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この一枚2012年 (83) 上野・国立科学博物館のフーコーの振り子


 昨日書いた閑話休題の中にあった『フーコーの振り子』を補足するこの一枚。上野の科学博物館で撮った写真の中にこれがあった。

 その昔の博物館の振り子は階段脇の吹き抜けを利用して球を吊っているのは同じだが、こんなに照明などは整備されていなくて、薄暗く興味を持っていないとただ球がブラブラしている感じだった。

 レオン・フーコーが
1851年、パリのパンテオンの大ドームで公開実験した時は67mのワイヤーと28kgの鉄球を使ったそうだが、時代はナポレオン3世(ボナパルトは叔父になる)で、写真の装置より3倍以上長いワイヤーだから当時としては大がかりな実験だったのだろう。

 この振り子の動きが地球の自転を証明するらしいが、球は対角線上を放物線を描きながら位置を変えて行くが、それと地球の自転とどう関係あるのか良く分からない。

 フーコーは手先が器用な人間だったらしく『ジャイロスコープ』を発明、レンズの鏡面製作法を考え、反射望遠鏡用の鏡を作っている。

 また、光の速度を測定し、
1862年、光の速度を毎秒298kmとしたが、現在の光の速度毎秒299792kmと比べても遜色がなく、コンピューターどころか電気もない時代にこれだけの数値を出したことは称賛に値する。

 フーコーは
49歳で亡くなっているが、もう少し長生きしたらもっと後世に残る発見、発明がなされたかもしれない。 


author:cebushima, category:この一枚2012年, 11:08
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この一枚2012年 (82) Kinilaw=キニラウ


 キニラウというのはフィリピンでは一般的に食べている『酢の物』をいう。

 写真はトビウオのキニラウで、このキニラウはココナツ・ミルクと酢の具合が上手に調和していて最近食べたこの手の中では上物だった。

 キニラウは新鮮な魚なら何でも良く、白身だろうが赤身だろうが、小魚でも構わず作れ、それぞれの味わいを持つ。

 フィリピンではこうやって魚を生で食べる場合は安全の意味もあって酢で締めて食べるが、魚介類を生で平気で食べるのは日本人位と良く言われる。

 最近は中国人などが生の刺身を食べるようになったが、私が住んでいた1990年代の中国では刺身を出しても中国人は誰も手を付けなかったし、ごく少数の興味を持って口に入れる人も『何だこれは』と口から吐き出すことが多かった。

 キニラウをフィリピンの酢の物と書いたが、野菜でも良く例えば日本で『ニガウリ=ゴーヤ』と呼ぶアンパラヤやさつま芋の葉っぱなども酢で味を付けて食べるが、これもキニラウと言っている。

 魚の場合はココナツ・ミルクと天然のココナツ酢、刻んだ生姜、トマト、赤玉ねぎを混ぜて仕上げ、野菜の場合はココナツ・ミルクではなく透明のココナツ酢を使う。

 フィリピンのキニラウと似た物にカリブ海で『セルベッチェ』というのがあり、彼の地に住んだ時に期待を持って食べたが、確かに魚とココナツ・ミルクを使っていても、味付けはケチャップで不味くて、フィリピンのキニラウとは比較にならならず、やはりフィリピンが一番だなと思った次第である。


 
author:cebushima, category:この一枚2012年, 17:30
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この一枚2012年 (81) 1950年代のセブ刑務所


 現在博物館になっている元刑務所へ行ったら、入り口にこの写真が飾ってあった。中央に四角く見える建物が刑務所施設で、撮影時期は1950年代、戦争が終わって間もなくの頃空撮したようだ。

 写真では見えないが左手側に海が広がり、数十年後に埋め立てられ、今のショッピング・モールが出現することになる。

 この写真ではこの辺りは戦時中の米軍による爆撃や艦砲射撃の被害には遭ってないようだが、よく見ると柱だけになった建物がある。

 また、今は住宅やら倉庫が密集した地域になっているが、写真の当時は水溜りが数多く写っている。

 水田のようだがセブ市内は水のない所で違うし、養魚場のような気もするが不明。あと一つセブには昔から塩を作っていた塩田があってそれとも考えられるが、といって海辺には少し距離があるから塩田ではない気もする。

 こういった水溜りが刑務所の周りにあったということは、湿気も多く、蚊も発生しただろうから環境的にはやはり良い場所ではなかったようだ。

 この刑務所、2004年にセブの山の上に新しい刑務所を作って閉鎖、その後2008年に博物館として写真の施設をそのまま利用して再生、今に続く。

 新しい刑務所は山の頂上近くにあって風通しは良く、ここで公開しているのが受刑者による『集団ダンス』。

 今やセブの観光名所で私も2回観ている。まあ、ブラブラ閉じ込めているよりはダンスをさせて発散させようとしているのだろうが、ダンス好きのフィリピン人には向いていて、見事な踊りは何度観ても良いと思う。



author:cebushima, category:この一枚2012年, 17:59
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