RSS | ATOM | SEARCH
ミンダナオ島紀行 ダヴァオ篇 2019 その(4) ダヴァオ市から東ダヴァオ州へ向かう

 ダヴァオ市は特別市になっているがダヴァオ・デル・スール州(南ダヴァオ州)にある。

【写真−1 フィリピン人の食習慣を掴んでマクドナルドを凌ぐジョリビー】

 ダヴァオ州と名前が付く州は東南北と3
州あって、今回向かうのはダヴァオ・オリエンタル(東ダヴァオ州)の州都Mati(マティ)市で、ダヴァオ市からダヴァオ・デル・ノルテ(北ダヴァオ州)に北上し、コンポステラ・バレー州を経て東ダヴァオ州に至る。

 空港からヴァンに乗って目的地へ向かい簡単な腹ごしらえをするために写真−1の『ジョリビー』に寄る。ジョリビーはフィリピンの津々浦々に進出しているファースト・フード・チェーンで、フィリピン国内だけでも1000店舗を超す。

 マクドナルドに対抗したハンバーガー・チェーンであったが中華やピザ、ケーキの他社のチェーン店を買収して、今やフィリピン最大のファースト・フード会社となっている。

 元々は1970年代後半に首都圏でハンバーガーの屋台店から始めたものだが、中国系経営者の巧みさというのか不振の上述企業を買収して立て直した手腕は買われている。

 フィリピン人が多く働き滞在している海外の国にも進出していて、日本にも進出する話は常に出ているが、味と内容から日本では受け入れられないと分かっているのか噂だけである。

 しかし、最近フィリピンでも目に付くようになった日本の牛丼チェーンの『吉野家』はジョリビーがライセンス運営しているようで、そういう選択も巧い企業でもある。

 写真の向こうに見える樹の向こうは海が広がっていて、港湾設備が続きセメント製造会社など大きな工場も連なり、ダヴァオ市の工業地帯といった場所で、30年以上前にマニラから船でダヴァオ港に着いたのはこの辺りかなどと記憶をたどる。

【写真−2 単作農業は搾取構造が横溢しここも例外ではない】

 郊外に出ると写真−2のようにバナナ畑が道の両側に延々と続き、写真の中で袋状に見えるのはバナナの実を害虫から守るビニールの袋で、その様子から『バナナ・コンドーム』と呼ばれている。

 途中通り過ぎるコンポステラ・バレー州は『バナナ州』と呼ばれるほどバナナ栽培の中心地で、日本のバナナの多くはこの地で栽培され、特に住友商事の関連会社『スミフル』はフィリピン産バナナのほとんどを日本に輸出している。

 スミフルとは薬の名前のようだが元々は『住商フルーツ』が前進で、その略称を会社名にし、このスミフル、かつて中南米諸国がアメリカの巨大農業会社に牛耳られていたように現地では絶大な力を持っている。

 バナナ栽培の労働は過酷で低賃金であり、労働争議などの揉め事は全部現地の人間同士に体良く丸投げしていて、日本人は表に出てこない。最近、スミフルの労働条件が『奴隷』と変わらないと農園労働者がストなどを行い、それに対して会社側はストに参加した労働者の首を切った。

 しかし労働者側は国の調停委員会に訴えて、最近首切りの不当性が認められたが、スミフルの日本側はそういった事態に我関せずで、そういった事件が日本の消費者に伝わらないのが実情である。

 またスミフルは農薬散布による環境汚染など、フィリピン現地ではかなり問題視されていても全て無視の状態で、スミフルで産するバナナはフィリピン人は口にしないと伝えられる中、こういった農薬まみれ工業製品のような不味いバナナを食べさせられている日本の消費者は不幸である。

【写真−3 ジプニーのこの姿は安心感を覚える】

 ミンダナオ島の道路は広く、それほど車も溢れている感じはなく車で移動するには快適な地域だが、写真−3は途中で目にしたジプニー。

 ジプニーの行き先に『TAGUM=タグム』と書かれていて、タグムは北ダヴァオ州の州都で州の人口は100万人を少し超えた程度で、タグムの人口は27万人程度。

 タグムの名前で思い出すのはダヴァオ市−タグム市間にドゥテルテ政権になってその間を鉄道を敷設するプロジェクトで、今回その工事が車窓越しに見えるかと期待していた。

 しかし、このプロジェクト、中国の資本と技術で完成する予定だが、プロジェクトが進捗しているその後の様子はニュースになっていない。

 ドゥテルテは自身の手柄にしたいために任期が終わる2022年までに開通させたいと風呂敷を広げたが、鉄道工事が行われている様子は少なくてもダヴァオ市―タグム市間では全く確認できなかった。

 鉄道は開通後に保守が大変で、首都圏の軽量鉄道路線が保守管理の悪さから日本の莫大なODAで再整備が始まっていて、その点を考えると保守管理思想に弱いフィリピンでは難しい。

 それにダヴァオ市−タグム市間に鉄道そのものの需要などあるとは思えず、関係する不動産業者や工事会社を儲けさせるだけの『政治路線』といい切っても良い。


 

author:cebushima, category:ミンダナオ島紀行 ダヴァオ篇 2019, 19:45
-, trackbacks(0), pookmark
Trackback
url: http://cebushima-blg.jugem.jp/trackback/3432