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2011 アキノ政権 Watch (3) アキノ政権から詰め腹を切らされた行政監察院院長
アキノに辞表を提出するグチェレス行政監察院長 行政監察院は高級公務員の汚職事件を扱う役所で、その長は大統領が任命し任期は7年、罷免は国会に開設される『弾劾裁判所』のみが可能で、並みの行政府の長より重要なポストになる。

 このポストに前大統領アロヨから任命されていたグチェレス院長が429日に辞職を表明した。(写真は辞表をアキノ大統領に提出したグチェレス行政監察院院長)

 グチェレスの任期は201212月までだったが、3月下旬に下院本会議で弾劾裁判所設置決議案が圧倒的多数で可決され、上院で弾劾裁判が59日に始まる予定となっていたが、その追求を避けるために弾劾裁判が始まる前の辞職に至った。

 グチェレスはアロヨの夫と大学時代の同級生という関係から、アロヨ一族とは非常に親しく、200512月に女性では初めての行政監察院院長に就任したが、在任中よりアロヨ夫婦への疑惑追及に消極的とのレッテルが張られていた。

 特に巨額な投資額の政府系ブロードバンド網(NBN=全国の役所を光通信で結んで行政の効率化を計る事業=フィリピンにこんな物は無用)プロジェクトでは中国政府の融資と大手中国通信と組んで進め、一度は受発注に至ったが不可解な契約キャンセルという事態を引き起こした。

 これはこのプロジェクトに対するアロヨ夫婦のあからさまな汚職関与を嫌った、中国最高首脳部の意向が働いてキャンセルに至ったと見られている。

 グチェレスはこの事件に対して適切な捜査を行わず、アロヨ夫妻に対して訴追を行わなかったことに批判が集まり、アキノ新政権になって追及の手が激しかった。

 アキノ政権としては大統領選第一の公約が『アロヨ前政権の汚職一掃』でもあるため、まずは外堀のグチェレスを埋めてアロヨの牙城に迫る作戦で、これが弾劾裁判所設置への背景となっている。

 アロヨ陣営は先の下院での弾劾裁判所決議は陣営に有利と読んでいたが、思わぬ大差で可決されてしまった。次の弾劾裁判所が設置される上院は弾劾賛成派が多数を占め、裁判前から有罪の評決が出ると見通されていた。

 このため、グチェレスを含めアロヨ陣営は『弾劾裁判の渦中に思わぬ爆弾発言、暴露話が出ては困る』と見て、弾劾裁判が始まる前にグチェレスの辞表提出を決断したと見られている。

 これによって、上院議長であるエンリレは『弾劾裁判は行わない』と早くも幕引き発言をし、アキノ自身も『国を救った行為』と訳の分からない声明を出す始末で、裁判という公開の場でアロヨ陣営の汚職が暴かれる機会を失した。

 『臭いものに蓋』がフィリピンの政治風土とはいえ、今回のグチェレス詰め腹辞任はフィリピン人には真に汚職解明を進める気がないことを内外に表明した結果となった。
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author:cebushima, category:2011 アキノ政権 Watch, 14:29
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4月30日(土) 晴れ、微風 閑話休題 《 ロンドンを思い出してあれこれ 》
ウェストミンスター寺院 ロンドンには2回行ったことがある。といってももう四半世紀以上前の話だから今のロンドンの様子など全く分からない。

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回のロンドン滞在はロンドンを目指したのではなく、当時、日本からアフリカ大陸へ行くにはロンドン乗り換えが普通で、目的地まで4日から5日かかった。

 今はシンガポール―南ア・ヨハネスブルク路線があって、そちらを利用するらしいが、それでも3日はかかるという。

 ロンドン滞在の思い出はいろいろあって、写真のウェストミンスター寺院にも行った記憶がある。ここは周りに塀がなく、写真で見るより意外と小さかった記憶がある。中も見学しているが全て忘れている。

 ニュートンやダーウィン、リヴィングストンの墓所があり、もしかすると見ているかも知れない。墓所としてこの寺院は有名で作家や詩人、例えばディケンズ、トマス・ハーディーがあり、変わったところでは156歳まで生き、ウイスキーに名を残すトマス・パー、俳優ではローレンス・オリビエなどが埋葬されているのは後日知った。

 せいぜい一泊位のロンドン滞在なのに結構あちらこちらに足を運んでいる。時間的に混在しているがグリニッジの子午線を見、帆船カティサーク内にも入ったし、電車に乗ってオックスフォード大学まで足を伸ばしている。

 市内はコベントガーデン、トラファルガー広場、バッキンガム宮殿、ロンドン塔、名前は忘れた大きな公園と普通の観光客同様見て回った。そういえば夜はソーホーのパンク・ディスコまで行っておかしなバンド演奏も聴いているから、なかなか元気もあった。

 しかし絶対的な時間がなく大英博物館のようなじっくり時間が必要な場所はパスしている。私が何よりもロンドンは良いと思ったのは古い舗道に古い建物、どこを切り取っても絵になるたたずまいで、足に任せて歩いて少しも飽きさせなかった。

 もっともこれらの蓄積は過去のアフリカ・アジア地域からの略奪の上に乗っているだけで手放しでは褒められない。

 気に入ったイギリスだが食べ物となると特徴のない国で、しかも不味い料理を出すレストランばかり。仕方がなく、マクドナルドを探して食べた記憶がある。イギリスは料理不作の国というが確かにその通りと思った。

 このロンドンを思い出したのはイギリス王室の結婚式が行われたためだったが、フィリピンもテレビで実況中継をし、人気テレビ・キャスターを何人も派遣していたが、電気の無駄、馬鹿じゃないかと思った。

 王室のない国、新興国、例えばアメリカ辺りも騒いだろうが勝手にやっていろという感じ。ロンドンで騒いだのは観光客ばかりでロンドンっ子は冷めていたという話もある。

 王室だなどとありがたがっても1,000年前は山賊や海賊の頭目だから、芸能人的存在と思えば目くじら立てるほどのものではないか。ヨーロッパには王室が10ヶ国健在らしいが、日本の皇室よりははるかに開かれているし、イギリスなど醜聞まみれである。

 日本の皇室もかなり醜聞があるらしいが、全部規制して日本のマスコミは報道しないし、産経を代表にするような提灯記事ばかりだから国民は情報操作されていると見て良い。
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author:cebushima, category:閑話休題2011年4月, 09:04
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4月29日(金) 晴れ、にわか雨 微風 閑話休題 《 台湾人が描いた世界の国々の評価地図 》
台湾人の描いた地図 掲載した図は台湾の子ども(小学生位)が描いたとされているが、絵の構図、まとまり具合や内容から大人が子どもを装ってネット上に流したと思われる。

 台湾人が作ったのは間違いなく『強大な台湾』と最高の評価をしているが、自国自慢は体制、経済とは関係なくどこの国でも我田引水、それが行き過ぎると笑いものになる。

 台湾語で記されていてその解釈が面白い。順に説明すると日本=至る所成人もの、これは日本がポルノ天国と指しているようだ。日本は清潔で安全をPRして外国人観光客を呼び込んでいるが、台湾人の一般的な見方というのはこんな物なのだろう。

 韓国=全て自分の物という国、当たっているがどこの国も同じ。中国=不良品・詐欺師集団の輸出国、その通りだが、中国に一番投資し、進出しているのは台湾人。

 フィリピン=『マリア』という家政婦が多い国、これには苦笑するが確かにマリア名は多い。今の流行はマリアに続いて、マリア・何とかと続く名が多くなり、マリアでは平凡と思うのであろう。台湾には10万人近くのOFWが居る。

 中東=砂漠と戦争、石油も入れて欲しかった。アフリカ=ご飯を残すと母親はここにあげてしまうという。飢餓の大陸の印象が強いのだろう。

 オーストラリア=先住民統治。ニュージーランド=羊が統治。イギリス=ハリーポッターの魔術学校。ヨーロッパ=働かずアフタヌーン・ティーを飲む。ロシア=VITAS(?)が偉大、樹が多い。

 カナダ=アメリカに行けない貧乏学生の留学先。アメリカ=邪悪な帝国、ヤンキースに台湾人投手あり、カリフォルニアは不法滞在者ばかり、テキサスは石油、なかなか見事にアメリカを言い得ている。

 メキシコ=犯罪、ドラッグ戦争をいうのだろう。カリブ=台湾と外交を結んでいる。カリブ、中米地域の国は台湾と外交関係を持つ国が多く、確か10数ヶ国あると思った。

 先年住んだホンジュラスも台湾派だった。近年、中国が援助を餌にこれらの国に食い込んで、最近でもコスタリカが台湾と断絶、中国と国交を樹立した。台湾勢も防戦必死で同じく援助の大盤振る舞い。もっともこんなコップの中の嵐など当事者だけの問題で、国際的には何にもインパクトはない。

 南米=サッカーだけ。その通りだろう。こういった割合本音で世界地図とその評価を各国で作らせたら、面白いものが出てくるのではと思う。

 どこの国でも権力側が自惚れるほど、自国は評価されていないことを知る必要がある。
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author:cebushima, category:閑話休題2011年4月, 10:03
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