この一枚 ヴィエンチャン篇 (27) 《 サバの塩焼き定食 》
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2014.09.21 Sunday
タイ・ノンカイで『サバの塩焼き定食』を飽きずに食べていることを書いているが、この写真がその定食で、値段は日本円にして550円くらい。
この他に定食の上にあるカラフルな急須に入ったのが緑茶で、これで都合600円を超す。
日本の安い定食屋では500〜600円くらいでサバの塩焼き定食を食べられるから、それと同値段だが、日本とタイの所得の差を考えると、こういった日本食レストランで『サバの塩焼き定食』を食べるのはタイ人にとってはかなりの贅沢になる。
さて、味の方だがサバには間違いなく脂の乗りもソコソコで、付け合せに左から人参、エリンギ、隠元、ポテトとあってサバの代わりに牛肉や豚肉に置き換えてもそのまま出せる。
この他に椀物は豆腐とワカメ入りの味噌汁で、味の方はチャンとしていて、タイの片田舎で食べる味噌汁としてはマアマア。
お新香として小皿に『キムチ』が少しあって、何でもタイではキムチは日本の漬物と思われていて、いわゆる沢庵や白菜の浅漬けの様な香の物を付けるのは少なく、キムチになっているとタイに長く住んだ日本人がいっていた。
左端にあるのはサラダのマヨネーズあえで、もう少々量があったら良いと思うが、いずれの一品、一品はメニューの写真と盛り付け量や体裁が違い過ぎておかしい。
しかし、これはどこの店でもやっていることで、たまには写真より良い料理を出す店がないものかと思うが、これは無理な話か。
さて、このサバの塩焼き、ポン酢の様な物に浸して食べるようになっているが、そんな物よりオーソドックスに醤油を付けて食べた方が美味い。
サバといえば私のラオ人の知り合いはサバが大好きで、ノンカイのショッピング・センター内にあるスーパーで丸のままのサバを必ず購入するが、先日など当人から頼まれてスーパーで売るサバを5本買ってヴィエンチャンまで運んだ。
もっともこのサバ、元々冷凍で販売しているから、凍ったままビニール袋に入れて国境を越えると、うまい具合にヴィエンチャン到着時には自然に解凍されているから具合が良い。
そうはいっても日本人の魚を見慣れた目からはこのサバ、活きが悪そうで買ってみようかという気にならず、個人的には一度も買ったことがない。サバは『サバの生き腐れ』という言葉があるように、釣ったサバがみるみる内に痛む性質があって注意して運ばないといけないのは確か。
サバで思いだしたが香港国境近くの町で暮らしていた時、香港へ出た時は日系のスーパーへ寄って『冷凍サンマ』を良く買った。値段も他の魚と比べると非常に安く、魚体は小さいが解凍して焼いて食べれば正にサンマその物。
ただし、いくら中国でも裸火で焼いて食べるというのはできなく、フライパンの中で油を引いて焼いて食べていた。
香港でそんなサンマを売っているのは香港でメイドとして働く20万人近いフィリピン女性が食べるためと聞いたことがあって、香港ではサンマ=フィリピン人という印象があり、日本人が食べると怪訝な顔をされるが、ケチな中国人には安いサンマが経済的でメイドに与えられるという事情があったのではないか。
ヴィエンチャン暮らし その (39) ヴィエンチャンの本屋
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2014.09.19 Friday
私の海外生活で何が足らないかというと、日本語の本を売る『本屋』のないことが一番で、現地の日本食や日本食レストランなどどうでもよく、ともかく本屋があれば嬉しく、日本に行った時は真っ先に本屋へ直行する。
かつて中国の広東省で仕事をしていた時、香港まで出て今もあるのかどうか分からないがデパートの『そごう』の中に日本の書店があって、ずいぶん日本の本を買ったが、いかんせん値段が定価の3割増し以上で、そうはホイホイと購入はできなかった。
その近くに日本の古本を売る店があって、そこでは文庫本を中心に買い込んで中国に持って帰って読んでいたが、その店はやはり商売として成り立たなかったのか、いつの間にか消えてしまった。
タイのバンコクには日本の古本を売る店が何軒かあり、バンコクのガイド本にも広告を出しているので以前、それを頼りに探したこともあったが、見つからずスゴスゴと帰ったことがある。
それでも、ノンカイのショッピング・センター内にある2軒の書店には必ず顔を出すようになって、全部タイ語ばかりの中、何冊か写真中心の新刊本を買っている。
さて、写真はヴィエンチャンにある本屋の様子で、場所は中心部の繁華な市場内にあり、文房具なども一緒に売っている店がこんな感じで何軒か固まっている。もっとも売っている本はタイ語やラオ語の本ばかりで、繁々と物色、長居するような本屋ではない。
人口70万人ほどのヴィエンチャン市内で本らしきものをまとめて売っている店はここぐらいと思うが、先日観光客の多く集まる通り近くで別口の本屋を見つけ中に入った。
ここはどういう種類の本屋かよく分からないが、政府が経営している本屋のようで、そのためか閑散、政府の刊行物や教科書の類を書棚に並べていた。
全部ラオ語だからどのような内容の本か詳しくは分からないが、表紙や中身のイラストや写真で、内容は想像できる。中には子ども向きの興味を引く絵本などもあって、ゆっくり見れば面白いかも知れない。
この春にセブからヴィエンチャンに入る時、その少し直前に日本ヘ行ってかなりの数の文庫本を買い込んでいたが、他の荷物の多さのため持ってこられず、ずいぶんセブの自宅に残しているが、今やどういう本を残しているのか忘れてしまっている。
それほど日本では105円の中古書店で買い込むが、その買い方も、背表紙を見てバシバシ籠に入れていくやり方で、時には違う中古書店で同じ本をダブって買っている、あるいはかつて読んだことのある本を買い込むなど、結構頓馬なこともある。
セブにはもちろん日本の本を売る書店はないが、扱っている本は英語版なので、新刊を以前はずいぶん買い込んだ。そのほとんどは写真を中心にしたいわゆる『Coffee book』と呼ばれる物だが、これがある時『シロアリ』に食われてほとんどをダメにしたことがあった。
その食い方も巧妙で、中だけを食い破った状態で次々と横に移動していて表面には出てこないため、なかなか気が付かず気付いた時は手遅れだった。全部廃棄処分としたが、こういう時の情けなさというのは表現しがたいものがある。
ネットの時代になって、新刊も古本も書名を検索すればたちどころに分かり、しかも販売価格まで分かり購入できる時代、紙の本ではなく電子本などというつまらない時代となったが、いくら便利でもこういうシステムを使う気にはならない。
本というのは『出会い』が大切で、日本へ行った時、満を持して神保町の古本屋街を逍遥しながら目当ての本、あるいは書名に引かれて偶然買い込んだりと、そういった予期せぬ出会いの楽しみがあり、こういった楽しみ方はネットの時代になっても根強いものとして残ると思うがどうだろうか。
電子本の興隆や未来が喧伝され、今にも紙の本が駆逐されるような予想を立てる者もいるが、電子本は読み捨ての漫画やハウ・トゥ―物のような資料として役に立たない、一過性の内容には適しているだろうが、本を読む人間はそんな物には手を出さないから、紙の本と上手く住み分けていくのでは行くのではないだろうか。
ヴィエンチャン暮らし その (38) 国境を越える
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