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この一枚2020年 セブ篇 その(2) セブの100円ショップは高級店?

 先日、ある大手ながら余り客の来ないセブ市内のショッピング・モールへ行った。そこにはショッピング・モール開店当時から100円ショップの『ダイソー』がかなり端の方で営業していた。

 

【品揃えが豊富でギッシリ店内を埋めているのも客を呼ぶ要因の一つ】

 

 ところが同ショッピング・モール内に写真の2店目が良い場所で営業していて、実際の営業実績は儲かっているのかどうか良く分からないが、商売としては伸びていることが分かる。

 その店の入り口のガラスにP88と大きく書いてあるがStarting atがミソで、これは最低88ペソから始まるという意味で、88ペソを大きく上回る値段の付いてる商品も目立つが、これは日本でもやっている。

 88ペソというのは、日本円に換算して1ペソ2.2円くらいだから190円を超し200円に近く、ダイソーの100円均一ショップの倍近く、しかもフィリピンと日本の収入格差は8倍から10倍はあって、日本では100均と軽んじられているがフィリピンでは値段から見れば高級な店になる。

 

 例えば日本の最低時給は1時間1000円、地域によっては800円くらいになるが、フィリピンでは余り時給というのは聞かず、日給いくらと地域別に最低賃金が定められている。

 

 フィリピンで一番高い最低賃金を定められているのはマニラ首都圏の一日当たり537ペソで、首都圏から遠くなるとこれより安くなるが、全体的に見れば300ペソ台がやっとという国で、最も貧しい地域のミンダナオ島では280ペソなどという地域もある。

 

 ちなみにセブは今年の1月にようやく400ペソの大台に乗った程度で、これらの最低賃金も非農業部門の最低賃金で、多くの国民が従事する農業部門は少し安くなっていて、土地を持たない農民は食うや食わずの生活となる。

 

 それでも、定職に就き日給あるいは月給で定収入のある方は良くて、フィリピンの失業率は政府発表では20%台(これでも異常に高い)となっているが、これは統計上の操作であって実際の失業率は40〜50%に達しているのではと指摘されている。

 

 実際、小生が初めてフィリピンに来た1980年台半ば、まだマルコス独裁政権が健在であった時期だが、町を歩くと通常なら仕事をしていて良い年齢層がゴロゴロしていて、確かに働いていない人がやたら多いなと感じた。

 

 あれからはフィリピンも仕事の場は増えたが、高い失業率を解消するには至らず、高収入を求めて海外へ働きに出る人材は減らず、そこからの送金で国の経済が回っている構造は改まっていない。

 

 一説にはこの海外送金があるからフィリピンの人は働かなくても生活が出来るともいわれ、政府の調べでは身内が海外で働いている家庭は5世帯に1世帯はあるらしいが、一族から海外就労者あるいはアメリカや日本などの移民を考えると、ほとんどの一族は該当するのではないか。

 

 この海外からの送金額は公式にはフィリピンの国家予算と同じくらいの額だが、実際は公式に出ない額は莫大で闇の中であるが、最近見た資料では海外就労者1人がフィリピンの身内に送金する額は月平均446ドルとあった。

 

 それに対して海外送金を受け取っているフィリピン側の家族の平均月収は175ドルで、ペソに直すと8700ペソとなり、例えばセブでは先の最低賃金を月20日働いたとして8000ペソ程度となり、数字的には近く経済成長著しいといわれるフィリピンだが、内情はかなりカツカツであることが分かる。

 

 そういった収入額から考えるとフィリピンでの88ペソの商品というのは2時間働いた額と近く、表向きは100均形態をとっているがこの手の店は繰り返すがかなり高級な店といっても過言ではない。

 

 他にも商品の均一料金を売り物にする店は続々とフィリピン内には出来ているが、その多くは中国系の資本で商品の値段付けが88ペソと共通し、この88という数字だが、中国人には8という数字は縁起の良い数字になっていてそれにちなんでいるようだ。

 中国人と8の数字で思い出すのは、かなり前になるが中国在住時に隣の香港で車のナンバープレートに数千万円の値段が付けられ、このナンバープレートは8888の8並びであったが、これは中国系のシンガポールも同然で8並びのナンバープレートは法外な値段で取引されている。

 フィリピンで経済を握っている中国系も8並びのナンバープレートを付けているのを見るが、フィリピンはアメリカの影響が強いためか中国系ながら8ではなく7並びのナンバープレートを付ける者も多く、これから数字の縁起などご都合と分かり『イワシの頭も信心から』と変わらず、そんなものに大金をはたく輩は馬鹿としか言いようがない。

 

 話は脱線するがこの88という数字を付けたホテルがマニラ首都圏にあって、2月6日に『売春防止法』違反でホテルが警察の摘発を受け、同容疑で中国人8人が逮捕された。

 

 マニラ首都圏でホテルが売春容疑で摘発されるのは最近続いていて、何れも中国人が大勢逮捕され、今回の安いホテルだけではなく名の通ったホテルでも組織的に売春が行われているのが次々と明るみになっている。

 

 こういった組織犯罪を行うのは中国人、韓国人とフィリピンでは見られていて、『ヤクザ』で知られる日本人は意外と気が小さく、やはり異国で違法商売をする器量と度胸が欠けるのかこういった摘発というのはない。

 

 これに限らず、最近は中国人の犯罪というのがフィリピンでは増えていて、この要因としてオンライン・ギャンブルがフィリピン国内で認められているために、中国大陸向けのギャンブル運営会社がフィリピンには激増し、それに従事する合法、違法の中国人がフィリピンで激増しているためといわれている。

 

 中国人をこれをもって悪者とは思いたくはないが、ギャンブルというのは必ず胴元が儲けるようになっていて、しかも依存する性質であり、その危険性は江戸の昔から『賭場』としてヤクザが仕切っているように危ない世界である。

 ところが日本の安倍自民党が『IR』などと薄めた言葉でギャンブルを含めたリゾート開発を推進しているが、これは大馬鹿のトランプからの圧力という見方があって、それなら最初から『ギャンブル・リゾート』と銘打てば良いのに、ここでもインチキ政権の馬脚が見え世も末である。

 

 さて、88ペソの店の話に戻すが、日本のダイソーもフィリピンのダイソーも品物はほとんどが中国産だが、固定費、人件費の安いフィリピンが倍の値段で日本より高いことも解せない。

 

 こういった例は、最近フィリピンでブームになっている日本式ラーメンの店が、やはり固定費、人件費が安いのにも関わらず日本並みの値段を取っていて、これも味が維持されていればとやかく言うものではないが、どこも値段ほどの味はなく疑似ラーメンといって良いような代物を出している。

 

 さて、フィリピンの100円ショップ、その値段の高さに構わず買う人も多く時間帯によっては店に入るのも大変で、これはともかく品揃えが豊富であることもあるが、客層を見るとやはり貧困層に属する人はほとんど見かけない。

 

 フィリピンは中間層が育って来たといわれ、今ブームになっている日本への観光もこういった層が押し寄せているのだと思うし、日本で一番行きたい場所は100円ショップという話もあるから、フィリピンではこの手の店が伸びる余地はあるようだ。

 


 

author:cebushima, category:この一枚2020年 セブ篇, 19:24
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この一枚2020年 セブ篇 その(1) またシヌログか もうシヌログか

 セブでは毎年1月の第3日曜日にシヌログ(SINULOG)のグランド・パレードが市内の目抜き通りで開催される。

【既存のTシャツを切ったり別の素材を張ったりしてオリジナルを作っている】

 元々は大航海時代のマゼランゆかりのサント・ニーニョ教会の宗教行事で、教会にはマゼランが持ってきたといわれる幼きキリスト像が安置されていて信仰を集めるが、ニーニョというのはスペイン語で子どもを意味する。

 今でも教会に行くとローソク売りの叔母さんが、ローソクを掲げて左右に3歩進んで2歩下がる踊りをするが、この踊りを1980年代になって観光資源として取り入れたのが現在のシヌログで、フィリピン国内で最大級の人を集める祭りになった。

 近年はこの祭りに参加する踊るチームの衣装や踊りが派手になって観光客の目を楽しませるが、小生が初めて見た1990年代初頭のシヌログのパレードはかなり地味で、参加チームとチームの間が間延びしたり、普通の車に乗って通り過ぎるグループもあった。

 やがてイヴェントとしては発展したが、セブのシヌログ・パレードはオリジナルではなく、パナイ島北西部にあるカリボ市で昔から伝わる『アティアティハン』を真似たもので、そのためどちらも似たようなものになっている。

 このセブの集客力の強さを真似て、観光客を呼び込むために同様のいで立ち、構成で何とかフェスティヴァルとフィリピン各地で開催され始め、その土地独特の習俗を現す踊りや扮装は薄れて単なるパフォーマンスの場となっている。

 

 この真似るという行為はフィリピン人は割合当たり前で、儲かるとなればすぐに真似し、例えばサリサリ・ストアといって個人の家が軒先で小商売を始めると、その並びが真似て次々とサリサリ・ストアを開くことが多い。

 

 道によっては2〜3軒置きにサリサリ・ストアがあって、あれで商売が成り立つのかと心配するが、商売品を自家用で消費しまって閉店という例もかなり多く、簡単に始めるから簡単にお終いになるようだ。

 

 そういう意味では何事も慎重、計画を立てて計画通りに物事を進めたい日本人にはこの手の発想は無理で、逆に失敗しても元々と思って行動に移すフィリピン人には腐すよりも見習うことが多いのかも知れない。

 

 祭りの話題に戻すが、どこの国でも伝統的な祭りといってもその発祥はどこかの知恵者の発想で始まったのが多く、それが年月を経て昔からあったような顔をするのが祭りであって、その始まりなど大した意味がなく、いかに浸透して継続されて来たかが重要なのかも知れない。

 

 シヌログを始めとしてこれらフェスティヴァル参加チームは自治体や学校が多く、このチームが優勝を目指して早くから練習を積み重ねて勝ち上がる様子は郷土の誇りでもあり、各チーム間のライヴァル意識はかなり熾烈である。

 娯楽のない地方の自治体では青少年でシヌログにチームを組んで参加することは、青少年対策にもなっているようであるし、元々踊ることに天性の資質のあるフィリピン人には向いていて熱狂する要素は揃っている。

 外国人の眼としてはシヌログも最初は物珍しくて、朝から沿道に待ち構えて写真を撮ったりしたが、それも2〜3回も続けて見学すれば充分で、今ではその喧噪に嫌気がして行く気にもならなくなっている。

 これも参加型の祭りではなくただ見物するだけの祭りであることも関係はあるが、シヌログが年々工夫を凝らして派手になっているにも関わらずマンネリ感が強いこともあるし、見たいならテレビの中継で充分である。

 写真は久し振りに行ったモール内で写しているが、このモールではシヌログもクリスマス・セールに続く商機であり、催事フロアーで大音響の音楽を流しながら大々的にシヌログ関連商品を売っていた。

 写真を見ても分かるようにマネキンの頭に羽根飾りが乗っていて、かつてはこういう羽飾りはパレード参加者以外はあまり見かけなかったが、近年は手を変え品を変えて流行っているのかも知れない。

 

 第3日曜日に行われるグランド・パレードのことを中心に書いたが、シヌログの行事はサント・ニーニョ教会で連日宗教儀式が始まっていて、小生も一度見物に行ったが、各自の家に飾ってあるサント・ニーニョ像をミサの時に掲げて『ヴィバ』と叫ぶ様子は圧巻であった。

 

 そういえば、この幼きサント・ニーニョ像は市内の場所と日時を定めて巡行する時があって、数年前に小生宅の傍にある通りに来たことがあり、人々に混じって通り過ぎるのを眺めた。

 沿道には多くの人々が詰めかけ通過時には熱狂の極みだが、信者でも何でもないただの野次馬の小生としてはガラス・ケースに入れられた像などそれほどありがたい存在と思わないが、そこが宗教たるゆえんでありがたい人にはありがたいのであろう。

 

 祭りが商業的になるのは仕方はないが、2020年に東京で開催されるオリンピックなど建前と本音が見事に乖離していて、今やオリンピック開催は興行の世界であって、こういう興行に国が税金を注ぎ込んでいるからおかしくなる。

 

 サッカーやラグビー、テニスのような世界大会も興行の一貫であり芸能人のコンサートと同じで、それだけ付加価値があるから何年も前からオリンピックのスポンサーに企業が国際オリンピック委員会に巨額の金を払い、コマーシャルを垂れ流している。

 

 特に年が明けてオリンピックまであと何日と表示が声高にいわれるようになって、日本は頭がおかしいのではと思うが、これは戦時中の『大政翼賛』と同じで、少しも日本人は先の敗戦から懲りていないと感じる。

 

 こういう大政翼賛体制で固まる日本で『オリンピックなど止めろ』と叫んだら袋叩き、国賊と言われそうで、そう思わざるを得ない日本の今の在り方が悲しく、悍ましい時代となった。

 


 

author:cebushima, category:この一枚2020年 セブ篇, 18:00
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