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7月26日(金) 曇り時々晴れ、微風 閑話休題 《 セブの砂浜に舞い落ちる妖精 》
 平日の朝早く、ビーチへ行った。ここは入場料を払って入るが、さすがに朝早いために地元の人間の姿も見えなく、もちろん観光客の姿も見えず、独占状態。

 この所、セブも雨の多い日が続くが、この日は梅雨の晴れ間のような日差しで、海岸べりに大きく枝を張り、日陰を作る樹の下に座ろうと歩くと、写真の花が点々と砂浜に落ちていた。

 変わった花だなと思っていると頭上の枝からパラリとこの花が落ちてくる。このビーチには時々来るが、7月のこの時期に来たのは初めてで、この海べりに生える大きな樹に花が咲くとは知らなかった。

 セブの海岸には地元で『タリサイ』と呼ぶ、枝が横に広がって木陰を作る樹が普通に見られて、この花を咲かした樹もタリサイと同じような葉を付けているので、今までタリサイかと思っていた。

 しかしタリサイの花というのはあまり聞かないし、念のため裏の方にあったタリサイの樹と比べてみると、タリサイの樹は幹が分岐しないで伸びていて、花を咲かす樹は根元から何本にも分岐し、新芽も根元からたくさん生えていて、明らかにタリサイの樹ではないと分かった。

 花の大きさは手のひら大、繊細な針のようなピンクと白の絶妙な配色を持ち、ハラリ、ハラリと音もなく朝方の砂浜に落ちてくる。花は白い卵より小さい蕾がいくつもあって次々と夜に開花し、一晩咲いて朝方落下するのでまさに『花の命は短くて』を具現するような花。

 土地の人間にこの樹の名前を聞いてもよく分からなく、後で調べるために幹の形状、葉の密集具合、花の付け方と写真に撮っていると一つ『実』がぶら下がっているのがあった。

 それで、家に帰ってから
Facebookを通じて『この樹の名前を教えてください』と、写真と記事を載せたら、5年くらい前に中米・ホンジュラスで一緒だった植物に造詣の深い方から参考になる意見が寄せられた。

 それによると『花はサガリバナとそっくりだが、単独で咲いているから違う……』とあり、それをヒントにネットで調べたらこの写真の花は『ゴバンノアシ』と分かった。

 和名の漢字で書くと『碁盤の脚』で、妖精のようなその花の姿に似合わずずいぶん無粋な名前を付けるなと思ったが、この名前の由来は実の形で、確かに碁盤の脚と同じ形をしている。

 その名前と形で思い出したのが、
10年位前に他の島に行った時、海岸で面白い形の茶色い実をいくつも拾って家に持って帰ったことがあった。その実はガラス瓶に入れられてまだあるが、ようやくこの実がゴバンノアシの樹の実だったと判明。

 この樹は実を海に落として遠くに漂着させて増えるらしいが、フィリピンでは珍しくなくても沖縄では絶滅危惧種にリスト・アップされた貴重な樹に入るが、フィリピンでは邪魔となれば簡単に伐って薪にされてしまう樹である。

 砂浜に落ちた花と書いているが、正確には雄蕊であって、写真の花の先に白く見える物が花弁で樹に咲いている様子を見ると
4枚の花弁に包まれているのが分かる。

 この花は芳香を持つというが朝方だったためか匂いは感じなかった。夜に来ればその芳香が砂浜に漂っているのかと思い、今度は夜に訪れてみようと思っている。


 
author:cebushima, category:閑話休題2013年7月, 18:44
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