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この一枚2015年 セブ篇 その(26) 一年間の蓄積
 我が家にプラスティックで出来た『熊の貯金箱』があり、そこへ釣銭の残りを適当に入れて一年間貯めることにしている。



 中心はフィリピン硬貨の
5ペソ、10ペソになるが、5ペソというのは例えばレストランなどの駐車場で、警備員が車の誘導をしてもらった時にあげる金額になり、7ペソあればこちらの大衆的な交通手段である相乗りの『ジプ二―』の初乗りが7ペソで、結構遠くまで行ける。

 その貯金箱を開けるのが
12月で、先日開けた。写真はその中に入っていた紙幣になるが、大部分は先の硬貨になり、一年分となると結構重い。

 その結果だが、写真の紙幣が
20501002005001000ペソ各種で計約15千ペソ。

 余談になるが、現在フィリピンは旧紙幣と新紙幣が入り混じって流通していて、旧紙幣は今年末で通用しなくなる。

 ずいぶん強硬なやり方を取っているが、こうでもしないといつまでも旧紙幣が流通してしまうためで、来年一杯は旧紙幣でも銀行へ持ち込めば新紙幣に替えてくれる措置はある。

 また、海外で旧紙幣を持っている場合、紙幣の番号をインターネットで登録しておけば、期間が過ぎても新紙幣に替えてくれる措置もある。

 しかし、そんな面倒臭い事をワザワザやるとは思えないが、それなりに必要と見て決めたのであろう。

 硬貨の方は約
6000ペソ貯まり、併せて22千ペソあった。これは日本円にして6万円を超す程度で驚く金額ではないが、22千ペソというのはフィリピン人の労働者の月収が1万ペソを超えるか超えないかといった現状では、二ヶ月分に相当する。

 言ってみれば日本で毎月給与の二ヶ月分を貯めたことになるから、正に『塵も積もれば山となる』見本のような結果だった。

 さて、このお金の使い道だが、何割かはこちらの福祉施設や教会に寄付をするように決めていて、先日家人がセブ市内で老人を収容している施設に寄付をしてきた。

 教会の方は良く分からないが、私は教会の寄付はいくらでも集まるから、そちらではなくそういった福祉施設の方がずっと役にたつと思っているが、まあ、これは宗教感の違いもあって余計な口は出さない。

 その他、一年間世話になった人へのクリスマス・プレゼントを買い、残った額で年末年始の旅行の足しにすることにしている。

 こういった貯金箱というのは子どもの頃、何度もやった経験を持つが、全部途中で開ける羽目になって貯金箱満杯で開けるという経験はなく、どうも貯蓄する心が弱いと思っていたが、曲がりなりにもセブでは続けられている。


 
author:cebushima, category:この一枚 2015 セブ篇, 18:01
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この一枚2015年 セブ篇 その(25) 韓国の梨
 フィリピンのこの時期、クリスマス・シーズンには日本でいう『お歳暮』を送るような習慣があって、先日セブの知人から梨を一箱もらった。



 この梨、箱の上に『KOREAN PEARS』と書いてあって、韓国産の梨になる。

 フィリピンのような亜熱帯では梨とかリンゴ、柿といった日本で普通にある果樹は育たないためか見たことがない。

 フィリピンも標高の高い山の方へ行けば、こういった果樹類の栽培は可能だと思うが、そういった話を聞いたことがなく、せいぜいミンダナオ島の山奥で『蕎麦』の栽培を試験的にやっている程度である。

 そのため、こういった果物は輸入になるが、多くは中国方面からで、アメリカ産のオレンジやレモンやリンゴ、ニュージーランド産のキーウィなども店頭に並ぶ。

 輸入品だから当然値段は高く、こういった輸入品を食べられる層は少なく、結局売れ残る事が多い。

 我が家の近くのスーパーにもこの手の輸入果物を並べている一角を設けているが、どう見ても売れている感じはなく、何日も置いておくから新鮮さは失い、余計に買う人がいない悪循環に陥っている。

 私が初めてフィリピンに来た頃はリンゴやミカンなどは貴重品で、日本へ帰って持ってくるお土産は何が良いと聞くとリンゴやミカンを希望された時代だった。

 本来、こういった農産物は入国の時、検疫が必要なのだが、担当係官に1個をおすそ分けして
OKという呑気な時代で、五月蠅くなかった。今はスーパーでこの手の果物は溢れているから隔世の感がある。

 さて、写真の梨に戻るが、梨というのは中国大陸原産で、朝鮮半島を経て日本に伝わったらしく、日本書紀にも梨の記述があるが、これは野生種のヤマナシらしく、栽培種として盛んになったのは江戸時代になってかららしい。

 梨で一番生産の多いのは『幸水』で、他に『豊水』があり、この二つの種で
60%以上を日本では産するらしい。

 梨には『
20世紀』という品種も有名だが、この品種は千葉県の松戸で発見、育てられたもので松戸には発祥の地があって、小学生の頃遠足で行った事があった。

 幸水は梨というと思い出す姿形で、この梨を食べる頃は秋の祭り時期で、町内の神輿を担いだり山車を引っ張ると袋菓子と共にこの梨が配られ、梨はリンゴと違って皮ごとは食べられないので前歯で梨の皮を剥きながら身を食べた想い出を持つ。

 祭りといえば子どもの時は他所の町内の神輿を担ぎに行ったくらいで、その時も菓子類をもらうのが楽しみで、同時に『入浴券』をもらった。

 この券は町内の風呂屋に入れる券で、そういった祭り時期には背中に彫り物をした威勢の良い男が何人も汗を流していて、見とれた物だった。

 祭り時期でなくても近所の風呂屋へ行けばこういった彫り物をした人間はいくらでもいて、今のように彫り物を忌避する時代でもなかった。

 今思うと、近所の職人やトビなどを生業にするいわゆる仕事師と呼ばれる人で、ヤクザとはまた別の世界に生きていて、彫り物=ヤクザというのは短絡過ぎる。




author:cebushima, category:この一枚 2015 セブ篇, 18:45
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この一枚2015年 セブ篇 その(24) フィリピンのスーパーのレジ


 フィリピンには『サリサリ・ストア』と呼ぶ、簡単な袋菓子や缶詰などの食べ物や雑貨を売る店がたくさんある。これは自宅の通りに面した部屋を改造して、商品を並べた小店で少しは家計の足しになるように商っているが、ツケで売って踏み倒されたり、自家消費して始めるのも早いが潰れるのも早い。

 しかし、このサリサリは便利な代物でフィリピン全土に何軒くらいあるかこちらの税務署だって把握できない数である事は確かである。こういったサリサリが消費文化の変化で段々危うい状況になっている。

 小売業も大手の寡占化が進んで、いわゆるスーパーが多く出来、このスーパーは何でも一ヶ所で揃う便利さもあって小さな店を駆逐するようになっている。
写真はその中のチェーン・スーパーで、業界の中では高級イメージは持つが、売っている品揃えは他のスーパーとたいして変わらない。

 今はどうかわからないが、この会社はかつてのマルコス独裁政権時代に君臨した『イメルダ』が自分で使う外国の高級化粧品を輸入するために『大株主』だったと言われている。今はそういった政商的な会社ではなくなったようだが、フィリピンの小売業を牛耳る華人系会社になる。

 この会社色々な業務の会社を傘下に持っているが、例えばコーヒーの『スターバックス』のフィリピンでのフランチャイズ権はこの会社が持ち、フィリピン全土に展開している。

 さて、写真に戻るがフィリピンのレジの特徴は、写真にも写っているが袋詰めの店員がレジに付いていることで、それも大概は男になる。人件費の安いフィリピンだから出来ることで、日本のようにレジで支払った後は客が台まで籠ごと運んで自分で詰めるなどまるで別世界。

 私などその習性が残っていて、袋詰め担当が居なかったりモタモタしていると、自分で手を出して詰める始末。別にこんなことはどうってないと思うが、フィリピン人はどんなに混雑しようが絶対と言って良いくらい自分の買った品物には手を出さず、ジッと見ているだけである。

 私から見れば客とは言え横柄、巷間伝わるフィリピン人の持つ『ホスピタリティー』などどこへ行ったかと思い、あれは『神話』だなと感じる。

 また、レジ係もお客をサッサと裁く意識などなく何かの拍子で価格読み取りが滞っても普通の顔で、それに輪をかけて待たされる客の方も成り行き次第で不手際を詰る様子もない。まあ、こういったのは好意的にいえばノンビリ、批判をすれば何も考えていないとなる。

 こういったことが普通に起こるのは『時間が安い』、つまり『時は金なり』がない事から来るものだと思っている。

 このレジの写真で思い出したが、タイのスーパーはレジに品物を客が乗せるのは同じだが、台がベルトになっていて自然とレジに近づくようになっていて、後からの客もすぐに品物を乗せられた。

 また、フィリピンのレジの表示はレジ担当者だけに見え、肝心の客には今一体いくらになっていることが全く分からない。この表示は客に向きを変えることは出来るので私などは直しているが、あまりいい顔をしないようである。

 その点、タイのスーパーはレジ係と客様に
2つの表示があって分かり易い。こんなことは販売業のイロハだと思うが、フィリピンはなぜかこの簡単な仕組みのスーパーはなく、アメリカ直輸入の方式を取り入れるフィリピンだが『まだ勉強が足りない』というのは大袈裟か。

 ただし、タイのスーパーの顧客本位のレジの設計を思うと、タイが途上国を脱して中進国に入ったのが分かるし、レジのお姉さんの対応もフィリピンよりはるかにキビキビしている。


author:cebushima, category:この一枚 2015 セブ篇, 21:10
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