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ミンダナオ島紀行 ダヴァオ篇 2019 その(13) マティ市から一路ダヴァオ市へ

 ドリアンを食べてからマティ市を出発し、ダヴァオ市へ向かうが、市内は車の中から見た程度で、どのような街であったのか残念ながら分からなかったが、伝統的なフィリピンの街という印象は受けた。

【写真−1 マティ市は平坦な海岸線を持つが市の外は険しい】

 

 平坦な道を海岸沿いにしばらく走ると、道はやがて写真−1のように急坂が山の縁を縫って伸び、左手の下っている方がダヴァオ市方面になる。


 これで分かるようにマティ市に行くには昔はかなり難所の道であったようだが、現在も山を削って道を広げていて格段に便は良くなった。

 しかし、ダヴァオ市からマティ市までバス利用だと4時間はかかるというから、やはりかなり遠隔の地であることが分かる。

 

【写真−2 海岸線は泥質の遠浅が続く】

 

 そういったクネクネした道を走っていると写真−2のように見通しの良い場所に至るが、ここは展望スポットで遠くの山が『恐竜』の姿に見えると案内板には書いてあった。

 

 実際に遠望した時は、どこが恐竜の姿なのかと分からなかったが、写真を点検したら中景に写る半島が恐竜が伏せたように見えるのでこれかと分かった。

 

 なお、マティ市の博物館には長さ16メートル近い鯨の骨格標本が展示されていて、この標本はフィリピン国内では最大で、マティ市近海には鯨が生息していたようだ。

 また写真−2の右手遠景の山はこの時は漠然と写しているが、やはり後で確認したらハミギタン山(1620m)の山容で、この山麓一帯がユネスコの世界自然遺産に指定されている。

 

 なかなかこの地方に来ることはないだろうが、世界遺産があるとなれば次回の訪問時に試みてみたいし、楽しみにもなる。

【写真−3 戒厳令によって人権侵害が多発】

 

 乗ったヴァンはダヴァオ市を目指して走るが、所々に軍や警察の検問所があって、写真−3は対向車線で車が検問で停められている様子。

 ミンダナオ島には南ラナオ州州都マラウイ市の占拠事件をきっかけに2017年5月23日、60日間の戒厳令が布かれたが都合4回延長され、今年の12月にその期限を迎える。

 

 既に戒厳令の効果は薄く5回目の延長はどうかと議論されていて、強権体質のドゥテルテ大統領は治安側にとって便利な戒厳令を止めるつもりはなく、延長の意向と見られている。

 ところが、戒厳令があると印象は悪く経済活動、とりわけ海外からの投資がなくなるとドゥテルテの城下町ダヴァオ市の経済人から声が挙がっていて、ドゥテルテの跡目を継いだ娘の市長もダヴァオ市を外せといい出している。

 

 どれも目先だけのご都合で動いているだけで、戒厳令の本質や問題点など全く省みられていないで議論されていて、ダヴァオの経済人と政治屋の醜さばかりが目立つ。

 そういった動きもあって、実際に治安を行っている軍や警察の高官は戒厳令の延長は必要だが、イスラム地域に区切ってするべきとドゥテルテの機嫌を取るような発言が出ている。

 

 戒厳令を巡っては所詮フィリピンの辺境ミンダナオ島での出来事であり、他の地域の大都市では影響が全くないために、市民も政治屋も無関心であるのが現実で、ミンダナオ島の戒厳令がなくなるということはないのではないか。


 

author:cebushima, category:ミンダナオ島紀行 ダヴァオ篇 2019, 19:20
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