新・へそ曲がりセブ島暮らし100景 その100 椰子林
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2010.02.19 Friday
最後の100はフィリピンらしい風景で締め括りたい。
こう言った平地の椰子林はセブでは見られなくなったが、セブ島北端にある島で写真を撮った。
椰子はたくさんの仲間を持つが、写真の『ココヤシ』が日本人にはお馴染みの姿であろう。
その昔、アフリカから日本に帰る時、インド洋に浮かぶセイシェルに立ち寄った事があった。本島から離れた島に、太古から生息する椰子の樹があり、わざわざその島まで行った。この樹の実は人間の尻の形そっくりで、不思議な気がした。
さて、ココヤシは椰子の実=ココナツを実らせ、食用や燃料にし、葉は家屋の屋根を葺き、家畜の餌にもなる。樹幹は建築材料に使われ、優れた植物である。
フィリピンの昔は、子どもが生まれたら家の周りにココヤシを植え、成長したら子どもの財産になったと言う。実を採って生活の足しになったらしいが、今のせせこましい時代にはもう適応しないであろう。
それでも、ココナツ内の白い果肉を干したのを『コプラ』と言って、重要な農業産品の一つになっている。コプラからはココナツ・オイルが抽出され、工業、食用、美容に利用されている。
フィリピンの匂いは『ココナツ・オイル』と言う人が居て、遠からず当たっている。この匂いは癖があって、嫌いな人はトコトン嫌いらしいが、この匂いがフィリピンから消えたらフィリピンらしさが無くなる。
地方に行くと、土地の境界線に沿って椰子の樹が植えられているのが多い。その昔は、良かったのだろうが樹が成長して動いてしまい、境界線を巡るトラブルが結構多いらしい。
昔の人はそんな事は気にしなかっただろうが、時代が進むに連れて、人間は世知辛くなり欲が勝るようになった。
新・へそ曲がりセブ島暮らし100景 その99 寝そべる犬
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2010.02.18 Thursday
我が家では2匹の犬を飼っている。写真の犬は『タロー』、2005年生まれのオスで、父は『キンタ』母は『シャギー』だった。
キンタはどこにでも居る風貌の茶色の小型犬で、車に跳ねられて瀕死の時もあったが、前足に後遺症を残しながら十数年生きた。
シャギーは獣医からもらった。カーペットのシャギーの毛足の長い様子から名前が付けられた。シャギーは数年しか生きず、最後に産んだ3匹の内の1匹がタローになる。
3匹の子どもの内、1匹は同じ市内の家にもらわれた。先日、初めてその犬を見たが、毎日洗ってもらうように可愛がられている。残る1匹はメスで、セブ島北の町の知り合いにもらわれたが、先頃死んでしまった。
タローは母親の血筋を引いて毛足が長い。写真ではたまたま耳は立って写るが、両耳は垂れている。こう言う犬はクーラーの効いた室内で飼う犬種だが、昼間は家の中、夜は庭で寝ている。
玄関にアルミ製の虫よけ網戸があって、自分で入りたい時は、爪に網戸を引っ掛けて隙間を作り、鼻先をこじ入れて家に入って来る。
教えた訳ではないのに上手にやれる。もう1匹の犬にはこの芸当は出来ないから、犬にも能力差がある。
一度家の中に入ると、食事以外は家から出ず、タイルを張った床の上でゴロゴロ寝そべっている。それも、部屋の3ヶ所に決まっていて次々と場所を入れ替える。
白い毛なので汚れが目立つが洗われるのが大嫌いで、なかなか出来ない。今の乾期は蚤が多く発生し、毎日痒そうに身体を引っ掻いている。先日、獣医に見せて、皮膚病の注射をしてもらったが、あまり効果は無いようだ。
何の役にも立たない犬だが、呑気な様子からただ居るだけで気が休まる。