- この一枚2011年 (38) ある日の貧困風景
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2011.12.30 Friday
写真は店内から明るい外を撮ったので見にくいが、セブから1時間ほど北に行った町での光景になる。
雨模様の中、遠景右に蝟集する人々は開店前の銀行前に、手前のたたずむ揃いのTシャツ姿、歩道に座り込む人も銀行前の人々と同じになる。
この日はフィリピン政府の進める『貧困削減プラン』の現金支給日に当たり、このように大勢の人々が朝早くから詰めかけている。
世界銀行の拠出金を原資に、貧困家庭に月500ペソ(900円)の現金を支給している事業(数字については確かでない)で、月500ペソ足らずの現金支給がどれほど貧困状態解消に役立つのか評価は分かれている。
しかし、いかにも山の奥から降りてきた定収入のなさそうな人々の姿を見ると、少しは役に立っているのかとも思う。
店内から写真を撮ったと書いたが、この店はフィリピン最大のハンバーガー・チェーンで、外国人には安価と感じてもこの日集まった人々には縁無き贅沢なのかと、思わず安っぽい店内を眺めてしまう。
最近の世論調査でフィリピンの人々は来年に希望を持つと答えたのが95%もの高率となった。これ以上落ちようがないと感じればそういう数字になるのだろうか。
- この一枚2011年 (37) クリスマス直前のカルボン市場
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2011.12.27 Tuesday
クリスマスに使う材料を買いにダウン・タウンにあるカルボンへ行った。ここはセブの台所を預かる市場で、生鮮食料品はここに集められてから市内に流通するから新鮮で安い。
このカルボンも少しずつ整理され、写真の前方奥には台を置いただけの商いをしているが、以前は人がすれ違うのもやっとの路地で、2階建ての小屋が続いていた。私などその2階に隠れ住んだら面白いと思ったものだ。
それが今回取り壊されて広い道になっていた。追い出された人は別の道沿いで市が用意した場所で商いを続けているが、あまり整理された店だと客も寄り付かないのか、以前よりにぎわいを失っている。
写真手前左側は『キャッサバ』『カボチャ』を階段に積み上げて売っているが、いつ行っても同じ場所、同じ物で商売をしている。
その目で見るとどの店も雑然と店を広げているようだが扱う場所と扱う者は同じで、例えば葉物はどこの角、パセリやセロリなどの西菜はどこどこにいるおばちゃんと結構秩序だっている。
クリスマス前のカルボンは人通りがいつも以上多く、この一帯で昔から商いをする福建人主体の中国系商店で買い物をする客でごった返している。店構えは汚くても商い額は大きい中国系商人は、セブの高級住宅地から通ってくるのだろうなと人波に押されながら考えたりする
- この一枚2011年 (36) 競合するガソリン・スタンド
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2011.12.24 Saturday
写真中間、左右にガソリン・スタンドの看板が写り、右がカルテックス、左がシェルになる。カルテックスが1年位前にできたと思ったらシェルがその真ん前に最近できた。
実はこの道路の右手奥に写るビルのたもとには系列は忘れたが昔からのスタンドがあり、カルテックスから距離にして30mくらいしか離れていない。
この道路の昔は農道だったような道でクネクネ曲がっているが、今は幹線道路をつなぐ便利な道となり、交通量が激しい。
連れてホテルが相次いで道沿いに建てられ、飲食店、中古車の販売店なども並ぶ。
さて、スタンドがこのように固まっているのはここだけの話ではなく、日本の場合は認可を受け業界の規制もあるから既存のスタンド前に作るなどは難しいがフィリピンは所によっては隣同士、向かい合わせで作られているのが珍しくない。
この20年間のセブで増えたのは銀行とガソリン・スタンドと質屋であり、スタンドなどこんなに増えて経営は大丈夫かと思ったりする。
こうやって乱立し、新規スタンドの波は衰えないが、販売価格に差があるのかというとほとんどない。
フィリピンの石油業者は上から下まで談合で値段を決めているから価格競争などないといって良い。このカルテルを取り締まれないフィリピン政府もだらしがない。