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12月14日(金) 晴れ時々曇り、微風 閑話休題 《 SF小説 『八月の博物館』の話から 》
 先日読み終わった本に『八月の博物館』瀬名秀明著がある。この作者は薬学の博士課程を修了していて、在学中に書いた『パラサイト・イヴ』で第2回ホラー小説大賞を受賞したSF畑の作家で、今回読んだ本は知っていて買ったのではなく、日本で105円の古本だった。

 1600
円もするハードカバーなのにたった105円とは酷い感じもするが、逆に105円だから手が伸びたことにもなる。

 『八月の博物館』はやはりSF仕立てで、小学生が突然林の中に現れた博物館での夏休み中の体験を書いている。

 特にエジプトの古代神話、考古学、発掘調査、100年以上前のパリの万国博などを織り交ぜて、私はあまりSF物を読まないが楽しめた。

 夏休みと博物館という言葉を組み合わせると、脳裏に何とも言えないイメージが浮かび上がってくるが、写真は東京・上野にある国立科学博物館で、建物正面は昔と変わっていなくて懐かしい。

 左の方に大きなオブジェのような物が見えるが、これは『鯨』の実物大模型で、以前はこの辺りに白っぽい鯨の骨格標本が陳列されていた記憶がある。

 この時は『久しぶりに行って見るか』で入場したが、特別展をやっていて確か交通機関の変遷を展示していて、その昔黎明期の飛行機や国産自動車など展示、解説されていた。ゼロ戦もあって、以前は裏の方に天井から吊るされていたような記憶があり、今回しみじみと眺めてみると、靖国神社にあるゼロ戦の方がはるかに程度は良いのが分かる。

 本館の方の展示方法は変わったが、館内の造りは昔通りでやはり懐かしかった。この中に『フーコーの振り子』があり、『八月の博物館』でもフーコーの振り子がたてるブゥーンという音を導入部に巧みに書いてあったが、実際の振り子は音などはたてない。

 『フーコーの振り子』とは1851年、フランス人物理学者レオン・フーコー(1819-1868)が地球の自転を証明するために作った実験装置で、科学博物館では何度も見てはいるがそういうものかという程度だった。しかし、160年以上前の人々はビックリしたのではないか。

 今回科学博物館の装置を調べてみると49.6kgのステンレス球を長さ19.5mのステンレス線で釣ってあるとあった。子どもの頃見たのは黒っぽかったからステンレス製ではなく鉄製だったような気がする。この実験装置日本には40カ所位あるそうだが、博物館、学校は当然としても、東京ディズニーシーにもあるというのは少し不思議だった。

 今の博物館は展示技術が進み、ヴィジュアル化も上手くなって見せるコツを掴んでいるようだが、子どもの頃の何だかおどろおどろしい雰囲気はなくなってしまった。さいたま市大宮に鉄道博物館があって、先年ようやく見学できたが、その昔の万世橋にあった旧交通博物館のゆったりさ、おもちゃ箱のようなゴチャゴチャさは消えていて、旧交通博物館を懐かしんだものだった。

 この写真を撮った時刻は午後4時半過ぎ、師走の日は短くて既に博物館には灯りが点り、建物そのものが古き時代の博物館の雰囲気を醸し出している。


author:cebushima, category:閑話休題2012年12月, 20:55
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