RSS | ATOM | SEARCH
この一枚2019年 セブ篇 その(14) 見たようなデザインの車

 週末を挟んでセブ島北の町へ出かけたが、途中の町で写真の車が駐車していた。

【塗装はオリジナルではないだろうが原型を保たれている】

 この町はセブ島西海岸沿いにあり人口15
万人前後、セブ市から車で渋滞がなければ1
時間少々の距離にある。

 この町にはセブ島に数多く進出している日本の企業の中で最大の工場があり、従業員は最盛期には2万人以上を雇用し、業種は電子部品を製造しているが、最近日本のベアリング製造大手と合併して社名が変わった。

 工場はセブ島の幹線道路沿いにあり、従業員の出退勤時間にはゲートから人が溢れ出て見もので、この従業員達が落とす金は巨大な額にあることが分かり、町を潤しているのは確かである。

 セブに進出した日本企業はマクタン島にある経済特区に多く固まるが、この会社がセブ島の外れにこのような巨大な工場を作ったのは、この町を統治する一族の引きがあったとされる。

 この会社、かつてはルソン島のバタアン半島に工場進出したが、労務管理の不味さからトラブルが絶えず撤退に至った過去を持つ。

 この会社の労務管理の不味さはフィリピンに進出する日本企業の反面教師となって、セミナーで取り上げられるほどであったが、セブのこの町を統治する政治一族が『労働争議』を起こさせないとして工場を誘致した。

 まるで、ヤクザが縄張り内のトラブルを押さえ付けるのと同じ構図だが、フィリピンの地元政治屋というのは利権を巡るヤクザと変わらない立ち位置にあり珍しいことではない。

 ただし、本当かどうか分からないがこの政治一族には多額の金が入るシステムがあって、工員一人当たりいわゆる『みかじめ料』が払われていて、そういう莫大な金が入れば地元政治屋は御の字であるし、会社も面倒毎は金で解決できると見て両者持ちつ持たれつの関係は続く。

 フィリピンの政治屋はヤクザと変わらないと書いたが、この町は歴代の市長、副市長、下院議員は全部一族から出していて、これはやはりフィリピン中同じ状況で、父親、母親、息子、娘、縁戚で公職を独占するのは極当たり前である。

 今のドゥテルテ大統領も娘、息子が市長、副市長、下院議員を独占していて、それがおかしいという声など全く起きず、どう見てもその在り方はおかしい。

 しかし、5月に行われた下院選挙でこの一族の候補が落選する番狂わせがあり、勝利したのは選挙区を同じにする町の副町長出身で、この副町長、前は町長をやり3選規定に引っかかるため自身は副町長に退いて、妻を町長に出した。

 この妻、今回の選挙でセブ州知事に返り咲いた人物の娘で、この一族はセブの政治を壟断する有名な政治屋で、何のことはなくヤクザの縄張り争いと五十歩百歩状態。

 フィリピン中この状況だから、誰もこういう形が続いていても不思議と思わず、民主主義とは無縁の選挙が繰り広げられ、利権を巡って汚職はこの国からなくならない。

 さて、標題とは飛躍してしまった記述になってしまったので戻すが、写真の車はその市の役所前の駐車場に停まっていた。

 最初見た時はどこか記憶にあるデザインで、日本製と思ったが、車の外観を調べると製造会社のエンブレムなど身元が分かるような物は一切なかった。

 それでも日本の車であり、かすかにライト回りの形状から『ランサー』という名称を思い出し、資料に当たるとやはりランサーであった。

 ランサーは三菱製で初代の発売は1973年2月からで、初代のデザインは1979年3月まで続き、エンジンは1200〜1600CC、2ドアと4ドアがあった。

 この写真の車は後期型であり、それが特定できたのは右フロント・フェンダーにあるサイドのフラッシャー・ランプで発売当時と全く同じである。

 これからこの車は製造後40年経っていると推定できるが、フィリピンではかなり古い車が現役で走っていて古い車マニアには面白い国である。

 日本では車検の関係もあって10年以上の車に乗ることは少なく買い替えるが、フィリピンでは車検はないために延々と車を使い続けることが普通となり、10年落ちなどまだ新車の方で、20年前の車など珍しくない。

 小生もセブで1969年製のフォルクスワーゲンに乗っていたことがあって、街中でこの古いフォルクスワーゲンを見ることは珍しくはなかった。

 そういう古いフォルクスワーゲンを普通に乗れたのも専門の修理屋が存在し、しかも安価であり、小生も海外に出て2年ほど乗れずボロボロになったフォルクスワーゲンのレストアを行ったが、その仕上がりは見事なものであった。

 さて、写真のランサー、三菱製だが三菱はフィリピン市場では強く日本車の販売シェアでは3位に付けている。

 三菱の人気が高いのはパジェロの存在が高いためで、今は他の高級車種が出ているためにそれほどではないが、パジェロを持つのは金持ち階級のステータスとなっていた時期もあった。

 このパジェロ、日本では製造終了となったが、フィリピンでは続けられるとのことで、三菱は数々の製造不正を行っていて問題になったが、フィリピンではそのニュースは伝わらないのか影響は受けていないようだ。

 自動車会社の製造不正は日本ではかなりのニュースになるが、フィリピンではあまり広がらず、例えばリコール問題にしても日本と比べてどのように処理されているのか全く伝わらず、そういった意味ではフィリピンは途上国状態である。


 

author:cebushima, category:この一枚2019年 セブ篇, 19:44
-, trackbacks(0), pookmark
Trackback
url: http://cebushima-blg.jugem.jp/trackback/3442