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へそ曲がりセブ島暮らし2019年 その(40) セブ島最北端の町までバスの旅

 セブ島は南北約300キロの長さを持つ島ながら、幅は40キロ程度しかなく、その東海岸のほぼ真ん中にセブ首都圏が広がり、狭い海峡の対岸にはリゾート地と知られるマクタン島がある。

【写真−1 車内ではWiFiが使え座席から充電もできる】

 セブ島最北端の町はダアンバンタヤンという名称だが、セブ市から陸路で140キロほどあり、自動車で行くと3時間以上かかる。

 

バンタヤンという名称は近くに浮かぶバンタヤン島と紛らわしいが、この島は三つの町で構成されていて、ダアンバンタヤン町のダアンとは現地語で『古い』という意味がある。

 この方面に行く時はいつもは自動車を運転して出かけているが、先日、路線バスに乗って初めて往復した。

 フィリピンの陸路の交通移動は昔からバスが主流で、路線もかなり発達していて、また島と島を繋ぐ海路も同様に大小の船舶航路が張り巡らされている。

 フィリピンでのバス旅経験は30年以上前に、ミンダナオ島ダヴァオ市からバスを乗り継いで北上し、レイテ島南部のレガスピ市まで行ったことが最長と記憶するが、この時はマニラからダヴァオまで船、レガスピからマニラへは鉄道を利用した。

 最近ではマニラからルソン島北部ヴィガン市や山岳部州への旅に長距離バスを利用しているが、どれも夜行バスでその車内冷房の強さは冷凍庫に入っているのと同じであまり乗りたくないが、冷房をきつくして運転手の居眠り防止を計っているようだ。

 

 セブ市内には路線バスを通らせないために市中心に入る手前に南北二つのバス専用ターミナルがあり、北部方面行きは『北部ターミナル』でセブ市に隣接するマンダウエ市にある。

 

 今回利用したバスは午前中にセブを発つエアコン・バスで、写真−1がその車内の様子で週末のためか席はほとんど埋まり、座った席は一番後ろの席であったが、それほど不快感はなかった。

 

 バス最後尾の席で思い出すのは中米ホンジュラスに住んでいた時、首都テグシガルパから古都コマヤグアへバスで向かった時に満員状態の中最後尾に座ったが、急な山道を右に左に走る2時間の旅はかなり苦痛の印象が残っている。

 

 フィリピンも自動車が増えて、市街地を抜けるまでかなりノロノロだが、途中で停まっては乗客を拾っていくから距離は稼げず、この辺りは長距離バスとはいえ乗り降り自由のジプニーと変わらない。

 

 車で通い慣れた道路を北上するが、バスの乗客として窓から眺める風景はかなり奥の方まで見渡せて新鮮で、しかも自分で運転しないから気楽でたまには良いものである。

 

 旅程中ほどで食堂併設の休憩場所があり身体を伸ばすために下車するが、食事をかき込む乗客もあり、安全上運転手も休憩を取っている。

 

 その辺りから車の走行は少なくなりバスもかなり距離を稼ぐが、それまでの海沿いの道から山側に入る道に入ると、重い荷物を積んだトラックがノロノロと坂を走り、車というより障害物状態。

 

 フィリピンで運転していて気が付くのは2車線でも、この手のノロノロ、ポンコツ車は中央寄りの道路を走り、決して右に寄って車線を譲ろうとしなくてこれも渋滞の要因になっている。

 おそらくこれはフィリピン人の自我の強い国民性によるのだと思うが、ホスピタリティーの高い国民性というには真逆で、運転に譲り合いの心が出てくればかなりこの国の交通事情も良くなってくるのではないか。

 途中乗客が下りたり乗ったりを繰り返しながらそうして約4時間、目的地の場所に近づき、降りる場所をコンダクター(車掌)に伝えるとその真ん前で停まってくれるからその点は便利といえば便利。

 

【写真−2 横は狭いが前の座席との間隔は飛行機よりある】

 

 写真−2は帰りのバス車内の様子で、乗車した場所は降りた場所と同じ地点で、セブ行きのバスに手を挙げれば停まってくれるから、わざわざターミナルへ行く必要がなく、これも便利。

 帰りのバスもエアコン・バスであったが、車内は写真でも分かるように左の列が3席、右側が2席の計5席あり、その分一座席の幅はかなり狭い。

 

 この手の座席配列はフィリピンでは珍しくないが、小柄であったフィリピン人の体格の向上した現在ではだんだん廃れていくのではないかと思うが、人口が爆発的に増えている現状からは5座席の詰め込みバスはしぶとく残るのかも知れない。

 

 バスは夜の道をセブに向かって走るが、昼間は田舎然とした寂しい沿道の家々が意外に明るい電気が灯され、賑やかな感じさえ受けた。

 

 帰りのバスも中間点で休憩を取るが、鉄道のないセブはバスが大量輸送の要だが、戦前にはセブ市を中心に南北に鉄道が敷設されていて、先の大戦中に日本軍によって破壊されるまで運行されていた。

 最近、鉄道の大量輸送効果が見直されて、マニラ首都圏では新線工事が行われ、ミンダナオ島にも鉄道を敷くプロジェクトがあり、セブ島でも戦前の路線と同じような鉄道敷設計画が持ち上がっている。

 

 ただし、自動車時代に入ったフィリピンで鉄道が輸送の柱になるかどうか未知であるし、巨額な投資と保守費を考えるとどうかなという感じは強く、在任中の実績を誇示したい大統領の思惑ばかりが目立つ。

 

 乗ったバスでセブまでの長距離を乗った客は少なく、中にはジプニー感覚で短距離を利用している通勤通学客もあり、そうやってバス会社は売り上げを伸ばしているようだ。

 マンダウエ市途中で降りて、運賃は4時間乗って片道200ペソ、そこから乗ったタクシーは自宅近くまで7〜8分で80ペソを越していたから、やはりバスは安上がりな交通機関と思った。


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2019, 19:52
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