RSS | ATOM | SEARCH
ルアンパバン紀行 その(15) 最終回 ヴィエンチャン行きの飛行機に

 ルアンパバン−ヴィエンチャン間の飛行便は毎日3便、ラオス国営航空が飛ばしている。午前2便、午後1便で昼近くの便でヴィエンチャンへ戻るが、この空港、国際空港と名前が付いているように中国、タイ、シンガポール、ヴェトナム、カンボジアからの国際便が乗り入れている。

【写真−1 ターミナルは新しくても個人旅行者は町まで行くのに苦労する】

 私の場合、ルアンパバンは2度目の訪問だが、最初の時は双発のプロペラ機で訪れ、今はジェット機になっているし、空港には新しいターミナルが作られている。写真−1はその新ターミナルの正面入り口の様子で、かつてのターミナルはここから離れた場所に残っていた。

 この飛行場は海抜291m、2200mの滑走路1本を持つが、滑走路などはジェット機を就航させるために延長したようで、プロペラ機時代はもっと短く離着陸に難しい空港であったらしい。

 2000年代前半にここに初めて降り立ったが、その時はルアンパバンからラオス南部のパクセーを経由してカンボジアのシェムリアップへ行っていて、その時もプロペラ機であった。

 ラオス一の観光地であるルアンパバンは、チェンマイへも直行便が飛んでいて、シェムリアップ、ルアンパバン、チェンマイを結んだ旅行ルートが確立しているので利用する人も多いようだ。

【写真−2 時間帯にもよるが利用者は多い】

 写真−2は空港内の様子で、観光地の空港としてはこれで充分なようで、それ程広くはなく、各種設備も充実しているとは言えない。国際空港らしく入国管理の窓口があるのが目立つ。

 そういえばラオスは国内線搭乗でもしっかり身元の確認をしていて、外国人だとパスポートを調べる。こういった身元確認はフィリピンでも行われるがチケット名と本人の名前が一致するかどうかと言う程度で、ラオスほど厳しくない。この違いが官僚主義で固まる非能率の社会主義国ラオスらしい。

 

【写真−3 褐色のメコン河とルアンパバンの町の色がしっくりする】

 

 写真−3は搭乗した便から眺めたルアンパバンの街の様子で、左右に流れる川はメコン河本流で、丸く流れ込む川は『カーン川』。カーン川がメコン河に合流する左手側がルアンパバンの旧市街で世界遺産登録地になる。

 この飛行コースはもう少し先にプーシ―の丘を右手に臨み、丘の頂上にある寺院の金色の尖塔が見えたたが、あっという間に機は雲の中に入って行った。こうして、飛行時間45分で再びヴィエンチャン空港に到着してルアンパバンの旅は終わった。

 【了】

 


 

author:cebushima, category:ルアンパバン紀行, 17:27
-, trackbacks(0), pookmark
ルアンパバン紀行 その(14) 最後の日に早朝の托鉢見物

 ルアンパバンを午後の飛行機で離れる日の朝、早起きして托鉢の様子を観に行った。ルアンパバンは狭い地域に寺院が密集しているために、僧も多くその托鉢の様子が格好の被写体となっている。

【写真−1 早朝の僧たちの桧皮色の僧衣が目に沁みる

 特に今回の旅行は『オークパンサー=雨出安居』という、7月の『カオパンサー=雨入安居』から明けた時期の宗教行事が重なり、盛大な感じはあった。写真−1は薄暗い中大通りで待ち構えていると、托鉢僧の一行がやって来た。

 寺院の軒先にはまだ消されていない電灯が点っている。こういった托鉢姿は首都ヴィエンチャンでも早朝に遭遇するが、ルアンパバンのように次から次という感じはない。

【写真−2 こうして歩くのも修行の内か】

 写真−2は沿道で待ち構える住民が托鉢僧に功徳をしている様子で、托鉢僧の回り方は時計と同じ方向に右側通行であった。ラオスの車の走り方も右側通行だから関係があるのだろうか。

【写真−3 ビニール袋に満載というのが今風なのだろう】

 写真−3は子どもが母親と一緒に功徳をしているが、こういう小さな時から訳は分からなくても一緒にやっていれば、僧に対する尊敬は自然と身に着くのであろう。

 写真の右の方にヨーロッパ人と思しき2人連れが座っていて、この托鉢もショー化していると書くと問題はあるが、托鉢セットというのを道路際で販売していて、即席に仏教徒になる観光客も多い。

【写真−4 この道は写真−1から一本入った裏通り】

 写真−4は既に溢れるようにもらい、ビニール袋に入れている様子。写真右にプラスティックの籠を持った青年が立ち、僧たちの托鉢物を受け取る補助をしているが、こういった人は僧たちと一緒に歩き数も多い。

 功徳される物はカオニャと呼ぶ糯米の蒸したものだが、市販の菓子類、飲み物なども多くこういった物をビニール袋に仕分けしていて、その袋を一緒に付いて回る小さな子どもに分け与えていた。

【写真−5 このように秩序正しく座ってるが、毎日同じ場所なのだろうか】

 写真−5は住民側から見た功徳の様子だが、早朝からラオスの正装をするとはご苦労な事と思うが、これが毎朝のことだから驚く。

 ちなみに女性は『シン』と呼ぶ筒状のスカートを腰の脇で留めた巻きスカート風に着用し、左肩から右脇へ斜めに架けているのは『パービアン』という布になる。

 ラオスの織物は世界一との評価もあり、その絢爛さは確かに唸らせ、我が家にもたくさんのラオスの織物を飾っているが、かつては良い物が安く手に入ったが、今は高級化している。

【写真−6 今思うと、無言の行でもあった】

 写真−6はこういう感じで次から次と僧の托鉢が続く。この托鉢の意味だが、ラオスは大乗仏教信仰のため、僧は調理をしてはいけなく、そのため日々の食べ物を信者から受けることになり、信者はこの行為を功徳になるとして行う。

 そういえばラオスには寺で付き物の精進料理という話を聞いたことがないから、ラオスの僧は料理をしないのだろう。

 このように毎日、毎日托鉢を行う僧も功徳をする方もご苦労な事だが、ヴィエンチャンの我が家の近所にある寺の若い僧など、頭こそ丸いが携帯電話に夢中で、本当に修行しているのかと思ったこともある。


 

author:cebushima, category:ルアンパバン紀行, 18:40
-, trackbacks(0), pookmark
ルアンパバン紀行 その(13) オートバイを借りてクアンシーの滝へ

 ルアンパバン市街地を洞窟と反対方向へ南に向かうこと30キロほどの所に『クアンシー』という滝がある。ツアー・バスで行けるがここは家人とオートバイの2人乗りで行ってみた。

【写真−1 道は良く、道中の景色も飽きさせない】

 写真−1がその道筋で、ルアンパバンからは少しずつ標高が上がり、振り返るとルアンパバンの街がかなり下に見える。貸しオートバイの家人との2人乗りはホンジュラスのロアタン島や、他の観光地でも経験があり不安はない。

 泊まっているホテルで手配してもらったら、従業員のオートバイを貸してくれて、免許も何も必要なくヘルメットを被ってくれと言われただけであった。

 ラオスはオートバイ・ブームで相当数のオートバイが走るものの、運転している半分以上は無免許だというから免許証がどうのこうのという状況ではない。

【写真−2 地元の人も結構多い】

 田舎道を走る事小1時間で写真−2のクアンシーの滝の入り口に到着。入場門の前はレストランやお土産屋が並び、各国からの観光客も多く結構な観光地と分かる。

 園内に入ると『ツキノワグマ』の保護センターがあって熊が見られる。ラオスにツキノワグマが生息しているのも初めて知ったが、この熊、チベット、中国南部から台湾、朝鮮半島、ロシア、ヒマラヤに分布していて、日本でも北海道から四国に生息している。

【写真−3 泳げる場所は指定されている】

 熊を眺めながら歩き進めると水泳のできる場所があって、その川岸にあった看板が写真−3で、上から韓国語、英語、日本語、中国語の順で遊泳時の注意が書かれている。これはルアンパバン観光に来る国の人数、勢いを示しているのと同じで、日本が3番目に入っているとは特筆できる。

 セブにシャングリアという自他ともに認める高級リゾートがあって、20年ほど前の開業時には日本人の利用客が多く、リゾート内の案内は英語に続いて日本語が書かれていたが、いつの間にか日本語表記は消えて、韓国語、中国語にとって変わってしまった。

 ホテル業もシビアなもので顧客の勢いを考えるとそうなるのだろうが、このリゾートで日本の沈没を感じたのは私だけではないと思う。

【写真−4 一帯は深山幽谷の趣きを感じさせる】

 写真−4はその水泳のできる場所で、観光案内には『エメラルド色』の神秘的な場所とあり、そのエメラルド色も何となく濁った感じで木の葉などの浮遊物も多い。

 段差のある滝の様子をスロー・シャッターで映像を作ればそれらしくなるだろうが、どう見ても泳ぎたいという感じの場所ではなかった。それでも、写真のように欧米系の人間には人気があるのか水に浸かっていた。

 

【写真−5 滝壺まで行けて迫力はある】

 

 写真−5がクアンシーの滝で、この滝は3層に分かれていて、一番下の落差は50メートル以上あり、写真の中ほど下に人が小さく数人立っているので比較されたい。

 この滝は水量も多く、わざわざここまでやって来た甲斐はあり、園内は植物も多くそれを見ながら出口へ向かう。

 門前のレストランで食事を摂り、土産品を物色し、一つ竹製の魚籠を見つけて購入するが、それ以外はこれといった面白い物はなかった。

【写真−6 ペンで描いたのではなく彫り込んでいたらもっと優れもの】

 写真−6は駐車場で見た木の切り株のチェス台で、これは面白い趣向と思って一枚撮る。こういう丸太も乾燥が進めば割れが入ると思うが、これを思い付いた人には感服する。

 


 

author:cebushima, category:ルアンパバン紀行, 19:10
-, trackbacks(0), pookmark