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5月31日(火) 晴れ 微風 閑話休題 《 高額な罰金で禁煙効果があるか 》
タバコ畑 世界保健機関(WHO)が531日を『世界禁煙ディー=World No Tabacco Day』に定めている。(写真はタバコ葉畑)

 この日は禁煙とは特に関係なく、1988年最初の禁煙ディーは47日だった。それを翌1989年に51日に改め今日に至る。

 世界で喫煙する人は13億人以上に達するらしいが、新興国、開発途上国にその割合は高くなり禁煙は『南北問題』ともいわれる。

 喫煙の健康被害は知られているが毎年500万人が喫煙による癌、心臓病で死亡し、最近は『受動喫煙』の問題に関心が高まり、喫煙者の煙に影響を受けて毎年数十万人が死亡している事実もある。

 これだけ喫煙の害が指摘されているのに、2009年、日本の喫煙者は成人の4人に1人弱が、男女別では男が3人に1人強、女は10人に1人強というJTの調査結果がある。

 フィリピンに関しての調査では15歳以上となっていて、選挙権を持つ18歳よりも対象がまだ低い。日本より高い4人に1人強、男女別で男はほぼ2人に1人、女は10人に1人弱という結果で、日本より喫煙者が多いのが分かる。

 私は喫煙しない人間で、いわゆる『嫌煙者』でもある。セブにアヤラという大きなショッピング・センターがあるが、ここは元ゴルフ場跡地で残した大木を上手に活かした庭園があり、その周りにはレストランがあってテラスが設けられている。

 このテラスは暑いフィリピンでも風に吹かれる気持ちの良い場所だが、ここで喫煙する輩が多く逆に不愉快な場所でもある。テラスにはレストランのテーブルがあり、これは店内は禁煙なので喫煙者用に設けた店側の公然たる違法地帯になる。

 違法と書いたのはフィリピンでは公共の場での喫煙は禁止されている。ここを管理するアヤラが何にも処置を取らないのでその違法ぶりを問いただそうと文書で出そうと思った位で、本当に気分の悪い場所に成り下がっている。

 こう書いていると喫煙を目の敵にしているようだが『吸いたい人間は勝手に吸って死んでくれ、しかし吸わない人間には迷惑をかけるな』の立場を取りいわゆる『分煙』賛成者になる。

 今の禁煙ムードの時代からは信じられないだろうが、40年以上前に『嫌煙』の話をしたら『お前はキチガイか』といわれたものだった。当時は喫煙天国、駅のホームと線路上はポイ捨ての吸い殻で真っ白、それを駅員が一つ一つ拾っていた時代だった。

 飛行機なども喫煙の規制など全くなく吸い放題、これが喫煙者と非喫煙者に分けるようになったのはほんの10数年前で、完全禁煙になったのは最近のことである。飛行機は密室だから非喫煙者の苦しみは喫煙者には分からず、その無神経さが一番の問題だった。

 日本で映画館が禁煙になったのは覚えていないが、香港の20年前の映画館内での喫煙は自由で紫煙越しにスクリーンを観た記憶がある。それが10数年前に館内一切禁煙となり、違反したら罰金5万香港ドル(当時で75万円)を科すと徹底したら、あっという間に喫煙する人間はいなくなった。

 日本やフィリピンのように路上喫煙罰金をはした金で済ましているとなかなか浸透しない。要は行政のやる気に尽きる。

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author:cebushima, category:閑話休題2011年5月, 10:52
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5月30日(月) 晴れ、微風 閑話休題 《 前大統領の本国帰還 》
セラヤ前大統領 日本のマスコミが扱う海外ニュースの地域別扱い割合は良く分からないが、アメリカ関連が一番多く、次にヨーロッパとなるだろうか。

 ヨーロッパもEU加盟国内でも温度差が強く、新規加入国など影が薄く、やはり先日開催されたサミット『G-8』構成国、フランス、イギリス、ドイツ辺りに偏る。

 アジアでも中国、韓国のニュースに偏り、他のアジア諸国はニュース=事件性そのもので何かあった時、それも大体は悪いニュースが掲載されることが多い。

 太平洋の向こう岸にある南北アメリカ大陸は北米、中米、南米の三地域に分けられるが、ニュースはほとんどが北米ばかりである。こんな中、中米のニュースが一つ流れた。『ホンジュラスの前大統領が円満に帰国』という内容で、20096月、政変によって追われたセラヤがホンジュラスに帰国した内容で10行に満たない。(写真は帰国時のセラヤ)

 2006
年から2008年まで私は夫婦でホンジュラスに暮らしたが、その時の大統領がセラヤだった。ホンジュラスは2大政党制で大統領が交互に選出するような政治風土だが、クーデターの多発する中米では穏健、保守的な国の評価がある。

 アメリカべったりの国で、中米各地で左派系政権が生まれ、それを倒すためにアメリカが画策、ホンジュラスはそのために広大な空軍基地を提供したような国でもある。セラヤ追放後にアメリカは新規の海軍基地をカリブ海沿岸に作り、同海域の島にも作ると発表しているから、追放劇もアメリカの影を感じる。

 ホンジュラスは中米で最貧国になり、人口は750万人位、経済はやはりアメリカ頼りで、中でもアメリカに在住する100万人以上のホンジュラス人からの送金で経済を保ち、どこかフィリピンと似ている。

 ホンジュラスに住んで一番驚いたのはアメリカのファースト・フード店がそろい、しかもその値段が日本以上に高く、所得を考えればマクドナルドでハンバーガーを食べることは相当な贅沢になる事だった。

 セラヤは左派系の出身で、再選を禁じられている大統領職をもう一度やるため国民投票を強行しようとして、軍が動き追放されたと公式には語られているが、実際はどこの国でも存在する富裕層から疎まれたのが主因なのではないか。

 2007
年だったか、カリブ海で開催されたカーニバルでセラヤを見かけたが、その時のセラヤは白い服を着てテンガロン・ハットをかぶった乗馬姿で大勢の乗馬者を従えてパレードに加わっていた。口ひげをはやして間近に見た時は、同じく追放されたフィリピンの元大統領エストラーダを髣髴させる似た雰囲気を持っていた。

 セラヤはホンジュラスを追放されてからは『彷徨える前大統領』として外信ネタを時々提供していたが、このほど滞在先のドミニカ共和国から帰国してこの問題に終止符を打った。しかし、本人は復権を狙うだろうから今後の動静が注目される。


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author:cebushima, category:閑話休題2011年5月, 11:10
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この一枚2011年 (19) 都会の市場の店先
都会の市場の店先
 
 どこの町でも大小に関わらずフィリピンには『市場』がある。セブでは『メルカド』といっていて、これはスペイン語と同じである。

 写真は家の近くの市場へ行った時撮ったが、人口数十万人を抱える町でも売っている物は素朴で面白い。

 写真真ん中辺り、台の上にある瓶状の物は『灯油ランプ』で飲料用の瓶を切断して作っている。

 こんな都会の中で必要なのかとも思うが、かつては1本、1本、サリサリストア(小さな何でも屋)で買った煙草をこのランプで火を点けていた。

 ランプの下の銀色はバーベキュー用、左側に積まれているのはコンロで、どちらも熱源は木炭である。

 LPG
ガスが高いので都会の中でもまだ煮炊きに炭や木を使う家は多く、これが出火につながり一度火事を出すと数十から数百軒の家が焼ける事件はしょっちゅうある。

 フィリピンも大資本がスーパーを各所に作り市場ではなく、そういった場所で買い物をする人が多くなったが、魚や野菜などは伝統的なこういった市場で買った方が安くて新鮮である。

 スーパーの発達は、フィリピンからホスピタリティーが失われるのと比例しているようだ。

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author:cebushima, category:この一枚2011年, 20:37
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