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へそ曲がりセブ島暮らし2019年 その(37) 戒厳令の出ているミンダナオ島へ行く

 ひょんなことからミンダナオ島へ行った。ミンダナオ島全域には現在『戒厳令』が布かれ尋常でない地域になっているが、日本の外務省の安全情報では危険度を4段階に分けていて、ミンダナオ島西部は『渡航中止勧告』のレベル3が出ている。
 

【写真は東ダヴァオ州にあるリゾート施設】


 今回行った地域はダヴァオ市並びに東部方面になり、この地域はレベル2の『不要不急の渡航は止めてください』と訳の分からない表現となっていて、外務省基準では危うい色付けだがあまり意味を持たない。

 4段階の内、レベル1とは『充分注意してください』であり、最高位のレベル4は『退避勧告』になるが、いずれも目安であって強制力はなく、何かあった時の日本の役人の言い訳、責任逃れに作られたような代物。

 最も軽いレベル1などフィリピン全土が対象になっていて、比較的安全といわれるセブも例外なくこれなど情報というより海外旅行の心構えを大袈裟に言っているようにしか見えない。

 実際、セブに来る観光客など安全情報でレベル1が出ているなど知らないであろうし、知っても関係ないの一言で終わり、当地の観光業者関係者には不評で気休めにもならない。

 

 ミンダナオ島へ初めて行ったのは1980年代で、その時はマニラから船に乗ってミンダナオ島サンボアンガ市経由で、ダヴァオ港へ着いたが、当時のミンダナオ島は共産党系の武装組織『新人民軍=NPA』、イスラム系の『モロ民族解放戦線=MNLF』が盛んに武装闘争を展開していた。

 そういった政府軍、反政府軍が入り乱れて戦っていた時期ではあるが、戒厳令は布かれていなくて、1970年代にマルコスが全土に戒厳令を布き権力掌握し、独裁化を進めた事実を考えると、現大統領のドゥテルテが戒厳令を弄んでいるのは独裁者と同じ道をたどっているとの指摘は当たっている。

 

 初めてのマニラ−ダヴァオ航路で立ち寄ったサンボアンガは話している言葉がスペイン語を基にしたチャバカノ語で、非常にエキゾチックな感じを持つ街の印象を持ち、特に港には色鮮やかな帆を張った『ビンタ』と呼ばれる船がたくさん停泊していて、遥か遠く南に来たなと思った。

 こういった光景は後年セブから飛行機でサンボアンガへ行き、港から船でボルネオ島へ向かった時にビンタの姿は消えて、どこにでもある港湾風景になっていて、あれは良い時に目撃したなと感じた。

 

 ダヴァオ港の印象はずいぶん街外れにあったという印象があり、ダヴァオ市自身も世界で最も広い市域を持つといわれていたが、中心部は小さくそれほど活気があるようには見えなかった。

 ダヴァオからは今度はミンダナオ島を縦断、北上する形でバスに乗ったが、途中山の中で軍の検問があり、乗客は全員降ろされてチェックを受けたが、外国人の小生も例外ではなかったが、日本人がローカルなバスに乗っていることに不思議がられたが問題はなかった。

 その後、ダヴァオには家人とも行ったり、仕事で行ったりして都合3回あり、今回でダヴァオは4回目となるが、前回行ったのは10数年前になり、その後のダヴァオの進展ぶりには興味は高かった。

 このミンダナオ島で最大都市とはいえ、辺境の都市であったダヴァオ市は2016年の大統領選でダヴァオ市長から出馬したドゥテルテが当選して一躍脚光を浴び、インフラ投資も予算の割り当てもミンダナオ島偏重となっている。

 

 ドゥテルテは独裁者マルコスの時代に検事に任官していて、当然反マルコス陣営の弾圧に加担したのではと思われ、あまりその辺りの情報は出て来ていないが、大統領就任後に歴代政権が認めなかった英雄墓地へのマルコスの遺体の埋葬を認めたから近いことは確かである。

 そのドゥテルテがダヴァオ市長として姿を現したのは1988年だから、小生が初めてダヴァオを訪れた頃はまだ市長でなく、その後ドゥテルテはダヴァオ市長として当選し長期間居座ることになる。

 

 現在のダヴァオ市政は長女が市長を継ぎ、副市長も次男がなっていて市政を一族で牛耳っているが、一族で首長職や議員職をたらい回しにするのはフィリピンでは当たり前で、これがフィリピンから汚職がなくならない原因の一つといわれる。

 さて、戒厳令下のミンダナオ島だが、ダヴァオ市に限っては戒厳令を解除しろとの話も挙がっているくらい平穏であり、10数年前と比べて街の発展ぶりには少々驚かされた。

 何よりも車が道を埋めるように走っていて、これはフィリピン中の街に共通する現象だが、そのため道はセブなどと比べて広いのに排気ガス汚染が酷く、街中でマスクを着けて歩く姿が目立った。

 街の発展を象徴するのは大きなショッピング・モールがいくつも造られ、30階以上あるビルがあちらこちらに建ち上がっていることで、こういった現象は少々大きな都市には共通しているが、ダヴァオは10数年前の田舎臭い印象が強かったから尚更である。

 そういえばダヴァオには日本総領事館が今年から発足していて、以前はセブと同じ出張駐在官事務所が置かれていたが、ドゥテルテが大統領になって安倍が駐在官事務所を総領事館に格上げしたが、体の良い賄賂である。

 総領事館になると領事は事務所の3人程度から倍以上の7人が常駐するらしいが、ダヴァオには日本人がセブの20分の1以下も在留していなくて、それ程邦人対象の領事の仕事があるとは思えず、税金の無駄遣いではないかともいわれている。

 そういったあれこれを『ミンダナオ島紀行 ダヴァオ篇 2019』として、写真と共に掲載するので、ご照覧ください。

 


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2019, 17:08
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