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6月30日(日) 曇り時々雨、風なし 閑話休題 《 フィリピンのブラック企業のことなど 》
 最近、日本では『ブラック企業』という言葉が頻繁に出てくる。以前はブラック企業とは『ヤクザ組織の傘下にあって合法的な経済活動をする企業』の事を言っていたが、今はそういった存在を言うのではなく、上場企業や時流に乗って大きく伸長した企業で『労働者を阿漕に働かせる企業』を言い、中国語では『血汗工廠』と表現するらしいが言い得ている。

 アメリカ型の雇用形態になって日本の経済は駄目になってしまったとは良く言われる話だが、能力主義の名を借りた労働者の使い捨て日本になったのは確かである。

 昔は臨時雇いで使って本採用にするというのは普通だったが、今は最初から契約社員と体の良い切り捨て御免体制が普通になっているから驚く。これでは働いても将来に希望は見えないし、地道にやって行こうという気にもならなく、社会的な損失をも生んでいる。

 この間、見た資料では真面目に働いていても年収300万円以下の人が非常に多く、この年収300万という額は、これを越えないと結婚に踏み切れない額ともあった。日本の男女の晩婚化は既に顕著だが、30代でも300万以下の収入者などゴロゴロ居て、私の周りでももう40歳の方に近いのに独身などという人は結構多い。

 結婚は収入ではなく『一人口は養えなくても二人口は養える』などと、昔から結婚すれば貧乏でも何とかなるものだと言われていたが、そういった言葉も今や死語になりそうだ。

 さて標題に戻すが、フィリピンの場合、企業というより国そのものがブラック企業と言っても良いと思う。例えばこの国には6ヶ月間雇用すると、その次は必ず正社員として雇用しなければならない法律がある。これは逆に6ヶ月後は簡単に首に出来る制度で、労働者に取っては使い捨て同様の規定。

 実際の運用は6ヶ月後に間を開けて再雇用出来る抜け道があって働けるが、それでも確か1年以上は無理となっている。通常は6ヶ月で首を切るが、これでは熟練労働者は育たない。

 その上フィリピンは人口爆発国の一つで、人口は既に1億人を越え、そう遠くない将来には日本の人口を追い越す。昔から国内には働き口が少ないから、労働者を海外に輸出して、その数今や1200万人という。その海外出稼ぎ労働者が送金する金が莫大で国家予算以上の額に達する。労働人口は豊富だから6ヶ月サイクルで人を使う企業は当たり前。

 その昔、デパートに行って女性従業員が座り込んで働かない姿を見て『フィリピンは怠惰な国』との印象を抱いたが、実はその従業員達は6ヶ月で当たり前のように使い捨てられる労働者で、この事情が分かってからは私も『サボっても当然』との気持ちになった。

 さて、日本のブラック企業の話をしよう。『2013年ブラック企業大賞』というネット投票があって、そこを覗いたら今年度は8社が候補に挙がっていた。今日までの投票総数は17千票余だが、トップを行くのは『ワタミ』で実に4人に3人は投票している。この会社のオーナーは都知事選に出て落選、今度は自民党から参議院選に出るようだが、ただ儲け方が巧いというだけの人物。

 他の大賞候補は食べ物商売が2社、どこもチェーン店化して急激に伸びているが労働環境は相当酷い。他に従来から言われている運輸会社やアパレル会社、『ベネッセ』などという教育関連で伸ばした会社が候補になっていて、昔『福武書店』といった時代から見ると雲泥の変化。

 『東急ハンズ』も入っているし、変わり種は『東北大学』。大学など徒弟制度のメッカで、パワハラなど当たり前だからムベなるかで、別口で『ブラック大学・学校』というランクを作ったら面白いのではないか。

 これらの企業に共通しているのはいずれも自殺者を出し、また精神的労災認定者を出し、労働基準監督署から労働条件改善の勧告をされていながら、経営側は責任を認めようとしないことで、こういった店を利用しない、買わないといった運動で対抗するしかない。なお『2013年ブラック企業大賞』HPは以下。
http://www.enlog.jp/enqResult/14063/ 


author:cebushima, category:閑話休題2013年6月, 18:30
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カンボジア・ヴェトナム二人旅 その(36) 『ハノイに到着 先ずはホテルへ向かう』
 ヴェトナムの首都ハノイに着くが、政治のハノイ、経済のホー・チ・ミン市(HCM)と言われているようにHCMの方が人口は多く活発で、750万人位。一方のハノイは650万人位の規模。

 かつての南ヴェトナムから富裕層がボート・ピープルになって逃げ出し、その後の家屋敷に収まったのが北ヴェトナムの人間達で、戦争に勝った側とはいえ結構阿漕なことをやっているようで、その家屋敷を外国人に貸して濡れ手で粟の北の人間と、生粋の
HCM人内には評判がよろしくなく、北の人間と南の人間は仲も悪いそうだが負けた方としては表立って言えないのが現実。

 写真上はハノイ駅の下車口。ハノイ駅は1902年完成のフランス・ルネッサンス風の駅舎で由緒はあったが、1972年アメリカの空爆で破壊されてしまい駅舎の両側が当時の様子を残している。

 この写真を見ても分かるように人々の服装はジャンパーやらコートを着込んでほとんど冬模様。こちらはそこまで予想していなくて長袖にフエで買ったヤッケを着込むだけで冷たさが身に沁みる。

 その昔、家人と同時期に中国の海南島・三亜まで行ったことがあって、その時はいかにも南に来た感じで海で泳ぐ気にもなった。ハノイは緯度的には海南島より北に位置し、内陸部にあるから寒さが募るのだろう。

 駅前の雑踏から抜け出しホテルへ向かうが、地図やガイドブックを持たない旅なので、我々はハノイのどこにいるのかも分からず、運を天に任してタクシーに乗る。

 このタクシーに使われている車は韓国製の小型車で、家人が以前セブで乗っていた物。

 写真中がその様子でホテルの住所を書いたメモを運転手が見ているが、この運転手は女性だった。

 また中国になってしまうが、彼の国でも女性のタクシー運転手というのは多かったが、社会主義国というのと関係があるのだろう。いずれにしても男性よりは女性の方が何となく安心感はある。

 無線で場所を確かめてから発進したがホテルは案外と近い距離にあって運転手に悪いとは思ったが、向こうは別に気を悪くした様子はなかった。

 写真下がホテルのある路地の様子で、一帯はこういったバックパッカー向きのホテル、ゲストハウスが蝟集し、ハノイの裏町気分充分。

 時期的に欧米の客が多く賑わっていたが、それに伴い小さな旅行代理店が軒を並べる。

 この場所はハノイのどの辺りに当たるのか良く分からなかったが、すぐそばにはカトリック教会があり、ハノイの旧市街は目と鼻の先で歩いて市内見物には便利な場所だった。


 
author:cebushima, category:カンボジア・ヴェトナム二人旅, 21:48
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この一枚2013年 (16) フィリピンの狂犬病予防注射


 日本国内での狂犬病の感染例は今は全くないが、飼い犬には年に1回狂犬病予防ワクチン接種を義務付けていて、このフィリピンも同様で飼い犬に対してのワクチン接種は義務付けられている。

 写真はセブ市内で『無料』の狂犬病ワクチンを接種してくれる行事があって、我が家の犬3匹を連れて行った。

 狂犬病は日本では発症しなくなったとはいっても、海外で犬に噛まれて日本で発症して死亡した例が
2006年に2件あって、どちらもフィリピンで噛まれていてフィリピンの犬を侮り、むやみに手を出すことは禁物である。

 狂犬病と犬の字が入っているがこの感染病はウィルスがもたらし、哺乳類は全部に感染し、今でも全世界で
50000人位が感染、死亡しているから、ともかく動物類に噛まれたら狂犬病の疑いを持った方が良いらしい。

 人間用の予防ワクチンもあって、その昔アフリカに行く時に接種した経験を持つが、かなり強いワクチンで体の弱い人など接種後に熱を出して寝込んだ位である。

 この日の無料接種は小雨にも関わらず、犬を連れた人々で賑わったが、我が家同様何れも最近流行りのペット犬ではなく雑種ばかり。高級犬は金を出して家まで出張する獣医に射ってもらうからこういった催しは見向きもしない。

 このワクチンも普通に払えば
1300ペソというから、フィリピンでは馬鹿にならなく盛況なのも当然である。

 主催者はセブ市と日本の
JICAが関わっていたが、こういったODAは大事でドンドン金を使っても納得するが、飼い主のいない野犬の姿も多いフィリピン、こちらの方が狂犬病のリスクは高い。


 
author:cebushima, category:この一枚2013年, 15:22
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