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四国八十八ヶ所遍路旅 2017年春 その(40) ゴースト・タウンかとみまかう寂れた町

 室戸市は1959年に近隣の4町1村が合併し、市の発足時期は結構古い。しかし人口は減る一方で、半分以下の1万3千人を割り、高知県で一番人口の少ない市になっている。
 

【写真−1 まだ明るい時間なのに戸を閉め切った店ばかり】


 基幹産業の漁業が衰えたためで、泊まっている旅館前に広がる室津漁港は税金で相当な金をかけた港に見え、繋いである漁船も新しく多いが人の動きはほとんどなく、死んだよう。

 夕食と買い物を兼ねて町に出て行くが、商店はあるものの時間的に閉店するには早い時間なのに写真−1のように固く閉ざした店ばかりで、ここで買い物をするどころではない。

 写真−1の右奥に『たまや』という屋号のパチンコ屋があって、ここもしっかりシャッターが下りていて、営業している気配はない。その昔、漁業で景気の良かった時代はさぞ賑わったのではと思わせる建物であった。

 パチンコ業界も今は郊外の道沿いに大規模パチンコ屋が出来て車で行くような時代で、こういった小規模のパチンコ屋は淘汰されていると聞く。

【写真−2 最盛期には東南アジアから働く人も居たのではと思わせる路地裏】

 旅館のある地域は市内でも中心に当るらしく、市役所庁舎もこの地域から少し離れた所にあるが、港の周りには人影がなく、写真−2のような路地から路地を足の向くまま歩くとやはり漁師町だから、スナックとか飲食店があちらこちらにある。

 しかしどの店も閉まったような感じで、完全に閉鎖した店もあって寂れた感じしかない。まだ、日が暮れてから営業するのかなと思ったものの、買い物を済ませて暗くなった同じ道を通っても明かりの点っている様子はない。

 やはり、先述のパチンコ屋と同じで、漁業不振で人は遊ばず、そして金が落ちない循環でこのような具合になってしまったのであろうが、責任を持たない旅行者としては何やら懐かしい路地裏であった。

【写真−3 古い港町にはえてしてこういう古い料亭が残っている】

 それでも、港に近い写真−3の建物。料亭と名乗っているようにチョッと古風で洒落た雰囲気を持ち、店の前の幟には『室戸キンメ料理』とこの地の名物料理が書かれている。

 これは良い店を見つけたと思って、玄関で案内を乞うと予約で今日は一杯という。そういえば旅館で勧められた別の店も予約で一杯と断られ、こんなゴースト・タウンのような町で何が予約で一杯かと訝るが一杯は一杯で仕方がなく他を当る。

 後で分かったがこの日は4月最初の月曜日。新年度の始まりであり役所や会社が新人を迎える日で、仕事の後は顔合わせや新人歓迎会が行われ、この手の店は予約で一杯という仕掛け。

 そういえば写真−3の店にはネクタイを締めた漁師町には似合わぬサラリーマン風の人物を多く見かけた。寂れる一方の室戸でも役所や学校、あるいは信用金庫のような安定した固い職種はあるだろうが、その手の仕事しかないのがその町の活性化を遠ざけているのも日本の地方の現実。

 こういう昔からある店は残って欲しいなと思いながら、前を通り過ぎると別の角地に割合大きな酒屋があり、看板に地酒を大きく宣伝している。それを見て高知は酒飲みで知られる土地であったと思い出した。


 

author:cebushima, category:四国八十八ヶ所遍路旅 2017年春, 18:45
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