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へそ曲がりセブ島暮らし2020年 その(27) ようやく終わった安倍政治って何だったのか

 二人羽織で7年8ヶ月もの長きに渡って首相の座に居座っていた『安倍晋三』がようやく辞めたが、コロナ対策で自分の無策ぶり、頭の悪さをようやく自覚して2度目の投げ出しと見て良い。

 

【利権で繋がる地方組織の強い自民党 福島市にて】

 

 その後任が二人羽織で政権を牛耳っていた『菅』で、しかも菅は安倍政治の継承を掲げて猿芝居以下の総裁選挙で選ばれ、自動的に99代目の首相になったが、苦労人とマスコミは持ち上げているが腹黒い人物の印象は拭えない。

 

 菅は醜聞塗れの安倍の防波堤役をしていたが、安倍は後継には総裁選挙で次点となった『岸田』に禅譲するつもりであったが、菅に流れて行ったのは安倍の弱みを菅が握っていて、それで仕方なく菅にしたという真しやかな噂があり、いかにもという感じはする。

 菅内閣が発足直後の世論調査で、前政権の安倍内閣が発足した時より高い65%という数字が出て自民党はしてやったりと湧いているらしいが、調査そのものの正確性にはどうも疑問が強い。

 

これは安倍が辞任直後の世論調査で、安倍政治を評価する割合が異常なほど跳ね上がったことと同じで、変だなと思って設問内容を見たら、『評価する』と『どちらかというと評価』、『評価しない』の三項目の答えしかなかった。

 

『どちらかというと』の設問が曲者で、これは都合良く評価する方へ導くようになっていて、普通の答えなら『分からない』という項目を入れるはずで、三択の内二択が安倍に有利な数字が出るようになっていて八百長臭い。

 

 この調査は毎日新聞のものだが、安倍に批判的な姿勢の毎日がこういうトリッキーな調査をするとは先が思いやられるし、安倍の評価が高かったのは病気を理由の辞任で、仕方がないなと思いながら同情があったのではないか。

 ということで、世論調査でもっともらしい数字が出ても、鵜呑みには出来ないことの一例であり、以前にも書いたが学生時代に商品関係の世論調査のアルバイトをしたことがあり、その時、面倒臭そうな設問は適当にこちらが書くこともあった。

 

 そういえば最近、フジ産経グループの世論調査で水増しが発覚したが、そういうことは特異ではないと知る必要があり、世論調査のいかにも客観的な数字が出されても疑う姿勢も必要であり、でないと世論調査の数字で政治をしていたといわれる安倍政治及びその亜流の術中にはまることになる。

 

 安倍の在職中は、普通なら内閣総辞職に繋がる疑獄事件はいくつもあったが、どういう訳か追及は弱く、これは野党が弱いのも勿論だが、安倍政権がマスコミを上手に取り込んで懐柔していたことと関係があり、特に政治部の上層連中に対する掌握は巧妙であった。

 

 記者会見など丸っきりの出来レースで、今の新聞記者というのは本当に頭の悪い連中しかならないのかと思わせる質問しか出ず、何よりもどの記者も下を向いてパソコンに打ち込むのに一生懸命で、それであったら何も会見に出ないでテレビ中継を見ながらパソコンを打っていれば良く、全くお粗末な連中である。

 

 会見というのは相手の顔を見て、話していることが真実なのかどうか文字通り顔色を見て分かるもので、あのように下を向いていては政府の発表をそのまま記録しているようなもので、記者に必要な洞察、観察力が減退し、そのためマスコミは政府の広報機関に堕してしまったのではないか。

 

 安倍政権が長期間保ったのは、時のマスコミの連中という指摘が後世から必ずあると思われるが、菅になったら早くもよいしょするマスコミばかりで『木鐸』などという言葉は死語に近いようだ。

 

 安倍の評価というのは辞めたばかりでどうのこうのというのも早く、政治家の評価というのは後世の人間が定めるものだが、その評価の基となる資料を安倍は隠蔽、改竄、記録しないなどやりたい放題であった。

 

 中国では世が変わると後継の代が前代の歴史を記録し、それが中国数千年の歴史でもあり誇りであったが、その基は記録文書であり、勿論都合良い選択、解釈は付きものであったが、今の中国共産党国家は歴史をどう記録するのか分からないが連綿と続いている。

 

 その文書をいとも簡単にシュレッダーにかけたなどと平気で国会答弁しているから、いかに安倍以下の今の連中は歴史を軽んじ、無責任であることが分かり、資料としてあらゆるものを残して、その整理、解釈は後世の者が行うという歴史の流れを断ち切る連中は無知といっても良いだろう。

 

 例えば『桜を観る会』疑惑で、招待者の記録は何もないと言い張っていたが、毎年毎年、担当役人がリストを最初から作成するなどあり得なく、役人の習性として前年の記録を参考にして新たに修正あるいは加えて新リストを作るから、役人のパソコンを調べれば安倍のいっていることは嘘というのはすぐに分かる。

 

 安倍は常に人の書いた答弁、原稿を読んでいたように自分の頭で考えることは苦手で、大手広告代理店の広告戦略に乗って発言していたが、これは政治屋家業三代目としてはそれに乗るしかなかったが、そういう人物を頭にしていたのは国民の方にも問題はある。

 

 といっても、自民党政権が盤石なのはいわゆる鉄板支持層があることで、この支持層、国民の20%程度しかないのに毎回選挙で勝っている不思議さだが、これはアメリカの下種なトランプも全く同じで、やはり鉄板支持層だけに的を絞って選挙運動をやっている。

 

 『国民の総意』という言葉が空しく聞こえる現象で、安倍はトランプ一の友人などと自慢しているが、ただのゴルフ友達であっただけで、両者とも鉄板支持層頼りということは共通していて、その点では気が合ったのであろう。

 

 空虚な掛け声だけ、大仰なキャッチフレーズと誇大広告で終始した安倍政治は終わったが、その次の菅は安倍より上手の策士だからこれから何が飛び出て来るか分からないが、嘘は嘘といえる世の中に戻って欲しいものだ。

 


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2020, 21:15
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