RSS | ATOM | SEARCH
5月31日(月) 晴れ、軽風 閑話休題 《 セブの駄目を出された看護大学 》
CHED フィリピンにCommission on Higher EducationCHED)と言う政府機関があり、高等教育=大学などを管轄している。

 看護コースを持つ大学は全国に何百もあるが、この内、看護師国家試験の合格率の低い学校が147校もある事がここから公表され、セブ地域では4大学が含まれていた。(写真はCHEDのエンブレム)

 フィリピンでは海外就労の直結コースとして看護師、船員、介護士が人気で、看護師と船員は正規の大学で学び年数は45年かかる。一方、介護士はたった6ヶ月で資格が取れるから各種学校の様な存在である。

 看護師コースを卒業後は国家試験を合格して晴れて看護師と名乗れる。さて、国家試験の合格率を下回る事5年を続けるとCHEDから、看護コース閉鎖を通告される。早い話が結果を出せない大学は切られる。

 ここ数年、フィリピンの大学は看護コースを増設し、どうやって教育する場所や、教育者をそろえるのか危惧されていた。そういう意味では粗製乱造の看護コースは整理されて良い。

 セブで指摘された4つの大学は5,000人も看護学生を抱えるマンモス大学や、私の家の近くにある新設大学で、やはりなと思った。どの大学も政治屋が絡み教育ではなく金儲けで学校を経営している。

 他の大学でも怪しいもので、看護コースを卒業させても国家試験に受かりそうもない人物には受験を差し止めて、自校の合格率をアップさせているのが実態である。

 せっかく看護師の資格を取っても目標の海外就労は出来ず、フィリピンには何万人も(一説には9万人)失業看護師が溢れている。

 医療現場の崩壊が叫ばれている日本から見れば垂涎の国だが、こんな程度の悪い大学から送り出された看護師を信用して良いのか迷う。

セブ島工房ロゴ
author:cebushima, category:閑話休題2010年5月, 09:25
-, trackbacks(0), pookmark
5月30日(日) 曇り、微風 閑話休題 《 『在留日本人の比島戦』を読む 》
在留日本人の比島戦 この本は平成6年(1994)に刊行された。

 筆者は大正元年生れ(1912)、昭和5年(1930)から昭和21年(1946)までフィリピンに居住していた。

 最初はミンダナオ島ダバオに行き、その後ルソン島ラグナ州に移り、現地で敗戦を迎える。

 副題に『フィリピン人との心の交流と戦乱』と書かれているように、戦前の日本人がどのようにフィリピンで仕事をし、どのように生活していたかの一端が書かれている。

 筆者はタガログ語が出来たために、日本軍に徴用されやがて兵役に就いた。負け戦の中、民間人を交えてラグナ湖周辺を逃避する描写はリアルに淡々と描かれている。

 逃避行の道筋には戦わずして倒れた日本兵の白骨が多く、フィリピン中『草生す屍』の無残な戦争だった。

 フィリピンでは部隊が壊滅し、散り散りになった将兵達の逃避行手記は多いが、現地招集を受けた日本人の手記は少なく、その意味では貴重な記述でもある。

 筆者は『大東亜共栄圏』を信じる人物で、フィリピンで日本軍が行った行為についてはほとんど書かれていない。

 筆者が逃避行を続けた地域は軍による大量虐殺が幾つもあった地域で、そこで軍務についた人物が何も知らないように書いている事に不自然さを感じた。それだけ、当時は統制が激しかった事にもなるが。

 この本は戦前にフィリピン中に住んでいた在留邦人の動向を知る上で貴重で、ダバオ、バギオ、マニラ近辺の日本人の手記は多いが、このセブは少ない。

 戦争経験者は鬼籍に入る前に、口を噤まずに真実の記録を残して欲しい。それが死んだ仲間への最後の供養とも思う。


セブ島工房ロゴ
author:cebushima, category:閑話休題2010年5月, 09:49
-, trackbacks(0), pookmark
5月29日(土) 曇り、風なし 閑話休題 《 アメリカン・アイドル決まる 》
クリスタル 第9期『アメリカン・アイドル』最終回が先日行われ、前回は男性同士で最終を争ったが、今回は男女競合となった。

 栄冠はイリノイ州出身男性のLee DeWyze24歳)=リーに輝いた。

 女性はオハイオ州出身のCrystal Bowersox24歳)=クリスタルだった。(写真)

 
昨年は男同士の競合だったので、今年は女性になるかと予想したが外れた。クリスタルは敗れたとは言え、既にシングル盤を出したから芸能人への道を歩み始めた。

 栄冠を勝ち取ったリーが、最初のオーディションを受けたのは20096月で、最終戦までちょうど1年間かかり長い道程でもあった。この間、18回の選考を経たが歌った曲も色々なジャンルで20数曲を数えた。

 リーは今回挑戦するまでの職業は『ペイント・セールスマン』で、普通の人がアイドルになった感じがある。しかし、2007年には自分達のバンドでインディーズのアルバム2枚を出した経歴があり、全くのアマチュアではない。もっともアルバムは売れなかったようであるが。

 一方のクリスタルはシングル・マザーでアイドルと言うには日本的な感覚からは外れる感じだが、アメリカでは構わないのであろう。

 この番組では毎週1人か2人が振り落とされて行くが、最終16人位に残った面々は甲乙つけ難く、既に芸能人としての雰囲気を漂わせていたし、この辺りが一番面白い所だった。

 日本の高校野球で準々決勝進出の16校位の組み合わせに好試合が生まれるのと同じ様なものがあるのだろう。最終選考は全米の投票によるらしいが、どちらも地元は熱狂していた。
セブ島工房ロゴ
author:cebushima, category:閑話休題2010年5月, 08:41
-, trackbacks(0), pookmark