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この一枚2019年 セブ篇 その(8) セブで最初に建った高層ビル

 高層ビルというのは40階以上の建物をいうらしく、20階程度を中層ビルと建築の何かの本で読んだことがあるが、写真の右側に写るビル2棟は40階あり、これがセブで初めての高層ビルで、これはマニラ以南最初の高層ビルにもなる。

【ホテル棟の上部は歩く空中回廊などのアトラクション設備がある】

 それまでのセブは経済成長に伴って事務所やコンドミニアム用のビルが次々と建てられたが、どれも20階前後の建物であり、高層化には遠かった。

 やはり建築の方の話になるが、40階建てと20階建てでは基礎の造りが全く違っていて、その工費は格段に違って来るためにどうしても20階前後の建物になるという。

 写真の40階建てビルが出来てから10年以上経つが、最初に竣工したのが右側の建物でホテルになっていて、その左側の建物はその後竣工したもので、事務所とコンドミニアムになっている。

 その2つのビルの前に10階を超すビルがあり、このビルは以前にも書いたがセブに10階以上のビルがいくつもなかった時代の1つで、最初の在フィリピン日本大使館出張駐在官事務所はここに入居していた。

 余談ながらセブに住む日本人はこの出張駐在官事務所を領事館と通称しているが、事務所とは領事館になる前の組織で、出張と書くものの領事2〜3人が常駐しダヴァオにも同様の事務所があった。

 セブとダヴァオの在留邦人数や邦人観光客数はセブの方が圧倒的に多く、それでもダヴァオにあるのは戦前、この地には2万人以上の日本人が住んでいたためと、戦後の残留日本人問題を抱えていたためである。

 ところが、今年になってダヴァオは総領事館に昇格し、こうなると2〜3人程度であった領事人員数が倍以上になり、出張駐在事務所時代とは違って格は遥かに上がる。

 そんな多勢の領事を置いてもダヴァオに仕事などないと思うが、これは今の大統領がダヴァオ市を牛耳っていた人物なので、安倍がいわばご機嫌取りで総領事館に昇格させた。

 前からセブを総領事館に昇格させるというのは日本の外務省では決まっていて、こういう風に政治的決定というのは時の権力者の間で恣意的にやられてしまうからどうにもならない。

 落胆したのはセブの邦人と伝わるが、セブの日本人組織の顔役と思っている連中だけで、普通の在留邦人にはどうでも良いことで、小生も駐在官事務所など1年に1回も行けば多い方である。

 写真に戻るが、そのビルの左側にある建物はフィリピンのショッピング・モール大手のロビンソンで、ここはセブで最初にできたモールで、上部のビルはホテルになっている。

 ロビンソンというのは中国系の新興財閥が運営していて、フィリピン航空を凌駕する勢いの後発航空会社セブパシフィックはこの傘下にあり、ショッピング・モール最大手のシューマート(SM)も中国系財閥だが、どこも一代で築き上げていて中国系の商売の巧さには驚く。

 ロビンソンのある1990年代初頭頃はこの辺りがアップ・タウンの中心になり、その(5)で書いたセブの中心『フェンテ・サークル』に面し、左の方に見える梢がフェンテ・サークルになる。

 その梢越しの左端に見える建物はかつての繁華街を持つマンゴー通りに面し、現在セブで一番高い建物になっていて、50階以上あり用途はコンドミニアムになっている。

 このビルは最近建てられたが、50階以上の高さの割には横から見ると異常なほど厚味の薄い建物で、風が吹いたら倒れそうな印象を与える。

 こういう不安を与える建物でも売れ行きは良かったのか、同じような建物を直角に建てていて、最初の建物のコンドミニアムを買った人間は眺望が阻害されるだろうが、あまり気にしないのかも知れない。

 フィリピンの建築法は全く知らないがこれら高層ビルは敷地一杯に造られていて、日本のように容積率によって建物周りに空き地を造って植樹するといった概念は全くないようで、嫌でも威圧感と密度を増やす。

 今にも倒れそうな高層ビルと書いたが、実際の建物を見ると廊下を挟んで両側に部屋を設けている設計で、しかもその部屋はワン・ルーム・タイプが主流なので必然的に厚味の薄い建物となる。

 ワン・ルーム・タイプが多いのは住むというより又貸しして、賃料を得る投資目的で購入する人が多いためといわれ、海外で働くフィリピン人移住者や中国、韓国、日本などの小金持ちが購入し、これら層がフィリピンの不動産業界を潤している。

 こういう投資目的購入は旺盛とはいいながら、その物件の地震などの災害への対策は非常に脆弱で、この間マニラ首都圏であった地震では傾いたり割れ目を生じたビルが続出した。

 その地震も日本の震度尺度でいえばチョッと大きな地震程度で、その上を行く地震が来たらフィリピンに建つ耐震構造など最初から考えられていない中、高層ビルは耐えられないだろうとの予測さえ出ている。

 そういうリスク承知で、フィリピンの高層コンドミニアムに住む覚悟は必要と思うが、日本だって大地震が来る確率がかなり高いのにも関わらず、その危険地域から避難しようとしないから、どこの国にも『運任せ』があるのだなと思う。

 


 

author:cebushima, category:この一枚2019年 セブ篇, 18:44
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