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12月18日(火) 晴れたり曇ったり、風弱し 閑話休題 《 また選挙の話だが『私が最も興味を引いた候補者』 》
 20113月、日本の最高裁は前回衆議院選挙を『違憲状態』との判決を下した。違憲状態などと回りくどい表現を使っているが明らかに『違憲』と言い切らない所に、政治に擦り寄る最高裁の立場を感じる。

 この判決は『一票の格差』で、地域によって1票に差があって、前回選挙は2.3倍違っていた。簡単にいえばだれでも平等な1票が半分の価値しかないということで、都市部の有権者がこれに当たり、判決後立法府の国会が是正を図ったかというと、全くの無視、憲法違反のまま今回の解散、選挙を行った。

 今回の選挙ではこの差が更に開いて、2.43倍となり、弁護士グループが『選挙無効』を昨日訴えている。

 この問題で一番インチキをやった国会は違憲になると分かりつつ現行区割りで選挙をやったから、判決の行方に注目が集まるが、日本の場合、司法が立法府を裁くなど憲法上の建前であって、又もや奥歯に物が挟まった判決が出て、有耶無耶にされると予想される。

 こういった選挙区割りは利害関係者である議員自身にやらせるから、何にも進展しないのであって、議会から独立した選挙制度全般を見直す恒常的な組織を作った方が良く、自動的に人口動態に応じて改定すれば良いだけの話。

 また、現行選挙区というものが全く古く、江戸時代の封建体制で作られた領地と変わらず、地方偏重、都市部軽視の1票の格差を生んでいる。現実に都市部に人口が集中しているのだから、人口過疎地は県別など止めてブロックにするなどをしないと、永遠に1票の格差は直せない。

 フィリピンの場合、区割りは1選挙区人口25万人当たり1人の下院議員という規定があって、面白いことに議員総定員数は300何人だったが、まだ定員には満たなく、順次人口に応じて増やすという方式を取っている。今の所、議席数が減ることはないから議員連中もあまりいじる気はないようだが、その内総定員を増やせと言い出すだろう。

 さて、表題に戻るが私が『オヤッ』と感じた今回の候補者は、1500人以上いた中で最高齢94歳の人物である。この人物は埼玉12区で立候補、選挙区は熊谷、行田、加須、羽生、鴻巣といった埼玉の深部で首都圏通勤者は多いが、伝統的に保守地盤である。

 12
区で今回当選したのは自民の新人36歳で65989票、以下無所属、民主、みんな、共産と続き、94歳の候補者は2169票の最下位で、得票率で見ると当選者は32%、94歳は1.1%だった。この94歳、年齢もさることながらその主張が良い。

 この人物、戦争中は中国戦線で7年間従軍、その時の体験から最近の日本の好戦的雰囲気、自民党の安倍や維新の石原の極右が伸長する状況に我慢が出来ず、死んだ戦友に済まないと葬式用に蓄えた300万円をつぎ込んで立候補。

 今、私は戦時中の日本軍がフィリピンで何をしていたかを証言で記録した訳書を読んでいるが、皇軍と言われた日本軍の酷さはここで述べるまでもなく、相当酷い。こういった日本の従軍していた当事者はほとんど鬼籍に入り、所業は墓の中に持って行ってしまったから真実解明は難しくなっている。

 従軍慰安婦問題でも同様、大阪の橋下は『証拠がない』などと言っているが、証拠、証言は墓に持って行かれてしまったから、この時期を狙って事実を覆そうと、これは安倍も共通している。海外からこの問題で非難が集まるのは女性の『人権』の問題ととらえているからで、日本はこの観点が抜けている。

 さて、94歳の候補者、最初から当選は出来ないと述べているが2169票を集めて何と思っているだろうか。100人に1人は共感してくれた事実は残り、ドン・キ・ホーテと言うのは容易いが貴重な候補者だった。


 
author:cebushima, category:閑話休題2012年12月, 20:47
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