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へそ曲がりセブ島暮らし2019年 その(36) 第25回参議院選挙は終わって

 フィリピンでは3年ごとに選挙が行われ、今年の5月13日(月曜日)に選挙があった。

【写真はミンダナオ島北部にある島にて】

 月曜日を投票日にしている理由は分からないが、アメリカも月曜日に投票が行われるので、かつてアメリカの植民地であったフィリピンもその真似をしているようだ。

 前回のフィリピンの選挙は2016年で、この時は正副大統領選もあり、候補が乱立して盛り上がり投票率は82%近く、最初は泡沫候補といわれたダヴァオ市長であったドゥテルテが当選した。

 フィリピンの大統領というのは上院議員経験者がほとんどで、フィリピンでも辺境と位置付けられるミンダナオ島の大きな都市とはいえ、一介の市長が大統領に当選するなど異例中の異例になる。

 2019年に行われた選挙は上下院議員、自治体首長と議員を選ぶ地域密着型なので投票率はやはり80%を超えたと思うし、選挙を巡って殺害事件が発生するような激戦自治体では、それを超える投票率が記録されたようだ。

 投票率が高いから政治への関心が高いとは必ずしもいえないが、逆に低過ぎるのは政治に関心がなさ過ぎるともいえ、7月21日に投開票が行われた日本の参議院選挙は稀に見る低投票率、48.8%となった。

 これは過去最低だった1995年に行われた参院選の44.52%に次ぐ低率で、24年ぶりに50%を割り込み3年前の参院選では54.7%を記録していて、6%近くも下回るという結果となった。

 日本の選挙の投票率は当日の天気の要素も強いといわれ、実際、天気が良くて外出に適すと投票する人は少なくなり、反対に雨降り、荒天だと出足が鈍って投票率が下がる。

 今回の参院選の投票日当日の天気は、西日本側に大雨が降って東日本側は曇天模様で、大雨に見舞われた地方は別にして劇的に投票率が下がってしまうほどではなかった。

 今回の選挙に争点がなく盛り上がらなかったという指摘もあるが、与野党間にはそれなりの争点はあるし、1人区では野党側の共闘が成立し、そういった選挙区では盛り上がったのではないかと思われる。

 それでも記録的な低投票率となったのは、有権者の間に政治に対する無関心、諦め感が反映したためであり、この傾向は権力を維持している自民党有利に働く。

 自民党の安倍が長期政権を続けていられるのも、このお蔭で、自民党は有権者の半分以下の投票の30%程度の得票率で議席数は減らしていても、第1党の位置は盤石であった。

 この数字を見て分かるのは、アメリカのトランプが当選し今も強気でいられるのは、自分を支持する層だけを対象にして向いていれば良いことと、日本の安倍自民党がそっくり同じということである。

 これが国内の『分断』ということになり、反対層は相手にしなくても大丈夫という戦略が蔓延し、これはおそらく商品を売る手法と同じで、今や政治は広告会社が動かしているという指摘は当たっている。

 さて、選挙前には各党の獲得議席予想が各メディアを通じて発表されるが、今回の議席予測はどこもほぼ予測通りになっていて誤差はほとんどなかった。

 そういった意味ではあらかじめ情勢は決まっていたような選挙で、予測が当たったのは政治に対する有権者の無関心さと関係がある。

 

選挙後の政党別では、自民党が3年前の選挙では57議席を得ているのに今回は54議席と、定員が増えているのに減らしていて、勝利というほどの力はないが、上手く誤魔化している。

 自民党の腰巾着である公明党は前回13から14と1議席増加しているが、創価学会の組織票が低投票率に助けられた結果であり、このところの選挙で同党は得票数を減らし続けていた限界が見えている。

 この2党で与党を形成し、大手メディアは与党で過半数得を超えたなどと、どういう視点で流しているのか分からないニュースを垂れ流しているが、自民党の広告戦略が大手メディアを抱き込んでいる証拠であろう。

 野党の立ち位置を標榜しているが中味は自民党と変わらない維新が8から10へと2議席増やしているが、この3党併せても参議院では憲法改定発議の出来る3分の2に届かなかったから、護憲勢力は皮一枚で繋がった。

 野党では旧民主党が分裂して生まれた立憲民主党が17から22と5議席増やし、国民民主党が7から6へと1議席減らす結果となったが、分裂していなければ議席は増やせたのではないか。

 共産党は9から7へ2議席減らし、組織票が固い同党も低投票率には勝てなかったようで、これから癖の強い党派ながら案外と無党派層が同党に投票しているのが分かる。

 政党として消滅する危機にあった社民党だが今回は1議席を得て、政党として首は繋がったが、自民党と対峙していた旧社会党の流れを組む同党は風前の灯火で、今回は判官贔屓のバネが効いたのではないか。

 今回の参院選で話題性を持ったのはれいわ新撰組で、党首の山本は東京選挙区に出ていれば再選間違いなかったが、あえて比例区に回り候補名簿3位とした。

 その結果は2議席を得て本人は落選するが、比例区候補者中では最大得票の90万余票を得ていて、かつての全国区なら悠々当選するから選挙制度そのものに釈然としない者も多かったのではないか。

 れいわの当選者2名は車椅子に乗る重い障碍者で、その意味では史上初めて国会に重い障碍者を送り込んだ戦略は評価して良く、インパクトは強い。

 またNHKから国民を守る党と、何やら怪しげな党が1議席を得たが、この候補者、今度の参院議長になる人物より当選順位では一つ上というから驚くし、自民党の御用放送であるNHKに対する反感というものが根強いことが分かる。

 こうして結果は出たが、盛り上がらない選挙にしたのが安倍自民党の戦略で、それがまんまと成功し、こういう無気力さに操作されてしまう現今の日本の空気というのは非常に危険と感じた第25回参議院選挙であった。


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2019, 19:00
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