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へそ曲がりセブ島暮らし2020年 その(52) 往く2020年 来る2021年

 2020年12月31日(木曜日)、日本でいうなら『大晦日』だが、セブの天気は朝からどんより曇っていて、新しい年を迎える気分は少々薄い。

【写真−1 2020年の大晦日に淹れて飲むコーヒー】

 もっともフィリピンは正月よりもクリスマスの方が年間行事として最大で、初めてフィリピンに来た時、元日から普通に仕事をやっていることに驚いたことがあった。

 ただし、今はフィリピンも労働への意識が変わったため、30日は以前からフィリピンの英雄リサールを記念した『リサール・ディ』で休日、大晦日、元日を休日として3連休になっている。

 クリスマスもイヴの24日、25日のクリスマスが連休となっていて、今年はクリスマス翌日の26日が土曜日なので人によっては12月24日から1月3日までの11日間、日本流にいえば大型連休になる。

 この連休を利用して普通なら帰省するとか旅行に出るが、今年は新型コロナで飛行機を始めとして交通機関が機能せず、否が応でも家に籠らざるを得ない状態となった。

 フィリピンはクリスマス・イヴ夜半からからクリスマスに掛けて派手に花火を打ち上げるが、今年は政府や自治体が花火を厳しく取り締まっているために、当日は散発的に打ち上げる程度で、『ショボい』クリスマス・イヴとなった。

 コロナ禍になる前は『クリスマス戦争』といっても大袈裟でないくらい派手に花火を打ち上げ、その炸裂音と煙で市街が覆われるほどで、それはそれなりにお祝いという感じはした。

 そのため例年花火で死んだとか何人怪我をしたとかが、翌日のトップ・ニュースになっていたが、今年などニュースになっていなくて、この花火騒ぎ大晦日の夜から新年にかけて再び行われる。

 今年はクリスマスの花火の勢いからやはり『ショボい』のではと思うが、規制されれば余計にやりたくなる人も大勢いるから、大晦日の今夜の様子はどうなるかと興味は抱く。

 新型コロナに関して世界は終息どころか収束にも程遠く、変異種が出たと騒いでいるが、元々ウィルスの変異は指摘されていたから驚くに値しないが、変異種に対してアタフタと規制をする政府など当局側の定まらない姿勢の方が問題ではないか。

 2020年がここまで新型コロナ一色になるとはだれも予測しなかったと思うが、フィリピンの感染者数は12月30日現在で479509人、死者は9230人となっていて、1日当たりの感染者数は2000人前後なので今年末で48万人台に達する。

 クリスマスと年末で人々の気は緩み人の移動も増えるであろうから、感染者の発生は止まらず、50万人の大台になるのはそう遠くなく、その先も暗い。

 

【写真−2 2020年の初日の出はマクタン・セブ国際飛行場で見るが御覧の通り】


 それにしても、年初に台湾へ旅行に行った時は新型コロナの世界的蔓延など露とも思わず、4月の日本行きを楽しみにしていたがあれよあれよという間に、世界各国は入国規制を始め、飛行機は飛ばなくなりそのまま年末を迎える事態となった。

 それでもワクチンが開発されて前途に明かりが見えた様になっているが、信頼性の問題でワクチンを接種することを拒む、或いは躊躇する人が結構多数を占めている現状では、すぐに効果が出るかどうかは疑問である。

 このワクチンも接種すれば新型コロナに罹らないなどの情報が流れていて、このワクチンはインフル・ワクチンと同じで、接種しておけば罹患した時に症状が重くなることを防げると正確に伝えるべきで万能ではない。

 ワクチンとか予防薬は本来正常な身体に異物を注入するもので人によっては安全とはいえなく、その点もしっかり当局は啓蒙するべきと思うが、ワクチン開発成功に目が取られて肝心な点が疎かになっている様だ。

 その昔、アフリカに行く前にいくつかワクチンを打ったが、出来ればこの手の異物は打ちたくないと思ったが『黄熱病ワクチン』を打ち、その証明書『イエロー・カード』を持っていないと入国出来ないのでこれは素直に打った。

 

 黄熱病ワクチンは接種後10年は有効とのことだが、その後アフリカに足を運ぶのは現在に至るまでなくて、当の昔に『イエロー・カード』は失効しているが、WHOは2016年から1度接種すれば生涯有効と扱いを変えている。

 その時点で有効期間が切れていても有効とする措置が取られたために、仮に再びアフリカへ行くことがあっても黄熱病ワクチンを接種する必要はないが、『イエロー・カード』などどこにあるか分からないし、もう必要ないと思って捨てたかも知れない。


 その他『狂犬病』『破傷風』のワクチンも打ったが、そんなにいくつものワクチンを同時に打って大丈夫なのかという恐れは強かったし、実際狂犬病ワクチンを打った知人は発熱して寝込んだが、これがワクチンによる副作用なのかと初めて知った。

 予防薬のことだが、アフリカは『マラリア』の猖獗地帯ということで、予防薬の『クロロキン』を毎日服用すれば罹患しないと持参したが、この薬は肝臓を痛める薬害作用が指摘されていて、マラリアは蚊が媒体するので蚊に刺されないようにすれば良いと思って結局飲むことを止めた。

 その結果だが、同地でクロロキンを服用していた人は全員マラリアに罹患し、小生はマラリアに罹らず、これを持って薬の効用云々は出来ないが、予防薬というのも当てにならないことが分かったし、ワクチンに対しても似たような印象を持っている。

 さて、来年2021年はどのような年になるか誰しも思っているだろうが、新型コロナの影響はまだ続くであろうし、人の移動も従前の用には戻らないのではないか。

 

 特に景気に関しては2021年中には復活出来なく、2022年にならないと元の様にならないとの観測が出ている。個人的には交通機関が復活し、人の移動が自由になれば良いと思っているが、新型コロナに人類は確かに闘ってはいても成り行き任せというのが正直なところではないか。

 

 冒頭で大晦日のセブは曇天と書いたが、昼前から陽射しが覗くようになって薄雲りの午後となりそのまま夜に入ったが、時々遠くの方で『パン』と花火の破裂音が聞こえ、禁止されていてもやる奴はやるのだと思いながら静かに2021年の明けるのを待っている、


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2020, 19:45
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へそ曲がりセブ島暮らし2020年 その(51) 2020年 私の選んだ日本10大ニュース

【写真−1 銀座を走った観光バス コロナでこういう光景は消えた】

 

(1) 新型コロナ大流行に油断した日本−

 12月に入って感染者は激増し、現在21万人を超え死者は3200人以上に達している。特に1日当たり3000人後半の罹患者を出し、これは大流行しているフィリピンの3倍近く、以前は日本はフィリピンの4分の1くらいの感染者数であったが今は2分の1に迫り、フィリピンが危険だと逃げ帰った人々は逆に日本は危険と改めざるを得ないであろう。この大流行も政府、自民党の対策後手後手が招いたもので、先の戦争を精神論で突っ走った大本営指導者連中の無能ぶりと重なる。

 

【写真−2 安倍の犯罪を捜査し腰砕けの検察庁を管轄する法務省の旧館】

 

(2) 安倍の長期政権に終止符−

 数々の疑惑にシラを切り通していた安倍も、コロナという強敵には言い訳は通じず降参し政権を放り出さざるを得なかった。結局、この人物は何を政治的にやって来たのか分からず、憲政史上最長の総理大臣というどうでもいいことしか残せなかった。安倍の発想、言葉を聞いていると政治家の教養、知見というものが劣化しているのは明らかで、こういう神輿を担いだこの時代の日本及び日本人というのは後世から強い批判の対象になるのではないか。

 

(3) 経済成長率が戦後最大のマイナスを記録−

 10%近いマイナスになると予測され、正に対コロナによって日本経済はズタズタになった。特に外需頼りの運輸、観光関連業、飲食業など瀕死の状態だが外国人目当ての『ようこそ日本』などと浮かれていた業界も問題はなかったのか。それにしても、救済策として自民党が巨額の税金を垂れ流した『Go To』に便乗、利用した日本人のさもしさも目立った。

 

【写真−3 今はない建て替える必要のなかった旧国立競技場】

 

(4) 2020年東京オリンピックの開催延期−

 コロナで世界中がアタフタしている中、当初の3倍以上になる数兆円を注ぎ込み利権絡みでどうしてもやらなければいけない状態になっている日本は滑稽。日本人はつくづく撤退の出来ない民族だなと思うが、メディアもオリンピックを目指す選手の露出を大きく取り上げ、感動のお涙ちょうだいでコロナ禍でのオリンピック開催を正当化しようとしている。オリンピック選手など芸能人と同じと思えば、その馬鹿さ加減は分かる。

 

【写真−4 こちらは神宮球場】

 

(5) 甲子園の春夏全国大会中止−

 若者の涙に人は弱く、特にスポーツで全力を尽くした後の涙は素直に感動し、その頂点は春夏の甲子園で開催される高校野球であろう。特に最後の夏となった3年生は悔やみ切れない夏となった2020年だが、甲子園に出て来るのは野球学校といわれる高校ばかりで、そう単純に感動している訳には行かない。そういえばこの間あった、高校駅伝で男女共に優勝した高校などケニアからの留学生を走らせた。外国人は排除しろなど毛頭思わないが、勝つためには合法的なら何をやってもいいと風潮が学生スポーツ界には蔓延している。

 

【写真−5 九州新幹線で熊本を通過した時はまさか大被害を受けるとは思わず】

 

(6) 九州豪雨の大被害−

 7月に梅雨前線が活発化し、各地で被害が続出し死者82人を生じた、特に熊本県の死者は64人となったが何れも川の決壊で、毎年どこかの河川が氾濫というニュースが当たり前になった。被害地は過去に何度も洪水に遭い、それなりに対策をしていたであろうが自然の猛威は人間の知恵を遥かに上回った。住宅開発が本来住んではいけない所に及んだことも一因で、先人の戒めを軽んじたことが結局被害を大きくし、これは東北三陸沿岸の度重なる津波被害にも共通している。

 

(7) 大坂なおみが全米オープンで優勝−

 2018年の全米オープンで初優勝して、一躍表舞台に出たが、テニスを知る人でもそれまでは『大坂って誰』という感じであった。2019年には全豪オープンを制覇し、世界ランキング1位に到達するが、その後スランプ続きとなるも今年全米オープンで2度目の優勝。いわゆるハーフの成功物語になったが、優勝するまでは日本の世間の目は冷たく、日本人の黒人への差別感は変わっていない。大坂が試合中に着けていたマスクは日本人にも向けられていることを気が付いた日本人はどれほど居るだろうか。

 

(8) 政府による学術会議候補者の任命拒否−

 学術会議という組織そのものが良く分からなくても、政治権力による学問の自由への介入は明らか。任命拒否理由をはっきり『政府に都合の悪い学者は排除する』といったらどうかと思うが、口が裂けてもいえないであろう。都合が良いのも悪いのも併せ持ち研究されることが学問の自由であって、公安警察を使って全てを支配しようとした安倍、菅、自民党政治の綻びが出た。

 

(9) 東京都知事選選挙で小池が再選−

 今年都知事選があったこと自体記憶から薄れているが、コロナ騒ぎを上手に利用して小池が7割近くの得票率で圧勝。対抗する側は次点の宇都宮健児と3位の山本太郎を併せても2割しか集められず惨敗。再選が決まった時に国政への進出を問われ、言葉を濁した様に本人は女性初の総理大臣に野心満々だが、既に68歳でその芽はないのではないか。小池はメディアの使い方が巧く、コロナ禍では自分はやっている感をアピールしているが実質何もやっていないに等しい。

 

【写真−6 難読駅で有名な奥羽本線の2004年から無人駅の及位駅】

 

(10) 山手線に新駅が開業−

 北海道を始めとしてJR路線の無人駅が続出している中、山手線に1971年の西日暮里駅が出来て以来の新駅が生まれた。駅名が『高輪ゲートウェイ』と何でわざわざ横文字を使ったのかと不評で、今は駅で駅員から切符を買うことはないが、こんな駅名を告げて買うのは誰しもいい難いし、恥ずかしさを感じるのではないか。どうしても横文字を付けたいのなら『JR高輪』が簡単明瞭。

 


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2020, 18:23
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へそ曲がりセブ島暮らし2020年 その(50) 2020年 私の選んだ世界10大ニュース

【写真−1 マスクに手洗いこんな原始的な方法しか守る方法はない】

 

(1) 新型コロナ大流行で世界は恐々−

 2020年がこんな年になるとは誰も思っていなかった。全世界で7800万人以上が感染、死者は171万人を数えるというから第2次世界大戦以来の惨禍といっても過言ではない。この時点で感染者数の多い国順は、アメリカ1820万人死者32万人、インド1000万人死者14万人、ロシア726万人死者18万人で、日本の感染者20万人、フィリピンの46万人など可愛らしいくらいである、流行は2021年も続き、東京オリンピックなど吹き飛ぶのではないか。

 

(2) 大統領選でトランプ落選−

 トランプの様なならず者をようやく駆逐したアメリカを評価する向きは多いが、あんな馬鹿者に投票する人間が投票者の半数に迫る、7000万人を超えたことから、アメリカ型民主主義は試合には勝ったが勝負には負けたといって良い。選挙後の動きでもアメリカ人の劣化を改めて知らしめたが、2021年のトップ・ニュースは『トランプ逮捕』になりそうだし、なって欲しい。

 

【写真−2 香港の大法院(最高裁)の後ろには中国銀行、香港上海銀行が】

 

(3) 中国による香港の自由圧殺−

 トランプに劣らず中国共産党の香港に対する圧政、弾圧は酷いもので、なりふり構わずだが、中国の多数派を占める漢民族の本質はそういう所にあり、それが自慢する『中国4000年の歴史』を作っている。それにしても、あれほど盛り上がった香港の運動はどこへ行ったのかと思うが、利に敏い広東人の本質が出たのであろう。それでも世界中で声を挙げ続けないと香港の自由は死に至るが、この点でも日本の政府は本当に駄目な見本。

 

(4) 核兵器禁止条約の発効−

 唯一の被爆国なのに全く核兵器に対して鈍感な日本の政府と国民。日本は反対票を投じる無様さでいつまでも被害者面するなと批判される始末。こういった条約は署名と批准は別物で、50ヶ国の批准が成されないと発効しないが、10月にホンジュラスが50ヶ国目となって2021年1月に発効する。しかし核保有国は全て無視だからこの条約も看板だけとなりそうだが、始めの一歩であることは間違いなく、希望は繋がる。

 

(5) 株式市場の異常な高騰−

 コロナ禍で世界の国は経済成長はマイナスとなり、ほとんどの業種も影響を受けている。こういった経済状況なら景気の動きに敏感であるはずの株式がどういう訳か高騰して、アメリカでは3万ドルに達し、日本もバブル以来の高値を回復した。この様に経済原則とかけ離れた高騰は自滅行為だが、コロナは少数の資産家が肥る構造を明らかにしたが、投機資本主義の終焉を予感させる。

 

(6) 世界食糧計画にノーベル平和賞−

 ノーベル賞もロビー活動で決まるというのは昔からいわれているが、特に平和賞はその動きが露骨で、名誉欲にかられた政治家連中が毎回蠢いている。今年は国連機関の受賞となったが、こういう大組織に贈るというのは当たり前過ぎて、もう少し知恵を絞ったらどうかと選考側に物申したい。

 

【写真−3 この人々が時代遅れの王室を支えている バンコクの寺院にて】

 

(7) タイの王政批判デモ−

 王室に対する『不敬罪』があるためか、タイ国民の王室への畏敬感は少々異常ではないかとタイへ行く度に思っていたが、新国王になった人物の尋常ならざる人間性から若者を中心に王室批判が噴出し、以前では考えられなかったデモが発生。根本は王室、軍など既存勢力との闘いであり道は険しい。

 

(8) 中国の経済侵略への反発−

 好むと好まざると中国の世界経済への影響は大きいことは事実で、嫌中だとか反中などといっていられる時代ではない。しかし、中国の一党独裁体制は奇形であり、経済発展を巧妙に絡めた新帝国主義といっても良い新興国への経済支配が活発。特に『一帯一路』政策は要注意だが、党と企業が組んで進めているから強いといえば強く、自滅を待つしかないのだろうか。日本など中国を知り、アメリカの仲間と遇されているから両者の間で上手に立ち回れる立場と思うが、政財界は腰砕けの風見鶏で、これでは両方の国から馬鹿にされる。

 

(9) ロシア・プーチンの永久独裁化−

 全くしぶとい人物だが、プーチンに限らず、アメリカのトランプ、中国の習、そして日本の安倍と独裁、権力の強化が目立った。アメリカはまだ選挙が機能しているからトランプを追い落とすことは出来たが、プーチンなどはインチキ選挙で正当化を図り、とうとう死ぬまで最高権力者に居座れる様になった。中国の習は元々選挙のない国だから談合、権力闘争で成り上がって君臨するが、どのような強力な王朝も必ず滅ぶのが中国4000年の歴史でもある。

 

(10) レバノン・ベイルート港での大爆発−

 

 こういことがあるという見本のような爆発事故にはビックリした。8月4日午後6時過ぎ、港の倉庫に保管されていた硝酸アンモニウム2750トンに溶接の火花が引火して爆発。死者203人、負傷者6500人以上を数え、30万人以上が家屋の損壊など大被害を受けた。広島の原爆の10分の1の爆発力があったと推定され、核爆弾以外では史上最大の爆発といわれている。6年間も危険物を保管していた当局に批判が集まり、その後内閣総辞職に発展するが、一時は反政府組織の犯行ではないかとの観測も出たが考え過ぎ。

 


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2020, 20:12
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