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空想旅行記2020 第1回 『特急を中心に廻る日本一周 鉄道の旅』 12日目=高知⇒阿波池田⇒徳島⇒高松⇒岡山⇒名古屋⇒塩尻⇒岡谷

【本日は特急4本に乗車して信州まで】

 

【写真−1 画一的な駅ビルにしなかったのは良かった】

 

 12日目は四国の南側にある高知から徳島、高松経由で岡山へ戻り、新幹線で名古屋に出て、そこで中央本線に乗り換えて長野の岡谷まで行く、かなり強硬な日程。乗り継ぐ特急は新幹線を含めれば5本、その他に快速1本、普通1本が入っていて最後の岡谷駅着は夕方6時過ぎの予定。

 

 写真−1の高知駅、なかなかスッキリしたデザインで、アーチ状の大屋根は地元産の杉とチタン亜鉛合金で造られ2008年竣工の3代目。内藤廣の設計で、内藤は2011年に旭川駅、2016年に高山駅を設計している。

 

【写真−2 四国の海を象徴する青色のラインがポイント】

 

 高知駅から7:00発岡山行き写真−2の特急『南風4号』に乗るが、そのまま真っ直ぐ岡山に向かわず、徳島に足を伸ばすために阿波池田駅で徳島行きの特急『剣山4号』に乗り換える。特急『南風4号』に使われている車両は『2000系』気動車で3両編成でグリーン席は後部にあり最高時速120キロ。

 

 阿波池田といえば高校野球の『池田高校』が記憶に残る。県立の同校は1974年春の甲子園第46回選抜大会で準優勝この時はたった11人の部員で並み居る野球学校を破って話題になった。

 

その後1982年春夏の大会で連続優勝し、1983年春に勝てば史上初の甲子園春夏春の連覇となったが、桑田、清原を擁する全国一の野球学校のPL学園に準決勝で敗れた。そのPLも野球部は消滅という時代を迎えて『栄枯盛衰』を感じさせた。

 

【四国山地を横切って吉野川の流れる徳島平野へ】

 

【写真−3 こちらの車両も青色がポイント】

 

 四国山地を横断した特急『南風4号』は8:13に阿波池田駅に到着。写真−3は阿波池田駅発8:33の徳島行き特急『剣山4号』。グリーン席のない車両は『185系』で、塗られている色は『四国色』と銘打っているが、徳島の藍染の『藍色』なら分かるが、四国の色自体は良く分からず。

 

 特急名の剣山は路線右側山地に聳えるのは徳島県で一番高い標高1954mの『剣山(つるぎさん)』に因み、四国の最高峰は愛媛県にある写真−4の標高1972mの『石鎚山』だが、四国の山は山岳信仰と深い関係がある。

 

【写真−4 石鎚山の岩場は鎖になるが登山自体はケーブルカーもあって容易】

 

 特急『剣山4号』は吉野川沿いの平地を走るが、この沿線は『撫養街道』という古い道が遍路道として徳島から伸び、四国八十八ヶ所巡りの札所が連なり、2017年春の四国遍路旅では1番札所から巡った道でもある。

 

 高知から土讃線で阿波池田駅に出て、阿波池田駅から徳島線に入る。徳島線の起点は阿波池田駅の隣の駅、佃駅から徳島駅1つ手前の佐古駅までの67.5キロだが、実質的には阿波池田駅−徳島駅間で運行されている。

 

【四国からまた瀬戸内海を渡って本州へ】

 

【写真−5 本当に踊りが好きなんだなと思わせる連の踊り】

 

 阿波池田駅から1時間14分で徳島駅に到着。徳島というと『阿波踊り』で、写真−5は2017年に『阿波踊り会館』で毎晩開催される阿波踊りショーを写したものだが、さすがに本場の『連』による踊りは迫力があり、これが街区で繰り広げられる総踊りはかなり興奮するのは間違いない。

 

 この阿波踊り、運営を巡って市と連が対立して分裂、政争にまで発展し、最近行われた徳島市長選挙では現職が落選するなど大荒れとなった。騒動の教訓から例年のような運営に戻る矢先、コロナ禍で今年は中止と不運なこと甚だしく、踊りが命の人々には酷な流れとなった。

 

【写真−6 先頭車の色の使い方は歌舞伎の隈取のような感じ」】

 

 徳島駅からは10:28発の高徳線を走る写真−6の特急『うずしお10号』に乗車し、高松駅まで。そこで四国−本州間を繋ぐ瀬戸大橋線に乗り換えて、岡山に出、岡山から山陽新幹線で名古屋へ向かうが、やはり新幹線を利用すると移動距離はかなり伸ばせる。

 

 特急『うずしお10号』は2019年製造のJR内でかなり新しいステンレス製車両で、運行開始翌年の2020年には優秀な鉄道車両に与えられるローレル賞を受賞。新しいだけあって車内で無料のWiFiが使え、電子機器用のコンセントを備えるが特急ならそのくらいは当たり前ではないか。

 車体塗装の色遣いは、四国徳島阿波踊り、高知のよさこいの赤、香川の特産オリーブの緑におめでたい金色を配しているが、車体デザインそのものは地味。

 

【木曽路の山の中を列車は進む】

 

【写真−7 ワイドヴュー特急と名乗っている】

 

 高松駅に特急『うずしお10号』は徳島から1時間9分で到着。高松からは瀬戸大橋線の11:40発の快速で岡山に12:32到着。山陽新幹線岡山発13:23の『ひかり472号』に乗り換え名古屋に15:36に到着。なおジャパンレイル・パスは新幹線乗り放題になっているが、『のぞみ』と『みずほ』には乗車出来ない。

 

 名古屋で乗り換えるのは中央本線を走る写真−7の長野行き特急『しなの19号』で、塩尻で下車する。中山道沿いの山の中を走るのでかなり時間はかかるだろうと思っていたら、名古屋から塩尻まで2時間を切る1時間58分しかかからなかった。

 

 写真−7は特急『しなの19号』で、1995年から運行している『JR東海383系』のステンレス製で、この車両も翌年にローレル賞を受賞している。編成は6両で長野方面行きのグリーン車両は先頭になり、インテリアは青色を基調にしている。

 

【写真−8 木曽街道六十九次は広重との合作】

 

 特急『しなの19号』は旧中山道『木曽路』に沿って走るが、旧中山道には69宿が置かれ、木曽地方には11の宿場があり、現在もこれらの宿場町は『重要伝統的建造物群保存地区』として当時の街並みが残る。かつて福島県会津の『大内宿』を訪れた時は、昔そのままの家並みが残っていて驚いたものだが、観光地化してしまい興醒めなところもあった。

 

 写真−8は渓斎英泉の『木曽街道六十九次』の一枚『奈良井』の図だが、奈良井宿は江戸から中山道34番目の宿で、標高900m以上あり木曽11宿の中では一番標高が高く、既に地番的には塩尻市内に入っている。

 

 塩尻駅には17:58分に到着。塩尻から18:05発の普通列車に乗り換えて岡谷まで行って泊まるが、これは翌日朝の岡谷発飯田行きの飯田線普通列車に乗るためで、飯田から豊橋まで特急で抜ける。

 


 

author:cebushima, category:空想旅行記2020 第1回 『特急を中心に廻る日本一周 鉄道の旅』, 19:55
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