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この一枚2019年 セブ篇 その(3) 爆発的に普及したオートバイ

 ここ5、6年くらいの間に、セブにオートバイが増えた。これはセブに限らず、フィリピン中にオートバイは増え続けていて、オートバイ販売店や関連部品を売る店はどんな小さな町に行っても必ずあり、いわば特需が続き、その勢いは止まっていない。

【密輸のオートバイも多いし無免許運転も多い】

 写真は近くにあるショッピング・モールの駐車場の様子で、モール正面の好位置、数少ないオー プン・スペースの車用の駐車スペースであったが、激増するオートバイのために専用に転換された。

 写真では綺麗に一定方向と列に並んで見えるが、これは専任の係が整理している為であって、利用者任せになったらフィリピン人は好き勝手に停めて当たり前で、たちどころにグチャグチャになってしまう。

 オートバイは人の手で整理できるが車となるとお手上げで、広い駐車場で白線が描かれているのに無視、あるいは線に寄り過ぎ、斜めとあまり他の車が停める場合どうなるかなど全く気にしていない。

 こういう野放図な駐車方法を見ていると、日本の駐車場付きの店で縦横きっちり、しかも車同士の間隔はかなり狭い駐車が普通で神業さえ感じるが、空いている場所にどう停めようが勝手だろうというフィリピン流も慣れれば悪くはないが。

 ただし、勝手だろうという根底には駐車技術が下手の裏返しであって、例えば『縦列駐車』ができるフィリピン人は珍しく、道路上の駐車で前後に充分間があってもまず駐車をする人は少ない。

 その隙間を狙って小生などは縦列駐車をするが、そういう意味では日本の教習所で丁寧に駐車の要領を教えてくれたのが生きて役に立っているが、日本人的なせせこましさ根性を見せつけているのかも知れない。

 さて、フィリピンでオートバイが普及した理由だが、分割払いの制度が整ったことと関係が深いのではと思う。30年近く前にヤマハのオフロード・バイクをセブで買ったが、その頃は現金払いでしか買えなくて、分割払いなど全くなかった。

 分割払いが普及しなかったのはやはり『信用』の問題があって、踏み倒されることを警戒したためだが、今は分割払いを扱う金融会社がしっかり管理、運用しているからこの面では進歩した。

 また、居住エリアが郊外に延び、その交通費の負担が馬鹿にならなくなり、オートバイを買った方が経済的、しかも休日には一家の遠出の足にもなるというのも売れ行きに輪をかけた。

 それと、安い中国製のオートバイが大量に入ってきたことも関係があって、先年住んだラオスでも中国製のオートバイが国内に入って来てからブームが始まったらしく、ラオスでは中国製は日本製のオートバイ価格の半値で売られたというから確かに爆発的に普及する。

 

 ただし、交通ルールなどあってもないようなラオスだから地方に行くと子どもが乗り回しているし、都市部でもブレーキの利かない整備不良のオートバイが山ほど走っていて、正面から来るオートバイが必ず停止してくれると思っていると大変な目に遭う。


 フィリピンはラオスほどは価格差は付いていないと思うが、オートバイのメーカーを見ると、ホンダ、ヤマハ、カワサキと日本のメーカーが中国製より高いのに限らずかなり目にする。実際、聞いてみると日本のメーカーへの信頼度は高く『買うんだったらホンダかヤマハなどの日本製』という人がほとんどで、これはラオスでも同じであった。

 買い易くなったオートバイとはいえ、まだまだ高額商品であることは変わらず、収入の低い層が一石二鳥として始めたのが『ハバルハバル』商売で、これはいわゆるバイクタクシーで、昔からフィリピンの地方に行くと交通手段の一つとして使われていた。

 

 本来地方の交通不便な場所で走っていたハバルハバルだが、近年になって都市部で商売をするようになって、小生宅の近所にもそのバイクの溜まり場がある。

 

 これは地獄的で解決には遠い都市部の交通渋滞を利用した商売で、オートバイなら渋滞している車の隙間を縫って走れるため目的地には行くには最適と、ジプニー利用者が続々と乗り換えていて、大都市部には団体組織まで立ち上がっている。

 今風だなと思うのは、白タク業務の『グラブ』と同じようにスマホで呼び寄せることが出来、まさにバイク・タクシーそのものという感じになっているから便利になっている。

 このバイク・タクシーで思い出すのは先年ミンダナオ島へ行った時に、いつものようにタクシーで空港へ向かったが、その日はどういう訳か道という道が渋滞で全く車が動かなく、裏道も同じであった。

 

 そこでバイク・タクシーの溜まり場でタクシーからバイク・タクシーに乗り換えて空港に向かうが、こんな道があったのかなという道をクネクネ走って、ようやく車で埋まってしまった地域を脱出。

 

 ギリギリの時間に空港へ滑り込んでチェック・イン・カウンターに向かうが、既に窓口は閉鎖されていて万事休すかと思ったら、飛行機の出発が遅れていてどうにか搭乗券を手にすることが出来た。

 

 このように渋滞の時は図体の大きな4輪車は障害物でしかないが、オートバイはそのフット・ワークの良さで時には重宝するが、事故を起こせば死傷に直結するのがオートバイで、気を付けて運転してくれよと思うが、フィリピンのオートバイ運転手は『自殺を志願』しているのではないかと思うくらい乱暴な運転がまかり通っている。

 

 特に、センター・ラインを大きく超え堂々とオートバイを走らすのは当たり前で、長々と次から次へと続くその光景にはゾッとするが、考えてみれば小生がオートバイに乗っている時は車は危ないと思ったが、車を運転すると逆にオートバイは危ないと思うから、どっちもどっちか。

 


 

author:cebushima, category:この一枚2019年 セブ篇, 21:02
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この一枚2019年 セブ篇 その(2) バブル状態の続くセブのコンドミニアム

 アセアン加盟国の中でGDP成長率が年間6%台と、高成長率を示しているフィリピンは、経済にまつわる事柄は右肩上がりの様相を呈しているが、相変わらず貧困層というのは減る気配はない。

【写真−1】

 それでも、貧困層と富裕層の間に存在する中間層が増加しているのは事実で、この層と海外からの莫大な送金がフィリピンの消費を支えていて、車や不動産の売れ行きに影響を与えている。

 写真−1の遠くに見える左側のビル2棟はセブ市に隣接するマンダウエ市で建設中のコンドミニアムの様子で、40階くらいの高さになるが躯体の方は終わりに近づいている。

 この建設場所は同市の埋め立て地で、写真を撮った駐車場のある場所も埋め立て地に造られたショッピング・モールで、駐車場とこちらのモールの間には左にマクタン島、右にセブ市内へ行く幹線道路が延びている。

 コンドミニアムの前は海に臨んでいて眺望は良いが、その海は生活排水が流れ込む海面で、他の島へ行く客船の桟橋もあってセブの綺麗な海を想像したらがっかりする環境である。

 この埋め立て地まだ空き地は見えるが、近年開発が進んで、写真には写っていないが左の方には20数階建てのホテルが最近開業していて、1泊の値段が100ドル程度とあるからセブでは中級の上といったレベルになる。

 

 ホテルといえばセブはホテル開業ラッシュで、写真を撮った背中側にも中級のホテルが2軒開業していて、こういう場所に誰が泊まるのかと思っていたら、市の営業許可を取っていないということで最近閉鎖命令が出た。

 営業してしまっているのに閉鎖命令が出るというのは不思議な話だが、フィリピンでは珍しくなく許可を出す行政側の怠慢と営業する側の癒着で、手続きが正規に行われていないことは多い。

 これが贈収賄を伴う汚職の元凶にもなっているのだが、一向に改まらずセブ市でも最近質屋のチェーン店が閉鎖命令を受けていて、水商売関係などの店は違法に営業しているのが多いといわれている。

 さて、写真−1に戻すが、こういったコンドミニアムの売れ行きは好調と伝えられ、開発業者は増収増益の決算を発表していて、一戸建て開発業者を含めてこの手の業界の鼻息は荒い。

 

 コンドミニアムを購入する層は中間層と先述したが、例えばワン・ルーム型の部屋だと場所にもよるが200万ペソ未満で販売していて、これは日本円で400万円を切るから日本的感覚ならそう高くは感じない。

 しかし、フィリピンの日給が日本の時給と同じである経済格差を考えると、400万×8倍=3200万円くらいにフィリピンではなり、少なくても3000万円を超えてそうは安くはなく、しかもワン・ルームの狭さである。

 こういう高価な買い物をするのは、一説には投資目的の中国系と海外に移民したフィリピン人が多くを占めているといわれている。

 1990年台に中国・広東省に住んだ経験から中国人は『現金』を信じず、土地や建物に投資するということを知ったが、当時の広東省の都市部にはボコボコと低層のマンションが建ちながら、ほとんど人が住んでいないという所が多かった。

 小生が住んだ所にも低層の建物20棟以上が建ち並んでいたが、住んでいるのは1棟に数世帯という有様で、これで大丈夫なのかと思ったが、将来を見越せば早いところ造った方が儲かるという計算があったのであろう。

 セブでも投資目的で購入する中には日本人も結構いるらしく、売り込む不動産屋の手口としては部屋を賃貸に出すということだが、それほど簡単ではないのがこの世界で、儲けるのは不動産屋だけでお荷物になっている例も多い。

 

 ただ、フィリピンでは法律的に外国人は土地の所有者にはなれないが、コンドミニアムやタウン・ハウスは外国人の名義になるために、そういった意味ではこの制度が外国人のコンドミニアム購入投資意欲を促進している。
 

 ついでに書くが、フィリピンに住んでいる日本人が土地も家も自分の物だという人があるが、その場合フィリピン人と結婚しているとその配偶者の名前で登記しているか、フィリピンに会社を持っている場合は会社名義となる。

 これで何事もなければいいのだが、妻と離婚騒ぎあるいは会社経営を巡って内紛が起きるとフィリピン人名義の土地も家も取り上げられてしまい、いくら裁判に訴えてもどこの国の法律も自国民のためにあるから勝てない。

 この場合、取られたとか騙されたと喚くが最初からフィリピンの法律に対しての己の無知を知るべきで、そういう無知さに付け込んで日本人の夫に金だけを出させて追い出すという手口で騙す悪質な輩も多く、未だに騙される例が後を絶たない。

 

 この悲劇を避けるために、土地購入と家を作る時の資金は夫から妻に出したという書類を作る、つまり妻が夫に借金をしたという形にすればいざ揉めた時に金の回収は出来るというが、元々そういう危ない手を使わなければいけない国であるということを認識する必要がある。


【写真−2】
 

 さて、コンドミニアムに戻るが、写真−2は現在計画中のコンドミニアムの模型で、敷地はあるモールで、そのモール内に展示し、購入予約を取っているが高さの割にずいぶん厚みのない建物でワン・ルーム中心に造るようだ。

 セブの中心部にやはり50階を超すコンドミニアムが造られたが、これも異常なくらい厚みのない設計で、強風でも吹いたら倒れて来るのではないかと近くを通る度に思うが、上の方に住む人はそういった恐怖感は感じないのであろうか。

 

 フィリピンのコンドミニアムの特徴として、日本のように各戸にベランダを付けたタイプは少なくどれも閉鎖的な造りになっているが、いざ火災になった時にどうするのかと気になる。

 そもそもフィリピンには高層階に届く消防の梯子車はなくて考えても無駄で、そういういざとなったらなどと考える人は高層コンドミニアムに住むことは向いていないのは確か。

 日本では近年になってタワー・マンションが続々と造られブームになっているが、フィリピンはマニラ首都圏のビジネス街であるマカティ市など、早くから高層コンドミニアム街が造られ、1980年台にその姿を見た時は日本よりかなり進んでいると思った。

 

 

author:cebushima, category:この一枚2019年 セブ篇, 18:32
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この一枚2019年 セブ篇 その(1) 無法がまかり通るフィリピンの観光地をエル・ニドに見る

 昨年フィリピンで一、二を争う観光地の『ボラカイ島』が大統領命令で6ヶ月間閉鎖され、島内の生活排水などの基盤整備をしたが、半年やそこらで長年の積弊は回復できず、観光業に100%依存する島内事情もあって、結局中途半端で再開してしまった。

【写真−1】

 それにしても年間数百億円も金が落ちるドル箱ともいえる観光地を強制的に閉鎖するなど北朝鮮や中国などの独裁国家顔負けのやり方だが、それほどボラカイ島の観光開発による環境破壊が酷かった証左にもなる。

 この閉鎖問題はボラカイ島を訪れた大統領が『ボラカイの海は汚水溜め』と発言してから始まったものだが、『白砂』の海岸線を売り物にしていたボラカイ島のインチキ性を暴いた。

 ボラカイ島には30年近く前に家人と行ったことがあり、白砂の海岸の美しさは感じたが既に一帯の開発は進行中で、将来はかなり酷くなると予感したが、特に韓国人の新婚旅行のメッカとして注目されてからその通りになった。

 ボラカイの海が『汚水溜め』とまで言われたのは、海岸に立地するリゾート施設やレストランなどが排水をそのまま海に垂れ流し、これは一流と言われるリゾート・ホテルも例外なく、しっかり排水処理をしていたのは極少数という有様。

 この他島民の生活排水も処理されずそのまま海に流れ込んでいたから汚水の海になるのは必然で、それを知らずに泳いでいた観光客もいい面の皮で、島ぐるみ観光客を騙していたと言っても過言ではない。

 売り物の白砂の海岸線は特に無秩序に荒らされ、許可を受けていないあるいは受けていても条件を無視などの違法建築がまかり通り、閉鎖中の期間でこれら違法な建物は100数十軒以上撤去されたというからその無法振りは酷い。

 こういう事態になったのは業者の強欲もあるが、それと結び付き利権としていた許認可を出す地元自治体の駄目さ加減も明らかになり、これは贈収賄など汚職とも思わないフィリピン全体の問題でもありその根は深い。

 

 この環境破壊問題はボラカイ島に限らず、リゾートと名乗る国内各地でも指摘されていて、特にセブ島隣の『ボホール島バングラオ地区』と『パラワン島エル・ニド地区』もボラカイ同様乱開発が酷く、次の閉鎖はこの地域だと俎上に上がっていた。

 

 ここで不思議なのはセブ島のリゾート施設の集中する『マクタン島地区』がそういう対象にならず、すり抜けたことでこれは政治的な力関係が働いていたのではないかと思われる。

 

 マクタン島というのは国際空港を持ち、日本からの直行便も毎日飛んでいるが、リゾート施設は東海岸にあり、上はシャングリアから下は名も知れぬゲスト・ハウスが集中している。

 

 この沖合で30年近く前にダイヴィングをしていたが、その頃と比べて開発は急激で、観光客と島内人口が激増し、生活排水の処理など多くはそのまま垂れ流しという状態で、先年久し振りに同海域で潜ったところ、透明度が非常に落ちていることに驚いた。

 

 ボホール島パングラオ地区は海岸線に沿ってリゾート施設が並ぶが、以前は落ち着いた隠れ家的な雰囲気を持っていたが、大小のリゾートが出来、やはり生活排水垂れ流しなのか騒がれている。

 ボホール島はセブのその次として近年人気が高まり、今年には日本のODA丸抱えの国際空港がパングラオに開港し、海外から直接観光客を呼び込めるようになるため今より増して観光客相手の施設が出来、連れて環境破壊が進行するのは目に見えている。

 

 ボラカイ島の6ヶ月間閉鎖を受けて、次はパラワン島エル・ニドの閉鎖だとニュースは流れ、昨年末にこのエル・ニドへ家人と共に初めて行ったが、その海岸で写真−1のような場面に出くわした。

 ボラカイ島閉鎖を受けて地元自治体は重い腰を上げ、構造物は海面から一定程度の距離を置かなければならない法律を適用して、写真のように海岸に張り出している構造物を撤去し始めた。

 写真で分かるように、このリゾートは瓦礫の散らばる位置まで敷地を拡げていて、取り壊し後に新たに正しい位置に擁壁を築いているが、元々、公共所有物である海岸に造れたということは、地元自治体関係者も金を掴まされて一枚噛んでいたのは確かである。

【写真−2】

 エル・ニド地区では100数十軒がこのような取り壊しの措置を受けたが、写真の海岸沿いは軒並み同様になっていて、泊まったホテルも同じように海岸側を取り壊していた。

 この様子はエル・ニドの中心部へ行くとレストランやバーの海岸側に進出していた部分が軒並み壊されていて、取り壊された部分を【写真−2】のようにブルー・シートで覆っている建物がいくつも目に付く。

 中には店舗の大部分が取り壊されていて再開は難しいのもあって、それにしてもここまで野放しにしていたとは驚かせるが、こういった措置は一時的なものでもっと根本的な生活排水、ゴミの処理など改善には遠いであろうから、エル・ニドの環境汚染は進んでいる。


 エル・ニド滞在中、観光客受け入れのために宿泊設備は無制限に造られ、それに伴い観光客用の店舗が増え、小さな町は観光客で溢れかえっていて、天気の悪いせいもあったがエル・ニドのどこがフィリピンの誇る観光地かと思った。


 

author:cebushima, category:この一枚2019年 セブ篇, 17:24
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