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12月20日(木) 晴れ、微風 閑話休題 《 天気良し これから旅行に出ます 》

 今日1220日から16日まで、カンボジア、ヴェトナムを旅行する。午後のセブ発便でマニラに出て乗り換え、マニラからカンボジア・シェムリアップまで直行便があってそれに乗機する。

 利用航空会社はフィリピン航空を追い上げている低価格航空の『セブ・パシフィック』。

 どうして、この会社が首都プノンペンではなくシェムリアップまで航路を開いたか分からないが、彼の地はアンコールワットで有名な世界的な観光地。

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年前に行った時はホテル建設ラッシュだったから、そのフロント業務にフィリピン人が大量に雇われているためかとも思うが、乗ってみれば分かるだろう。

 家内と一緒に行くが、考えてみれば日本に行くのは別にして、家内と一緒に海外旅行に出るのは3年ぶりだからずいぶん長い間行っていない。今回の旅行では家内はアンコールワット、私はヴェトナムの鉄道が楽しみになっている。

 ヴェトナムの鉄道は南北にホーチミンーハノイ間を結んでいて、2000年にやはり家内とヴェトナムに行った時、鉄道に乗りたかったが時間の関係で断念、今回ようやく思いが叶うわけだが、ホーチミンから途中、ホイアン、フエとヴェトナムの古都に途中下車しながらハノイに向かう。

 寝台車利用で2泊もするから結構長い乗車時間で楽しみも多そうだ。こう書いていくと何やら豪華な旅行のようだが、利用するホテルは20ドル前後、夫婦してザックを担いでの旅の空である。

 かつては仕事柄、オリエンタルとかシャングリラといった高級ホテルを使ったこともあるが、どんな良いホテルでもしょせんは荷物の保管場所のようなもので、最近は実利しか重んじない。

 お湯が出てトイレが良く流れれば良く、インテリアがどうなどはもう卒業し、ホテルに金をつぎ込むなら美味い物を食べた方が良いし、現地の珍品を買った方が良い。

 この一文を書いてからパッキングを始めるが、どの地もセブと同じような気温で、現在2728度、ハノイは17度で少々寒め、セブから行く分には厳冬の日本に行くわけではないから心配ないだろう。

 この旅行を終えると1週間後に、今度は私だけラオスに行く予定があって、来年は何かと動きが多そうだ。この12月からセブ・パシフィックがセブーバンコク間に航路を開いてそれを利用するが、以前はセブからバンコクに行く時はマニラ経由だったから便利になった。

 ただし、ラオス行の接続が悪くバンコク1泊となるが、そのホテルも空港周りにはいくらでもあって値段はセブの半分以下、以前『セブのホテルは高い』と書いたことがあるが、その通り。とまあ、しばらくHPも更新できないかも知れないが、良いお年を。【写真はセブの大学博物館の展示物】


author:cebushima, category:閑話休題2012年12月, 11:38
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12月19日(水) 曇り、時々雨、微風 閑話休題 《 また選挙の話で『都知事選』について 》

 衆議院選挙の影に隠れて目立たなかったが、東京都知事選について書いてみる。今回は1999年から知事の座に座った石原が途中で放り出しての選挙になり、副知事だった猪瀬が当選した。

 石原の前は青島幸男が1期務めているから東京都民は作家が好きなようだ。猪瀬は著作『ミカドの肖像』が代表作で作家と言うより評論家に近い。読んで、天皇制擁護なのかその反対なのか分からなかったが、石原のお気に入りならば天皇制絶対主義者の範疇に入る人物だろう。

 都知事選で思い出すのは1967年に選出された『美濃部亮吉』が印象に強く残っている。この時の選挙は社会党、共産党が組むいわゆる革新統一候補というのが自治体選挙で席巻し、美濃部は見事当選。

 投票日前日だったか、私が利用する駅前で最後の演説会が開かれていて、その様子を見ていて当選するんじゃないかと言う勢いがあった。この時の選挙で美濃部陣営はスカイ・ブルーをシンボル・カラーとし、対抗馬の方はオレンジだったと記憶するが、当時は公害の様々な問題が噴出した時代でもあり、スカイ・ブルーはいかにも効果的で、選挙にシンボル・カラーが採用されたのは、この選挙からではないかと思う。

 投票を済ませてその足で長野に行き、長野駅にあった待合室のテレビで都知事選の開票速報が流れ、その時の票数は今でも覚えているが美濃部800票、他はゼロで、開票速報では先に票が出た方が当選の可能性が高く、これで美濃部は当選と思った。

 美濃部はそれなりの哲学を持って3期やり、最後の方は野垂れ死にのようになったが、今の時代を考えると美濃部の敷いた路線というのは、『ワーキング・プアー』の言葉で象徴する貧困格差が広がっていることを考えると先駆的な試みで、そのまま定着、続けていたら日本は福祉の面では進歩的な国になったと思うがどうだろうか。

 さて、今回の都知事選に戻るが、猪瀬は433万票余を獲得して、これは日本の個人では最多の得票数で、何でこんなに票を集めたかは良く分からないが、他の候補者が駄目過ぎた裏返しの結果なのだろう。一番の対抗馬だった元日弁連会長だった宇都宮など100万も取れず、元神奈川県知事だった松沢など法定得票数(有効投票数の10%)に達せず、供託金没収の惨敗となった。

 こんな中で、毎回都知事選に立候補する中松などコンスタントに12万票ほど取っているから支持基盤のない中、立派と言えば立派である。そういえば前回の都知事選で元宮崎県知事が出て石原と争い次点だったと思うが、この人物が石原率いる党派でチャッカリ関西の方の比例区で当選。政治をやる奴と言うのは節操がないのも資質の一つのようだ。

 石原も東京比例区で当選して中央政界復帰と見られるが、自民党が一人勝ちしてしまって、党派の領袖とは言え政界では居所はあやふやになったのも事実。亡くなった立川談志が石原を『小説も駄目だし、都知事程度のお山の大将が似合っている』と生前語っていたが、見ている人は見ているものだ。

 私の石原の印象は、その昔クルーザーのヨット・レースに打ち込んでいた頃、油壷の自艇の上で石原を良く見かけたが『ヨットの好きなオジサン』との印象が強く、政治で突っ張っているような人物には見えなかった。


author:cebushima, category:閑話休題2012年12月, 21:20
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12月18日(火) 晴れたり曇ったり、風弱し 閑話休題 《 また選挙の話だが『私が最も興味を引いた候補者』 》
 20113月、日本の最高裁は前回衆議院選挙を『違憲状態』との判決を下した。違憲状態などと回りくどい表現を使っているが明らかに『違憲』と言い切らない所に、政治に擦り寄る最高裁の立場を感じる。

 この判決は『一票の格差』で、地域によって1票に差があって、前回選挙は2.3倍違っていた。簡単にいえばだれでも平等な1票が半分の価値しかないということで、都市部の有権者がこれに当たり、判決後立法府の国会が是正を図ったかというと、全くの無視、憲法違反のまま今回の解散、選挙を行った。

 今回の選挙ではこの差が更に開いて、2.43倍となり、弁護士グループが『選挙無効』を昨日訴えている。

 この問題で一番インチキをやった国会は違憲になると分かりつつ現行区割りで選挙をやったから、判決の行方に注目が集まるが、日本の場合、司法が立法府を裁くなど憲法上の建前であって、又もや奥歯に物が挟まった判決が出て、有耶無耶にされると予想される。

 こういった選挙区割りは利害関係者である議員自身にやらせるから、何にも進展しないのであって、議会から独立した選挙制度全般を見直す恒常的な組織を作った方が良く、自動的に人口動態に応じて改定すれば良いだけの話。

 また、現行選挙区というものが全く古く、江戸時代の封建体制で作られた領地と変わらず、地方偏重、都市部軽視の1票の格差を生んでいる。現実に都市部に人口が集中しているのだから、人口過疎地は県別など止めてブロックにするなどをしないと、永遠に1票の格差は直せない。

 フィリピンの場合、区割りは1選挙区人口25万人当たり1人の下院議員という規定があって、面白いことに議員総定員数は300何人だったが、まだ定員には満たなく、順次人口に応じて増やすという方式を取っている。今の所、議席数が減ることはないから議員連中もあまりいじる気はないようだが、その内総定員を増やせと言い出すだろう。

 さて、表題に戻るが私が『オヤッ』と感じた今回の候補者は、1500人以上いた中で最高齢94歳の人物である。この人物は埼玉12区で立候補、選挙区は熊谷、行田、加須、羽生、鴻巣といった埼玉の深部で首都圏通勤者は多いが、伝統的に保守地盤である。

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区で今回当選したのは自民の新人36歳で65989票、以下無所属、民主、みんな、共産と続き、94歳の候補者は2169票の最下位で、得票率で見ると当選者は32%、94歳は1.1%だった。この94歳、年齢もさることながらその主張が良い。

 この人物、戦争中は中国戦線で7年間従軍、その時の体験から最近の日本の好戦的雰囲気、自民党の安倍や維新の石原の極右が伸長する状況に我慢が出来ず、死んだ戦友に済まないと葬式用に蓄えた300万円をつぎ込んで立候補。

 今、私は戦時中の日本軍がフィリピンで何をしていたかを証言で記録した訳書を読んでいるが、皇軍と言われた日本軍の酷さはここで述べるまでもなく、相当酷い。こういった日本の従軍していた当事者はほとんど鬼籍に入り、所業は墓の中に持って行ってしまったから真実解明は難しくなっている。

 従軍慰安婦問題でも同様、大阪の橋下は『証拠がない』などと言っているが、証拠、証言は墓に持って行かれてしまったから、この時期を狙って事実を覆そうと、これは安倍も共通している。海外からこの問題で非難が集まるのは女性の『人権』の問題ととらえているからで、日本はこの観点が抜けている。

 さて、94歳の候補者、最初から当選は出来ないと述べているが2169票を集めて何と思っているだろうか。100人に1人は共感してくれた事実は残り、ドン・キ・ホーテと言うのは容易いが貴重な候補者だった。


 
author:cebushima, category:閑話休題2012年12月, 20:47
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