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へそ曲がりセブ島暮らし2015年 その(51) フィリピン駐在の日本のメディアが選ぶ 2015年フィリピン10大ニュース
 選ばれたニュースをセブ島工房なりの解説を加えて、2015年の掉尾としたい。



 【
10位】殺された邦人は2人のみ=世界で最も多く日本人が殺される国としてフィリピンは悪名をはせていて、昨年は7件でこれでも少ない年の方で、2桁台に迫る年もあった。

 邦人がフィリピンで殺害される事件の特徴は殺し屋による依頼殺人が多く、今年発生した
2件は保険金殺人が濃厚となっていて、過去も含めてほとんどの邦人殺害事件は迷宮入り。

 【
9位】大統領候補者の失格問題=有力候補のポー上院議員の出生とフィリピン居住歴を巡って中央選管は失格としたが、最高裁長官が緊急にその決定を差し止め、最高裁で審議が行われる事となった。

 2016
5月の選挙運動は公式にはまだだが、選挙戦は既に始まっていて、立候補する候補者はテレビ広告などに金をつぎ込んで露出中。金が無いととても無理なフィリピン政界は、つまらぬところでアメリカの猿真似選挙。まあ、選挙といっても人気投票だから関係ないか。

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8位】CARS署名=これは国内の自動車産業を振興するために優遇措置を決めた法令で、フィリピンには日本の大手組立工場が進出している。

 国内の所得が上がって車の売れ行きは急上昇だが、伴って車は増える一方ながらフィリピンの都市部の交通渋滞と大気は最悪状態でどうにもならない。無策の交通政策は勿論馬鹿を通り越しているが、自動車会社は造るだけしか考えず、フィリピンの公害は自動車会社が元凶となっている。

 【
7位】ミンダナオ島の交戦で警官44人死亡=自治政府が確約されている主体のモロ・イスラム民族解放戦線(MILF)と警察特殊部隊が1月に交戦。

 この事件でアキノ政権中に目指しているミンダナオ和平に繋がる各種法案が遅滞している。ミンダナオ島では毎日のように交戦事件があって、数人が死亡するのは日常茶飯事。命が軽いことと銃器の野放し、これらから人間が死ぬことにフィリピン人は鈍いのではと思わせる。

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6位】敗戦後70年目にシブヤン海で戦艦武蔵発見=日本海軍の時代遅れを象徴する巨艦武蔵を発見はそれなりに話題にはなったが、同型艦の大和を含めて無駄な巨艦だったのは事実。

 敗戦後
70年目という事でフィリピン各地にある日本軍関係の慰霊碑を改めて見直す動きもあったが、フィリピンを蹂躙し、多数のフィリピン人を殺したことを忘れているのではないか。

 【
5位】大統領選の支持率調査=毎月のように大統領候補への支持率が調査されていても、その信憑性には疑問が多いと指摘されている。

 芸能人の人気率じゃあるまいし、調査の度に順位が入れ替わるのも誘導としか考えられないし、だいたいフィリピン人の性格から真面目に
1件、1件調査しているかどうか疑問で、調査員が適当に書き込んでいるのではないかと、かつて日本でこの手の調査を手掛けた人間が言っている。

 【
4位】経済成長率の鈍化=ヴェトナムに次ぐ経済成長率を持つフィリピンながら、年率6%を保つのがやっとという感じで、中国の経済不振が徐々に効いている。

 この成長も下々には行き渡らず、以前からある貧富の格差はさらに開いていて、最貧困層という言葉の下に『超最貧困層』という階層をフィリピンには創出した方が良い。

 【
3位】空港銃弾事件=ただでさえ世界最悪空港のマニラ国際空港で、空港職員が乗客の手荷物検査時に銃弾を紛れ込ませ、急ぐ乗客から口止め料を巻き上げる事件が多発。

 身に覚えがないと主張すると逮捕、拘留だからたまったものではなく国際問題までに発展。対する政府側は事態を楽観視していて、犯行に加わった空港職員の停職を命じた程度で、公務員犯罪に甘いフィリピン政府の姿勢が目立った。

 【
2位】APEC開催=何のために、各国首脳を集めてこんな空虚な会合をするのか批判されている。

 政府は何百億円も金を使い、会場近くの店や銀行まで強制休業させ、社会主義国並みの強権体制で臨んだが、何にも成果はなく、開催国が見栄を張る、
APECの無意味さをアピールしたのは良かったとの評価はある。

 【
1位】中国との領有権問題=南シナ海(フィリピンでは西フィリピン海と呼んでいる)に中国が埋め立てを強行し、それに対してフィリピンは国際仲裁裁判所に提訴中。

 判決は
2016年度中に出る見込みで、素人が考えても中国の国際海洋法違反は明確で、フィリピンに有利な判決が出る模様。ただし、判決には拘束力がなく、中国はそれを見越して無視の態度を貫徹。厚顔を絵に描いたような国とは中国の事か。

 この余波として日本の自衛隊がフィリピンに駐留するとの話が日本の外務省から出たが、来年の参議院選挙対策に懸命な安倍政権は打ち消しに必死。本音はアメリカと組んで対中国に備えたいのだろうが、安倍政権が潰れればこういったきな臭い話は無くなると望みをかけたい。

 【番外】買春日本人元校長に判決=この人物はマニラ日本人学校に赴任してから、フィリピン人女性の買春を始め、帰国後もフィリピンへ頻繁に渡り、買った女性が
1万数千人というから日割りにしても驚く数字で、しかも写真に記録していたという。

 国籍を問わずフィリピンへ買春で来る人間は絶えず、昔から隠れた一大産業になっている。

 この間も、サイバー・セックスとやらでマクタン島の民家から未成年を使ってインターネット商売をしていた一族が摘発された。この手の輩はいくらでもあるようで、金に成れば何でもやるフィリピン人気質も問題だし、近所もこういった犯罪を知っていて見て見ぬふりをする体質も問題。

 今回判決の出たこういった教員や警官、自衛隊員、つまり税金で食っている連中が日本では歓楽街の得意客になるといわれているが、それにしてもこの校長は桁外れである。

 家族も事件が発覚するまで気が付かなかったのも不思議になるが、判決は懲役
2年、執行猶予4年とかなり軽く、いくら反省しているとはいえこの面で批判が起きても当然。


 
author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2015, 18:22
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2015年 桜紀行 その−22 『五大桜最後 三春滝桜へ新幹線に乗って観に行く』
 最後に観る桜は福島県三春町にある『三春滝桜』。泊っている原宿より、池袋に出て埼京線で大宮駅に行き、東北新幹線に乗り換える。

写真−1

 かつての大宮は遠い田舎の駅で、京浜東北線でトコトコ行く場所だった。それが今では埼京線やら湘南ラインなどと、いくつも都心へ行く線があって便利になり、新幹線の分岐駅としても大きな駅となっている。

 写真
1は多分、大宮駅で撮ったと思うが、文字通り矢のように新幹線車両は通り過ぎ、普通のデジカメではシャッターを押しても上手く撮れない。辛うじて撮ったのがこの一枚で、鳥のくちばしのような先頭車両の形は捉えている。

 写真でも分かるように普通のおばさんが携帯で写真を撮っているが、上手く画面に収まっているのかどうか。別に鉄道ファンという事もないだろうが、新幹線車両に携帯やデジカメを向ける人は多い。

 大宮から新幹線に乗り込んで、駅で買った駅弁を広げるが列車はグイグイ進んで、左手に雪を乗せた日光だか那須の連山を見ている内に早、郡山に到着。速いのも結構だが旅情というには程遠い。

写真−2

 写真
2は新幹線から乗り換えた通路の様子で、この辺りはローカル線の匂いが充分。『ゆうゆうあぶくまライン』と看板に書いているが、磐越東線の事で、郡山―いわき間を結んでいる。

 この線で
2つ目の三春駅が目当てになるが看板の一番左に見える『えだ=江田』という駅は、2013年の東北大震災の被災者支援で東北3県を回った時、最後に活動したいわき市まで3つ前の駅で、この駅前に流れる川沿いに無料のキャンプ場があった。

 そこを拠点にいわき市へ車で小一時間かけて往復し活動したが、鉄道の見えるキャンプ場も珍しく近くには夏井川渓谷があり、草野心平の生家も通り道にあり誠に長閑な日本の原風景を味わえた。

 しかし福島原発の放射能汚染で避難した飯舘村は山一つ越えた向こう側で、その当時は村へ入る道は通行止めだった。

写真−3

 写真3は郡山から最初の駅で次が三春駅になる。

 列車の先頭に立つが、この日は週末で、天気も良く三春桜目当ての観光客でホームも車内も通勤電車のように大混雑。

 これでは最後の滝桜も人ばかりかと少々怯むが、沿線には満開の桜が見え、写真のようにこれから到着する駅の周りには桜がこれでもかというかのように咲き誇っていて春爛漫。三春桜への期待が膨らむ。


 
author:cebushima, category:2015年 桜紀行, 17:55
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へそ曲がりセブ島暮らし2015年 その(50) 受難の季節到来

 
 我が家には3匹の犬がいて、写真の犬の名前は右が『ジロー』、左が『タフィー』で兄弟になる。もう1匹は隣で飼っていて、こちらは『モカ』といってマルチーズの雑種が室内で飼われている。

 写真の兄弟で名前が違っているのはタフィーの方は一度別の家にもらわれて行き、そこでタフィーと名前が付けられたが、兄弟で飼った方が良いだろうとなり我が家へ戻った。最初から我が家で飼っていたら多分『サブロー』となったと思う。

 この犬がもらわれた頃『タロー』と名付けたテリア種の白い雑種を飼っていて、このタローは間もなく死んだため、次の犬は『ジロー』となった。

 写真のどちらの犬も知人からもらった雑種で、親の体格は大きかったらしいがそれほど大きくならず、尻尾は昔の軍人が正装時に被った帽子に飾っていた房のようで、かなり豊かである。

 飼われて3年目で、家の中から外の庭を見ているがいつもは庭で飼っていて、いわゆる番犬になっている。

 部屋の中に入れているのは、このクリスマスの時期は各所で花火の爆発音が轟き、その音がどういうわけか嫌いというか恐れ、爆発音が伝わる度に玄関ドアーの金網を引っ掻いて中に入れてくれとなり、ドアーの破損を避けるために仕方なくその時は中に入れている。

 特にジローの方は極度に爆発音を怖がり、部屋に入っても椅子の下や物の陰に隠れて、身の細るような不安な表情で蹲っている。

 犬というのは『猟犬』があるように、銃を発砲するまで待機して発砲音と同時に獲物目がけて走ると思っていたが、逆にそのような音を怖がる犬もいて、我が家の犬がそれに該当する。

 多分、こういった音を嫌がるのは耳が良いせいではないかと思っていて、例えばゲートを開けるチョッとした金属音で反応を示すし、その開けた時に生じる音も家の人間か他所の人間か聞き分けている。

 犬の嗅覚が非常に優れているのは有名だが、我が家の犬の様子を見ていると犬の聴覚もかなり鋭いのではと思う。『犬笛』といって、人間には感応しない高いサイクルの音を出す笛があって、人間とは違う音域をもつ動物だから、人間にはあまり感じなくても犬にとっては迷惑な音が爆発音になるのだろう。

 人間が好き勝手に鳴らす爆発音だが、この時期のフィリピンは犬にとっては大迷惑で24日のクリスマス・イヴと25日のクリスマスに花火を盛大にやる慣習があって、一晩中爆発音が響く。これで終わりではなく、その一週間後の大晦日から新年にかけてやはり一晩中花火の爆発音が響くからたまったものではない。

 この二つの日にちに花火をするのはその昔はなかったという話も聞くが、中国系が厄払いで爆竹を鳴らしそれを真似たともいうし、ともかくフィリピンの年中行事として定着している。

 しかも、この時期は花火による事故が多く、関係機関では花火による死傷事故防止のため、毎年注意を出し、病院なども怪我人受け入れの準備体制を作る。しかも、毎年『死者何人、負傷者何人』と政府が発表して『今年は前より少なかったー多かった』と発表をしている。

 花火程度で死傷するのは大ごとだが、危険な花火というのが販売禁止になっていても、フリピン人としてはその危険な花火がまた魅力的であえて買う者も多く事故につながっている。

 また、普通に市販されている花火でも品質が悪く、点火と同時に爆発などの粗悪品も多い。怪我の中で指を飛ばすのが多く、毎年病院に担ぎ込まれた写真が年中行事のように新聞に掲載される。

 これなどフィリピン人の格好付けの最たるもので、点火した爆発する花火をどれだけ長く手に持っていられるかと馬鹿な競い方をする者多く、事故につながっている。

 また、花火ではないがこの時期に拳銃を空に向けて発砲する輩が多く、警察官が持つ銃に発砲したら分かるようにテープを巻くのが、やはり年中行事でこの場合はかなり漫画的。それでもこの機に乗じて発砲は止まず、空に飛び出た弾は地上に落下、その弾で死んだという事件が毎年のように起きている。

 実際、私の知人が空から落ちてきた弾を足の甲に受けて、その弾が足の内部に留まっているレントゲン写真を見ているが、その知人、頭に落ちていたら死んでいたかも知れないといいながら、記念にそのレントゲン写真を大事に持っている。

  
author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2015, 11:36
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