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へそ曲がりセブ島暮らし2020年 その(19) 今年になって一度も映画館へ行っていない−『在外邦人は棄民か−10万円支給の話はどうなった』

 アセアン加盟国の中で、新型コロナ・ウィルス感染者を出している国はインドネシアが断トツと思っていたが、とうとうフィリピンが感染者数でインドネシアを抜くという事態になっている。

【写真−1 セブにあるショッピング・モール内の映画館

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月6日現在のフィリピンの感染者数は11万5980人で、インドネシアの同日の感染者数はやはり11万人台、特にフィリピンは連日4000人から5000人の感染者が報告されていて、感染の勢いは明らかにインドネシアを追い超している。

 3月半ばから都市封鎖を始めたフィリピンは、アセアン諸国の中で速い対応であったし、その規制措置も戒厳令並みの厳しさで対処したが、この5ヶ月間効果がなかったようだ。

 もっとも、政府関係者はこの速い防疫体制を講じなかったら、感染者は今の10倍は超えていたと弁明しているが、自分達の失敗を在りもしない数字で誤魔化し正当化しているに過ぎない。

 ただし、為政者ばかりを責めても新型コロナ・ウィルスは防ぎきれないもので、貧困層の下に『最貧困層』があり、しかもその割合は非常に高い社会構造と、フィリピン人に規制を守るという『遵法』精神が欠けているところも、感染が抑えられない要因になっている。

 

 ということで標題に戻すが、日本は入場者を制限すれば再開可能などという状況の中、3月以来の都市封鎖でフィリピンの映画館は全部閉まり、この先も開かれる見込みは全くない。

 

 フィリピンの映画スタイルは、ショッピング・モールの客寄せと一心同体で、写真−1のようにモール内に6館から8館程度の上映場を持つ、シネマ・コンプレックス方式を取っている。

 

 このスタイルがフィリピン中を席巻する前は、単館で上映する映画館がどこにでもあり、小生の近所にも今は倉庫とスーパーになっている元映画館が残っていて、開館している時に観ておけば良かったなとその前を通る度に思う。

 

 もっとも、今でもセブのダウン・タウンに行くと独立系の映画館が残り上映していて、かつてはハリウッド映画の封切りにこの地域まで行っていたが、モールに映画館が出来てからは足は遠のいた。

 

 近くに2つの映画館を持つモールがあって、小さいながら観やすい座席もありちょくちょく出かけていたが、ここも完全封鎖でいつ再開するかどうか全く分からず、どこのモール経営も芳しくない状況の中、このモールも維持出来るのかという瀬戸際にある。

 

 ちょくちょくこの映画館に行ったと書いたが、どうも今年は行っていない気がするから、正に標題通りの『今年になって一度も映画館へ行っていない』になっているし、最後に映画館で観た映画は何だったのか覚えていない状況である。

 

【写真−2 アメリカ版シネマ・パラダイスか】

 

 映画は子どもの時から好きで、家からすぐの所に映画館はあったし、歩いて10分から15分の範囲で日本映画の封切館が何館もあったし、名画座もあったがこれら映画館は全部閉館、駐車場やマンションに変わってしまった。

 

 海外の映画館にも足を運んでいて、ラオスの首都ヴィエンチャンに滞在中には、メコン川を越えてタイのノンカイに出て、そこのショッピング・センターにある映画館でハリウッド映画を観ていたが、全部タイ語に吹き替えられていた。

 

 タイの映画館で何が嫌かというと、上映前にタイ王室讃歌のフィルムが流れ、その時は必ず立たなくてはいけないことで、、これで立たないと不敬罪で逮捕され外国人にも分かるように画面に英語の注意が書いてある。

 

 フィリピンも同じことをやっていて、上映前に国歌を背景に有名俳優たちが演じるフィルムが流れ、やはり席を立つことを強要されるが、最近はただ横着して立たない若者が多くなって、そのためか警備員が起立しているかどうか確認している。

 

 ハワイのホノルルで『スターウォーズ』の映画を観たことがあって、その時は大盛のポップコーンとコーラを持ち込んで鑑賞するスタイルが、いかにもアメリカという印象を受けた。

 

 写真−2は10年以上前にアメリカミネソタ州へ行った時、とある湖畔で見かけた映画館で、何とも趣のある外観だが、いま改めて写真を見ると中には3館あって、何れも夕方からの上映になっていて、ネット時代になってまだこの映画館が在るのかどうかは不明。

 

 思い出すまま各国の映画館体験を書き綴るが、中国に居た時には香港まで日帰りで映画を観に行くことがあって、今でこそ香港の映画館は全面禁煙だがその当時は館内は喫煙自由の映画館も多く、もうもうたる煙で画面が霞んでいた。

 

 その中国、住んでいた広東省にある市内に演劇を中心にする大きな劇場があり、映画を上映し、ある時『007』の映画がかかるので観に行った。場内は満員であったが、ラブシーンの時は場内の観客に息を飲む感じがあって、まだ途上国という中国を感じさせた。

 

【写真−3 この映画館今も残っているだろうか】

 

 中米ホンジュラスの古都『コマヤグア』に住んでいた時、借りていた家と同じ通り100m先に写真−3の映画館があって、週末の夜だけ上映していた。両側の円い壁のある所が劇場で左右に2館あったが、右側は休館し他に貸していた。

 

 館内は400席くらいあるが、一番入ったなと数えた時でも3桁に行くかどうかでこれで営業は大丈夫なのかと心配したが、上映作品はハリウッド物ばかりで、やはり『007』の最新作を観たがスペイン語のスーパー付きがスペイン語圏で観ている感じがする。

 

 そういえば同じ中米のコスタリカへ行った時に、首都の映画館に行ったことを思い出した。この時は『セックス&シティー』の最新作で、今思えば家人と旅行中に良く観る気になったと思うが、映画館と映画を観る雰囲気は万国共通である。

 

 また、思い出したがアフリカ・ザンビアでは何度も映画館に行っていて、映画館の前でブルース・リーといわれて、その真似を気合と共にやったら周りにいた人が飛び退いたのがおかしく、アフリカでは髪の毛が長いと皆、ブルース・リーに見えるらしい。

 

 そこで何を観たのか覚えていないが、雪山のシーンがあって雪など見たことのないアフリカ人が分かるのかと思って後で聞いてみたら、やはり雪というのものは理解していなかった。

 

 と長々と書いてしまい、この内容も以前書いて触れていることだと思うが、早くコロナ禍が終息して映画館が正常に上映出来るようになって欲しいが、世の中が以前のように戻るには2〜3年かかると見る向きもあり、何とも嫌な時代になった。

 

 蛇足で付け加えれば東京オリンピックは当然中止で、その開会式に出ることしか考えていない自民党の安倍など新型コロナ・ウィルス対応を巡って無能さを暴露しているが、どうしてこんな人物が日本の総理大臣をまだ続けていられるのか、不思議な国だ日本は。

 


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2020, 18:55
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