので特にお咎めはなし。

 8位に独裁者マルコスの娘、アイミー・マルコス(新)。マルコスはルソン島最西北端にある北イロコス州を領地とし、同州ではマルコスを批判したら殺される政治風土。

 アイミーは同州知事を経て上院選に出馬し当選するが、マルコス独裁時代に恩恵を受け忘れられない『マルコス・ロイヤリスト』は国内に一定程度残っていて、ドテルテもマルコス家復権に手を貸している。

 弟は前上院議員で2016年副大統領選に出て自由党の女性候補に僅差で敗れるが、その後『選挙に不正があった』と裁判まで訴えたが、親のやったことを忘れたのかと批判を浴び腰砕け。ドテルテは『俺と組んだら楽々当選していた』と嘯いている。

 9位にフランシス・トレンチーノ(新)。ドゥテルテ推しの候補者で、領地の観光地タガイタイ市長後に、閣僚級の首都圏開発庁長官やドゥテルテの補佐官を経るが、やはり政治一族出身でコラソン・アキノが1986年大統領選を戦った時、相手陣営のマルコスと組んで副大統領候補として出たのがこの一族の人間。

 10位にボン・レヴィリヤ(元)。人気現役俳優で首都圏隣のカヴィテ州を領地とする政治一族出で、州知事経験を持つ。上院議員2期目の時に汚職で捕まり長らく拘束され有罪となり、3年休んで復活をかけた選挙で当選する。

 この国は汚職で捕まるなど投票判断基準にならず、上院選は芸能人としての顔の広さで選ぶ人気投票と同じといわれる所以にもなっている。

 11位にココ・ピメンテル(現)。同人は父親が反マルコスの闘志として鳴らした政治家だが、当人は親の七光りで当選しているようなもので、一時上院議長に選出されたがあまりの無能力さに座を降ろされた。

 12位はナンシー・ビナイ(現)。首都圏マカティ市を領地とする新興政治屋一族出で、父親は前副大統領。この副大統領、今回の選挙にはマカティ市選出の下院議員に出馬して敗れるという顔が丸潰れの番狂わせを生じたから選挙民も目覚めたか。

 ここまでが今回の当選者で、以下落選の13位がJV・エヘルヒト(現)。元大統領エストラダの愛人の息子で、エストラダの名前で出たかったとニュースになるが何のために議員なったのか分からない人物。なお、落選とは言え1400万票余を得ていて、これを見ても12人を選ぶ方式はおかしいのは分かる。

 14位にバム・アキノ(現)。大統領を2代も生み国民的人気の高いアキノ家の威光も今回は及ばず所属する最大野党の自由党の不振もあって落選。同人はアキノ前大統領の甥に当たるがアキノの名前だけで活動していた感じで、毛並みの良さが裏目に出た。

 15位にジンゴイ・エストラダ(元)。元大統領エストラダの本妻の子どもで、やはり芸能界に身を置くが2期目に汚職事件で長い間捕まり、親子2代汚職で獄に繋がれた影響もあってか復活はならなかった。

 16位にマー・ロハス(元)。2016年大統領選でドゥテルテと争い次点で落選するが善戦といわれ、その余波をかって上院議員復活をかけ選挙前の世論調査では当選圏内に入っていたが、所属の自由党の失速もあってよもやの落選。

 祖父が大統領で大財閥の御曹司という毛並みの良さは抜群で政治実績もあり、妻は著名なテレビ・タレントだが、それがフィリピンの多数派である貧困層に妬まれて、かつての上院選でトップ当選を争った勢いは失っている。

 この結果、ドゥテルテ支持を唱える当選者は9人を数え、他の3人の内2人は与党寄りで、2位で当選のグレース・ポーのみがドゥテルテに距離を置く当選者となり、上院の勢力図はドゥテルテ陣営が圧倒的に強くなり、4年目に入ったドゥテルテ政権の運営はより容易くなり、その暴発を怖れる声も出ている。


 

author:cebushima, category:フィリピン 2019選挙, 18:03
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