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空想旅行記2020 第1回 『特急を中心に廻る日本一周 鉄道の旅』 7日目=新大阪⇒城崎温泉⇒鳥取⇒益田

【本日は新大阪から山陰側に出て海岸沿いに進む】

 

【写真−1 国土交通省の空撮資料から】

 

 東海道新幹線が開通した時に、大阪駅に乗り入れず『新大阪駅』などという駅を新設した当初は奇異な感じがしたが、その後の山陽新幹線延伸を考えるとこの地に造ったのは正解で、今や新大阪駅は大阪の交通の要衛となり、延伸する北陸新幹線、新規のリニア新幹線もこの駅を発着する。

 

 写真−1は新大阪駅を空から俯瞰したもので、新幹線は横に伸びる路線で、その下の左側は地下鉄の『御堂筋線』で、大阪の梅田駅はここから3駅目。右側の高架下4つの屋根が見える線は『JR京都線』で、本日はここから日本海側に抜けて、山陰海岸沿いに益田まで行く。

 

【写真−2 コウノトリの白を模した車体塗装】

 

 新大阪発8:08、城崎温泉行特急『こうのとり1号』に乗車し、城崎温泉には京都線、宝塚線、福知山線を走って山陰本線に入り10:58に到着予定。写真−2は289系車両を使う特急『こうのとり1号』の車両で、アルミ合金で造られている。

 

 特急の名前の由来は城崎温泉はコウノトリが傷を治していたことで発見したという伝説があり、また豊岡市で、『コウノトリ』の人工繁殖が行われているのに因むが、7両編成でグリーン席は先頭車両のすぐ後ろにある。

 

【城崎温泉街を散策してから鳥取行きの普通列車に乗る】

 

【写真−3 城崎温泉は浴衣姿で歩くのが風景になっている】

 

 特急『こうのとり1号』の終着城崎温泉から普通列車に乗り換えるが、1時間近く時間があるので駅を出て駅前から続く温泉街を歩く。温泉街は柳の植えられた大谿川沿いにあり、ここには外湯が七つあり、写真−3はその内の一つ『一の湯』で、時間があったら入りたい所である。

 

 城崎温泉は作家、文人が多く訪れた温泉だが、中でも知られるのは志賀直哉で、志賀は1913(大正3)年8月に山手線の線路を歩いていて後ろから来た列車に跳ね飛ばされて重傷を負い、療養のために城崎温泉を訪れその体験を基に短編『城の崎にて』を書くが、その時3週間滞在した旅館がまだ営業している。

 

【写真−4 製造以来の車両の色】

 

 城崎温泉駅から鳥取までの山陰本線区間は特急は走っていなくて、城崎温泉発11:56の各駅停車で鳥取へ向かう。この区間の距離は72キロ余だが、鳥取着は13:54と2時間近くかかり文字通り鈍行だが、ゆっくり山陰の景色を見るには最適。

 

 写真−4は鳥取駅で写した各駅停車列車だが、上部に城崎温泉の表示が見える。山陰本線で使われている車両は『キハ40系気動車』で、写真の車両の前面下部に『キハ4784』の表示があり、400番台は北海道で急行に使われた車両で、どうして山陰本線で走っているのか分からないが、1977〜1982年の間に888両製造されたからかなり古い。

 

【トコトコと走って余部鉄橋も通過して鳥取駅に到着】

 

【写真−5 鳥取駅ホームは松江駅と同様2階にある】

 

 城崎温泉駅から鳥取駅間には14駅、6駅目に『餘部駅』があり、この駅は『余部鉄橋』で知られる。『余部鉄橋』は1912(明治45)年に架けられ、2010(平成22)年に新橋開通によってその役割を終えるが、長さ310m、高さ41mの単線鉄橋から日本海を間近に眺める風景は見事で、旧橋は一部分が残され列車はその横を通る。

 

 無人駅が多く、乗車している列車もワンマン車だが、大阪−鳥取間には特急『はまかぜ』が走っていて、こちらの利用も考えたが大阪から姫路に出て、播但線経由で山陰本線に繋がる。しかし、1日3本運行の内、2本は途中止まりで、1本は鳥取着22:30と遅過ぎ、ルートも福知山線回りの方が良い。写真−5は13:54に到着した鳥取駅の改札口。

 

【写真−6 隣に停車するのは米子行き各駅停車】

 

 鳥取駅で15:08発、特急『スーパーまつかぜ7号』に乗り換える。写真−6の右側に停まる列車が『スーパーまつかぜ』で、デザインはスーパーと冠されているのに普通列車風。この特急には新幹線全線乗車の旅で、今回の反対方向になる松江から鳥取まで乗車している。

 

 車両の形式は『キハ187系』で、全線電化のされていない山陰本線を走る気動車(ディーゼル)で、この型は2001〜2003年に26両製造されていて、大馬力のために時間短縮を可能にし、山陰本線から山陽本線へ抜ける特急『いなば』も同型、同色で車体はステンレス製。

 

【鳥取を出た特急は山陰海岸沿い走り益田に到着】

 

【写真−7 乗客は時期にもよるが少ない】

 

 写真−7が特急『スーパーまつかぜ7号』の車内の様子。この特急は4両編成で、1両だけが指定席車両だが、グリーン席は設置されていない。車内の仕様、インテリアの配色など一昔前の特急を思い起こす様な雰囲気。

 

 特急『スーパーまつかぜ7号』は鳥取を出て、倉吉、米子を過ぎて島根県に入り、松江に停まる。新幹線全線乗車の旅では松江駅前のホテルに泊まったなと思い出しながら、一路、山陰海岸沿いに走り19:02、284キロを4時間弱、日の落ちた終点の益田駅に到着し、本日はここ泊まり。

 

【写真−8 益田は雪舟に縁のある街】

 

 松江で泊まった時は、まったくの飛び込みで驚くような安いホテルを見つけたが、益田も同じ様に駅近くのホテルに飛び込み宿泊。こういうスタイルはネットで予約が可能になった時代には過去の物だが、大手検索サイトに登録していないホテルや旅館はたくさんあって、ネット予約だけが全てではなく、ネット予約は面白さが欠ける。

 

 写真−8は益田駅舎で1961(昭和36)年に2代目駅舎として建てられ、既に半世紀以上経ちいかにも地方の主要駅の佇まい。これだけ見ると鄙びた場所に見えるが、写真を撮った反対側は再開発され、11階建てのホテルを含めた大きな複合施設が建っている。

 


 

author:cebushima, category:空想旅行記2020 第1回 『特急を中心に廻る日本一周 鉄道の旅』, 20:10
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