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四国八十八ヶ所遍路旅 2017年春 その(41) 日暮れて高知市まで78キロ地点

 次の宿泊地は高知市内のホテルを予約してあって、必ず行かなければならないが室戸岬から高知市まで地図では距離にして約83キロ。

 車で国道55
号線を一気に走れば2時間程度で行け、今晩泊まる地区にある二十五番札所『津照寺(しんしょうじ)』を含めて高知市内までは5ヶ所の札所だけで余裕の道のりになる。

【写真−1 歩き遍路も車遍路もこの前の道を歩む】

 家人の履いている靴の具合が悪く、徳島市内で靴屋を探したがなかったことは前に書いた。国道沿いに大きなスーパーがあり、靴も売っているらしくそこへ行く。

 車の走行も疎らな国道を歩いていて見かけたのが写真−1の看板で高知まで78Kmとある。下の135という数字は良く分からないがこういう表示を見ると一気に高知市が近づく。

【写真−2 車が運転できないと地方の町は暮らし難い時代】

 その国道沿いにバス停留所があり、時刻表を撮ったのが写真−2。行き先は奈半利・安芸方面行となっている。

 奈半利(なはり)は人口3200人余の海沿いの過疎の町だが、この町には高知市に隣接する南国市の御免から『土佐くろしお鉄道』が通っていて鉄道ファンには嬉しい所。

 鉄道路線距離42.7キロ、20駅を持ち海沿いを走るので景色は良いらしいが、人口過疎地域を結ぶため黒字化は難しい。

 このバスの時刻表を良く見ると、平日の朝は早くから本数は多いが、これは車を使えない学生の通学と経由がどれも『病』とあって、病院へ通う人々、特に老人用に走っているバス路線と分かる。

 徳島から先と室戸までの鉄道のない地域はバスに頼るしかなく、1日18本も走らせているのは健闘しているが、時間帯に偏りがあり、何だか地方の衰弱を物語るようなバス時刻表であった。

 目当てのスーパーはこの地方のチェーン店らしく構えも大きく、寂れた町には立派過ぎるくらいで、車で乗り付けて買い物する人もチラホラ。

 しかし、こういったスーパーが出現すると元々あった店は影響を受けて閉鎖に追い込まれるから、泊まっている旅館の周りの店もそういうことかと分かる。

【写真−3 こういった建造物は他でも目にした】

 写真−3は途中で見かけた沈む夕陽を背景に浮かび上がる異様な建造物。これは『津波避難タワー』で、恐らく2013年の東北の大津波の被害を受けて、急遽造られたのであろうが、高さは一番上の階で8.5m。

 東北の大津波の被害地域を廻った津波の高さを考えるとこの3倍くらいの高さと余程強固な造りでないと津波には抗しれず、津波の実態を知っているのかと疑うような建造物。

 しかしこういう所に20mを超す建造物を造るのは不可能であるから、やはり津波には山に逃げるのが一番で、津波避難タワーを頼っては大きな被害を生む恐れがある。

 


 

author:cebushima, category:四国八十八ヶ所遍路旅 2017年春, 21:40
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