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この一枚2019年 セブ篇 その(2) バブル状態の続くセブのコンドミニアム

 アセアン加盟国の中でGDP成長率が年間6%台と、高成長率を示しているフィリピンは、経済にまつわる事柄は右肩上がりの様相を呈しているが、相変わらず貧困層というのは減る気配はない。

【写真−1】

 それでも、貧困層と富裕層の間に存在する中間層が増加しているのは事実で、この層と海外からの莫大な送金がフィリピンの消費を支えていて、車や不動産の売れ行きに影響を与えている。

 写真−1の遠くに見える左側のビル2棟はセブ市に隣接するマンダウエ市で建設中のコンドミニアムの様子で、40階くらいの高さになるが躯体の方は終わりに近づいている。

 この建設場所は同市の埋め立て地で、写真を撮った駐車場のある場所も埋め立て地に造られたショッピング・モールで、駐車場とこちらのモールの間には左にマクタン島、右にセブ市内へ行く幹線道路が延びている。

 コンドミニアムの前は海に臨んでいて眺望は良いが、その海は生活排水が流れ込む海面で、他の島へ行く客船の桟橋もあってセブの綺麗な海を想像したらがっかりする環境である。

 この埋め立て地まだ空き地は見えるが、近年開発が進んで、写真には写っていないが左の方には20数階建てのホテルが最近開業していて、1泊の値段が100ドル程度とあるからセブでは中級の上といったレベルになる。

 

 ホテルといえばセブはホテル開業ラッシュで、写真を撮った背中側にも中級のホテルが2軒開業していて、こういう場所に誰が泊まるのかと思っていたら、市の営業許可を取っていないということで最近閉鎖命令が出た。

 営業してしまっているのに閉鎖命令が出るというのは不思議な話だが、フィリピンでは珍しくなく許可を出す行政側の怠慢と営業する側の癒着で、手続きが正規に行われていないことは多い。

 これが贈収賄を伴う汚職の元凶にもなっているのだが、一向に改まらずセブ市でも最近質屋のチェーン店が閉鎖命令を受けていて、水商売関係などの店は違法に営業しているのが多いといわれている。

 さて、写真−1に戻すが、こういったコンドミニアムの売れ行きは好調と伝えられ、開発業者は増収増益の決算を発表していて、一戸建て開発業者を含めてこの手の業界の鼻息は荒い。

 

 コンドミニアムを購入する層は中間層と先述したが、例えばワン・ルーム型の部屋だと場所にもよるが200万ペソ未満で販売していて、これは日本円で400万円を切るから日本的感覚ならそう高くは感じない。

 しかし、フィリピンの日給が日本の時給と同じである経済格差を考えると、400万×8倍=3200万円くらいにフィリピンではなり、少なくても3000万円を超えてそうは安くはなく、しかもワン・ルームの狭さである。

 こういう高価な買い物をするのは、一説には投資目的の中国系と海外に移民したフィリピン人が多くを占めているといわれている。

 1990年台に中国・広東省に住んだ経験から中国人は『現金』を信じず、土地や建物に投資するということを知ったが、当時の広東省の都市部にはボコボコと低層のマンションが建ちながら、ほとんど人が住んでいないという所が多かった。

 小生が住んだ所にも低層の建物20棟以上が建ち並んでいたが、住んでいるのは1棟に数世帯という有様で、これで大丈夫なのかと思ったが、将来を見越せば早いところ造った方が儲かるという計算があったのであろう。

 セブでも投資目的で購入する中には日本人も結構いるらしく、売り込む不動産屋の手口としては部屋を賃貸に出すということだが、それほど簡単ではないのがこの世界で、儲けるのは不動産屋だけでお荷物になっている例も多い。

 

 ただ、フィリピンでは法律的に外国人は土地の所有者にはなれないが、コンドミニアムやタウン・ハウスは外国人の名義になるために、そういった意味ではこの制度が外国人のコンドミニアム購入投資意欲を促進している。
 

 ついでに書くが、フィリピンに住んでいる日本人が土地も家も自分の物だという人があるが、その場合フィリピン人と結婚しているとその配偶者の名前で登記しているか、フィリピンに会社を持っている場合は会社名義となる。

 これで何事もなければいいのだが、妻と離婚騒ぎあるいは会社経営を巡って内紛が起きるとフィリピン人名義の土地も家も取り上げられてしまい、いくら裁判に訴えてもどこの国の法律も自国民のためにあるから勝てない。

 この場合、取られたとか騙されたと喚くが最初からフィリピンの法律に対しての己の無知を知るべきで、そういう無知さに付け込んで日本人の夫に金だけを出させて追い出すという手口で騙す悪質な輩も多く、未だに騙される例が後を絶たない。

 

 この悲劇を避けるために、土地購入と家を作る時の資金は夫から妻に出したという書類を作る、つまり妻が夫に借金をしたという形にすればいざ揉めた時に金の回収は出来るというが、元々そういう危ない手を使わなければいけない国であるということを認識する必要がある。


【写真−2】
 

 さて、コンドミニアムに戻るが、写真−2は現在計画中のコンドミニアムの模型で、敷地はあるモールで、そのモール内に展示し、購入予約を取っているが高さの割にずいぶん厚みのない建物でワン・ルーム中心に造るようだ。

 セブの中心部にやはり50階を超すコンドミニアムが造られたが、これも異常なくらい厚みのない設計で、強風でも吹いたら倒れて来るのではないかと近くを通る度に思うが、上の方に住む人はそういった恐怖感は感じないのであろうか。

 

 フィリピンのコンドミニアムの特徴として、日本のように各戸にベランダを付けたタイプは少なくどれも閉鎖的な造りになっているが、いざ火災になった時にどうするのかと気になる。

 そもそもフィリピンには高層階に届く消防の梯子車はなくて考えても無駄で、そういういざとなったらなどと考える人は高層コンドミニアムに住むことは向いていないのは確か。

 日本では近年になってタワー・マンションが続々と造られブームになっているが、フィリピンはマニラ首都圏のビジネス街であるマカティ市など、早くから高層コンドミニアム街が造られ、1980年台にその姿を見た時は日本よりかなり進んでいると思った。

 

 

author:cebushima, category:この一枚2019年 セブ篇, 18:32
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