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カンボジア・ヴェトナム二人旅 その(48) 『クルーズ船のアクティビティー』
 クルーズ船のイメージとなると昼間はサンデッキで日光浴に読書、気が向けば備え付けのプールでひと泳ぎ、夜は夜で正装してディナーという感じを持つが、それは豪華船と呼ばれる何万トン単位の船であって、ハロン湾のクルーズはそういったイメージとはかけ離れてあくまでも大衆的。まあ、1泊や2泊程度ではクルーズ船の世界を味わう方が無理かも知れない。

 日本でその昔、早稲田の学生が『ピースボート』を立ち上げ、世界一周を始めた頃、その安さに興味を持ったが、その頃は金がなく参加できなく、金が動かせる年齢になったら既にピースボートは理念を失って、ただの中、老年向けの安上がり観光船になっていて魅力は持てなかった。

 そういえば東北大震災ではピースボートが石巻で活動していたが、何だか宗教団体みたいな雰囲気と、理事と称する若造の横柄な態度も見聞きして、いやな印象を抱いたことを思い出した。

 写真上はハロン湾クルーズ船のレストラン内テーブルの様子で、ここに座って
3食食べた。飲み物は代金に含まれず各自注文して後払いとなるが、試にコーヒーを頼んだら、何ともぬるいコーヒーを出されて文句を言ったら引っ込めた。

 どうも乗組員用に淹れたコーヒーの余りを出した感じがあって、以降コーヒーをこの船で飲むのは諦めた。料理の方もこう言っちゃ何だが、豪華船と違って出てくる皿は乗り組んだ船員用に作ったかと思わせるような貧弱さで、満足は出来ないが払った値段を考えればまあそんなもので贅沢は言えない。

 写真中はクルーズ船が曳航している上陸用のエンジン船で、直接岸壁に上がるよりはこういう手間は悪くなく、船旅気分も高まる。

 ただ、私も船乗りに普通の人より興味の高い人間で、こうやって小舟を曳航しているのは乗客の便より、混み合う岸壁に付けて舫いを取る面倒臭さを嫌って、沖付けならば簡単なアンカーだけで作業は楽、と見るが直接船員に聞いたわけではないから何とも言えない。

 先のトコロテンのような鍾乳洞見物から、今度は水上生活者のヴィレッジ訪問となり、写真下はそのヴィレッジのある湾内でカヌー遊びをしている様子で、前方に写るのは家人の姿。

 カヌー遊びもツアー代金の中に入っていて小1時間遊んだが、それなりに面白い。

 また昔の話になってしまうが、高校生時代に5月の連休を利用して友人と琵琶湖をゴムボートで縦断しようと計画したことがあった。

 いざ琵琶湖北部の余呉近くから漕ぎ出そうとしたら、琵琶湖は海と同じでとてもゴムボートなどでは無理と分かった。そこで計画を変えて今度は南の瀬田から宇治川、淀川を下ることにした。途中山崎の中州で一晩明かしたが、これは成功して大阪の十三橋の下まで無事に行き着いた。

 と思い出話を書き出すとキリがないので止めるが『日本でゴムボートの川下りをしたのは我々が草分けだ』と、どうでも良いことを今でもその友人と語り合うことがある。

 さて肝心の水上家屋だが浮力体に家を乗せて確かに生活しているが、これは漁のためであって普段は陸の方に住んでいるのかと思わせたが、こういった住み方も涼しそうで悪くない。


 
author:cebushima, category:カンボジア・ヴェトナム二人旅, 20:25
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この一枚2013年 (18)ゴバンノアシの樹


 『閑話休題』でもこの話題を書いているが、もう少し補足するために『この一枚』に掲載する。

 『ゴバンノアシ』とはフィリピンでは海岸部で見られる樹で、写真右側に幹が分岐し砂浜に影を落とす樹がそれになる。

 この樹を日本語で書くと『碁盤の脚』という不思議な和名が付けられ、その由来は握りこぶし大の茶色い実の形が碁盤の脚とそっくり同じ形をしている所から付けられた。

 英語で何て言われているか分からないが、学名は『
Barringtonia asiatica (L.) Kurz』。地元では別の名前が付けられていると思うが聞いても分からなかった。

 この樹の立つ場所はプライベート・ビーチで、もう
1本右の方に同じ位の樹高のゴバンノキがあって、砂浜から石垣の積まれた場所に生えているから、自然に生えたものではなく植栽したものと思われる。

 この木の実は海に流れて漂い、漂着した海岸で芽を出す性質があり、生命力は旺盛なようだが、なかなか大きな樹まで育つのは人間に踏み荒らされて少ないのではと思う。

 7
月頃に花を咲かせて、私も初めて見たが樹の姿に似合わぬなかなか繊細な咲き方で、夜咲いて朝方にハラハラと花を砂浜に落とす。

 こういった樹が良いのは暑い日差しを完全に遮ってくれることで、日向より
78度は気温が低く、しかも空気が澄んだ感じがあり、幹と幹の間にハンモックを釣って昼寝でもしたら南国の楽園気分は間違いなし。

 これだけ育つとこの樹はプライベート・ビーチの財産と思うが、フィリピン人は案外とドライで、貴重と思ってもあっさり樹を伐ってしまうことが多く、今までセブでそういう目に何度もあっている。


 
author:cebushima, category:この一枚2013年, 17:12
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カンボジア・ヴェトナム二人旅 その(47) 『どんよりとした空の下、静々と船は進む』
 ハロン湾には大小の岩と島が3000あるという。フィリピンは群島でなる国で、その数7000、人間が住んでいるのはその半分位というが、ハロン湾は湾というように狭い区域に3000もの岩、島があるからその密集度は非常に高い。

 写真上は雨こそ降らないが鈍色の空の下、クルーズ船が5〜6ノットの速度で進む。

 景色を眺めるクルーズで距離を稼ぐためではないから自転車程度の速度で充分、奇岩の景勝地の名に恥じないさまざまな形の島が目を楽しませる。

 この島の形を見てどこかと似ているなと思って調べたら中国の桂林と同じと思いだし、地層的には桂林に続く『石灰岩台地』で沈降と浸食でこのような島となったとある。

 桂林には
1990年代初め頃に行ったことがあって、中国のその頃は外国人観光客がドルを兌換券に変えて使った時代で、どこでもドルを持っていないかと欲しがられ、今とは隔世の感がある。

 地層といえばセブ島も同じ石灰岩からなるが、こちらはサンゴ礁が隆起した方で海岸部にはハロン湾のような島は見ないが、内陸部の山肌には写真と同じような風景を見ることがある。

 写真中はレストランのあるキャビンから進行方向を眺めた一枚で、このキャビンの外側に小テーブルと椅子が置いてあって航海中はなかなかの特等席。

 このクルーズではバスで着いたその日の昼食、夕飯、翌朝の朝食と
3食が込みになっていてどういうものが出るか楽しみだったが、写真に残すほどの料理ではなく、大衆食堂のメニューにあるような料理が何種類か皿に盛られて出てきて、各テーブルで取り分けて食べる方法となっている。

 船の中での運動量だから腹一杯食べる気にはならないが、同席の他の観光客と話しながら食べるのが楽しみといえば楽しみ。食事を終えて一休みする頃、島に上陸するという。

 クルーズ船には島に上陸するための小舟が後ろに曳かれていて、これに乗り移って上陸したのが写真下の島で同じようなクルーズ船が岸壁にぴっしり。

 この島には『鍾乳洞』があってハロン湾クルーズの見所というが、船を降りた観光客の列が町中のような雑踏振りで、岸壁から鍾乳洞までいきなりの急坂で息を切らしている老人も多い。

 鍾乳洞の中はまあこんなものかという程度で、トコロテンのように押し出されて鍾乳洞見物を終えて岸壁に戻ると、次は水上家屋の村に行くと言ってクルーズ船にすぐ乗船となかなか忙しい。


 
author:cebushima, category:カンボジア・ヴェトナム二人旅, 21:00
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