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インドネシア紀行2016 その(37) KLIA2ターミナルで一晩を過ごす(最終回)

 KLIAというのはKuala Lumpur International Airport(クアラルンプール国際空港)の頭文字を取っていて、同敷地内に巨大なターミナルが2つあり、KLIA2は低価格航空会社向け、というよりほとんどエアーアジア社専用になっている。

 一方、KLIA1の方は他社の国際便中心で、両ターミナル間は空港−クアラルンプールを繋ぐ高速鉄道で結ばれていて、便利は便利で速いが運賃はかなり高い。なお、KLIA1ターミナルは日本の黒川紀章設計で、生きていたら次期東京オリンピックのスタジアム設計コンペに参入して面白かったのではと思い惜しまれる。

【写真−1 深夜に近づくとさすがに利用客の行き来は少なくなる】

 ジョクジャカルタを日暮れ直前に飛び立ち、KLIA2に着いたのは既に日はトップリ暮れていて、セブへ帰る乗り継ぎ便は翌日の午前になるので、一晩どこかで過ごさなければならない。

 まずは、食事を摂るが、空港のレストランというのは不味くて高いのが共通していて余程でないと食べる気にならない。それでも広大なKLIA2ビルの1階端に空港関係者が食事をしているレストランがあって、そこへ行ってマレイシア風のカレーを食べる。

 その後は写真−1のスターバックスでコーヒーを飲んで時間を過ごすが、コーヒー一杯ではせいぜい2時間くらいが良いところ。頃合いを見て同ターミナルの一角に設けられたごろ寝の出来る場所へ行く。

【写真−2 ただで安心して寝られるスペース 周りには店がたくさんある】

 この場所は乗客が普通に行き来する場所にあって写真−2がその場所の様子で、色々な国の人が好きなように寝ころんでいる。

 KLIA2にはコンテナを利用したホテルがあり、以前ものは試しと利用したことがあって、畳一枚分のスペースでただ寝るだけでも半日も利用すると普通のホテルの方が安い値段になる。

 また、エアーアジアはすぐそばに自社ホテルを営業していて、そちらも利用したことはあるが、半日程度の利用ではやはりもったいなく、このごろ寝スペースを利用する。

 空港内でこのように寝転がって時間を過ごしたのはタイ、シンガポール、香港、アメリカとあるが、何れも椅子席に無理に寝るか、フロアーに直接新聞紙を敷いて寝たりしたもので、KLIA2のようにカーペットを敷いてあって自由に寝られるようにした空港は初めてであった。

【写真−3 遠く左に見えるのはKLIA1の飛行管制塔】

 確かこの空港は世界の良い空港ランキングで上位に入っていて、荷物を枕に横たわればどこでも寝られるのは長年の賜物で、早朝目を覚まして撮ったのが写真−3。

 太陽がKLIA1方向から徐々に上がって来て駐機するエアーアジア機を浮かび上がらせる。暑いマレイシアもこの時間は空気も爽やかで、空港は24時間体制の空港なので既に飛び立った機がある。こうしてウダウダと空港内で時間を潰しセブ行きの便に搭乗し、家人は初めて、私は3度目のインドネシアの旅は終わった。 【了】



 

author:cebushima, category:インドネシア紀行2016, 19:33
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インドネシア紀行2016 その(36) 雨の降ったジョクジャカルタを後にする

【写真−1 用途は分からないが値段は2000円近くかなり高い】

 

 以前、インドネシアに来た時はバティックのタペストリーや影絵の人形など色々買って帰ったが、今回はそういった物は求めず、写真−1の籠のみを買った。
 
 こういった籠は地方に行ってその土地の市場を回ると面白い物が手に入るが、今回はマリオボロ通り沿いにある大きな土産屋で見つけた。

 直径40センチ以上ある結構大きな籠で、目抜き通りの土産物屋で売っているくらいなので綺麗に編んでいる。

 こういう大きな籠は飛行機に乗る時、なまじ箱に入れたり包装すると潰されたり破損するので、そのままの状態で手続きするのが良く、物が見えると扱う人も手荒にしない。この手で写真の何倍も大きな籠を各国から自宅へ持ち帰っている。

【写真−2 時々降る雨だから良く毎日だと負担になる】

 写真−2はジョクジャカルタ空港へ行く循環バスからの光景で、マリオボロ通りに雨が降っていて、地面に木の葉が叩きつけられている。

 ジョクジャカルタ滞在中は遺跡見物時には雨に会わなかったが、夕方とか真夜中に何度か雨が降った。この時期、インドネシアは雨季の時期なのかよく分からないが、セブのこの時期は乾季に入って更に暑い。

 様子を見ると結構激しい雨で、ポツリと降り出すとペチャの運転手や露店で商売をする人達は蜘蛛の子を散らすように避難し、これはフィリピンでも同じで商売をしている人には悪いが、思わず苦笑する。

 循環バスに乗った時間は既に渋滞になる時間帯で、なかなかバスは進まず余裕を持って乗ったつもりでもチェック・イン締切りが気にかかる。

 空港にようやく着き、駆け出して空港カウンターへ泡食って行くと、到着時間が遅れていて係員もノンビリ仕事をしていて、ヤレヤレとは思うものの、利用するエアーアジア便は遅れが常態化していて善し悪しである。

【写真−3 運賃が安いからといって毎度のルーズな運航は問題】

 写真−3は搭乗するクアラルンプール行きのエアーアジア便機で、最近完成した新しい国際線ロビーで待っていると、雨上がりの視界の悪い中に飛んできて着陸。

 出発時間は遅れたが、クアラルンプールではセブ行きの便に乗り換えるが接続が悪く、次の日の午前中になるので、それまでの時間をどうするか考える。

 こうして、靄に霞んだ夕方直前に離陸したが、期待していたジョクジャカルタの風景は雲に遮られて全く見えなかった。


 

author:cebushima, category:インドネシア紀行2016, 19:10
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インドネシア紀行2016 その(35) ジョクジャカルタの鉄道と駅−2

【写真−1 駅舎を挟んで反対側にも列車は停まっていて上下で分けている】

 

 インドネシアも人の移動はバスに移っているのだろうが、ジョクジャカルタ駅は早朝から列車が入って来て、結構活発な感じはあるがホーム上の人の出入りは少ない。

 写真−1は駅舎左側にあるホームに入っていた列車の先頭の様子で、この写真を見ると高さの割に幅は広く感じ、こちら側は前述したインドネシア最初に敷かれたジョクジャカルタ−スマラン間の標準軌の線路かなと思うが中に入って確認していないから分からない。

 インドネシアの鉄道の電化の様子は首都ジャカルタ周辺だけが行われていて、全体はディーゼル機関車が主のようだ。写真の機関車はどこで製作されたのか分からないが、運転席のガラス窓全面に金網で覆われていて、この国も沿線から投石があるのだろうか。

 その昔、フィリピンで長距離列車の夜行に乗った時、客席の窓全体に金網が貼られていて投石避けと聞いたが、そういう興味本位や嫌がらせで投石する輩がどこの国でもいるようだ。

【写真−2 空港にあるような表示だが自動的に変わるのか分からない】

 写真−2は駅舎に掲示されていた時刻表で、この青い表示は出発用で、到着用はオレンジ色で別々にあり、英語表示もあるので外国人にも分かり易く、この出発時刻表では朝6時台から午後4時台に13本の列車の運行がある。

 特に朝の6時台から同8時台では、1時間に2本を走らせていて、恐らく通勤時間帯と関係があるのだろうが、それなりに利用の多い事を示している。

 ここで注目して良いのは11時25分発のバンドン行列車で、バンドンといえば首都ジャカルタの、そのまた先でかなり長距離になり、何時間かかるか分からないが乗ってみたいものだ。

 バンドンとジャカルタ間を結ぶ高速鉄道プロジェクトが中国の手に落ちたと日本では騒いでいたが、インドネシアは日本が自慢する新幹線のような高度、高速の路線など必要ではなく、中庸の交通システムで充分であり、中国の露骨な金で釣ったプロジェクトではあっても、日本の慢心が読みを外したと見るべきである。

【写真−3 観光客の集まる地域は写真を撮った側】

 写真−3はジョクジャカルタ一繁華なマリオボロ通りを遮断する踏切で、左側が駅舎のある方向でちょうど派手に塗られた列車が通過中。踏み切りといっても遮断機などなく、踏み切りに待機している係員が簡単な鉄製の柵を並べて遮断している。

 それほど運行数がないからそれで充分なのだろうが、通り自体が幹線道路なのでご覧の通り、人やペチャ(3輪自転車)、車が入り乱れて列車通過を待っている。


 

author:cebushima, category:インドネシア紀行2016, 18:23
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